1994年の中島みゆきのアルバム曲『ひまわり“SUNWARD”』
反戦歌ともとれるこの曲は、香港公演のラストで印象的に歌われている。
なぜ、中島みゆきは、香港でのみ、この曲をラストに歌ったのだろうか?
この曲に感銘を受けた新妻聖子や柳美里。
編曲を手掛けた瀬尾一三がイメージした風景など、色々みていこう。
この記事は、
- 『ひまわり“SUNWARD”』を香港公演で歌った理由
- 『ひまわり“SUNWARD”』はひまわり畑をイメージして音を作った
- 『ひまわり“SUNWARD”』に感銘を受けた柳美里と新妻聖子
について書いてます!
中島みゆき『ひまわり“SUNWARD”』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「SUNWARD」の意味
- SUNWARD…「太陽に向かって」
香港公演で歌った理由
1995年の全国ツアー「LOVE OR NOTHIG」のラスト3公演は、香港で開催された。
これは、中島みゆきにとって初の海外公演だ。
このツアーでは、ラストに『ファイト!』が歌われたが、この香港公演のみ、『ひまわり“SUNWARD”』がラストを飾っている。
この理由について、1995年「月刊カドカワ」12月号のインタビューの中で語られている。
「香港の人にわかりやすい雰囲気っていうか、社会状況とかをいろいろ考えた時に『ひまわり“SUNWARD”』の方がピッタリとくるだろうなあって思って。国民感情に合って、わかりやすいだろうと」
1995年の香港は、2年後にイギリスから中国への返還を控えていた。
それを考えると、確かにこの曲は、その後の香港の姿と重なって見えてくる。
たとえ どんな名前で
呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう
(『ひまわり“SUNWARD”』より)
この曲の歌詞は、ジェームズ・ウォンという作詞家によって、広東語の訳詞が朗読された。
ひまわり畑をイメージした音作り
『ひまわり“SUNWARD”』の編曲を手掛けた瀬尾一三は、この曲の音を作る上でひまわり畑をイメージしている。
「Rolling Stone」のインタビューでは、いつも曲をアレンジする上で、頭の中に映像を思い描いていると語っている。
『ひまわり“SUNWARD”』では、ひまわり畑の映像が浮かんだようだ。
イントロ部分は、カメラを上空高く引いた遠景から始まり、一面のひまわり畑を映した後に、どんどん端っこにカメラが動いていき、やがて人間模様を映していく。
そんなイメージのもと、音はつけられていった。
『ひまわり“SUNWARD”』に感銘を受けた有名人
柳美里
1994年「月刊カドカワ」11月号で、芥川賞作家の柳美里が『ひまわり“SUNWARD”』について寄稿している。
歌詞の中のひまわりが放つ「香り」について、ナチス占領下のフランスでのレジスタンスの詩集を絡めて考察。
「花は散るとき、あるいは姿を消すとき、その短い生の中で最も強く香るのではないだろうか」
戦争の犠牲になった女性の死に顔がひまわりに似ていた、という匿名の詩から、人間が遺す香りこそが花の名前だと、語っている。
たとえ どんな名前で
呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
(『ひまわり“SUNWARD”』より)
新妻聖子
「中島みゆきリスペクトライブ2018 歌縁-うたえにし-」の中で、『ひまわり“SUNWARD”』を披露。
MCの中で、自分の経験や思い出を反映した思い入れのある曲だと明かしている。
新妻は、父親の仕事の関係で小学5年生から高校卒業までをタイのバンコクで暮らした。
通っていたインターナショナルスクールでは、様々な国籍の子供たちと共に学び、そのおかげで、どんな国の人々ともすぐ打ち解けることができるようになった。
「どんな国で生まれても、どんな場所で生まれても、誰もがひまわりのように太陽へ向かってグングンと生きていけたら」
そんな思いで、新妻はこの曲を歌った。
あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうる
ものはないかと
だれにでも降り注ぐ愛はないかと
(『ひまわり“SUNWARD”』より)
『ひまわり“SUNWARD”』はこんな曲
人種や国籍で区別したがる人々。
それをよそ目に、何にも縛られず、自由に咲くひまわりの美しさを描いている。
たとえ どんな名前で
呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう
(『ひまわり“SUNWARD”』より)
『ひまわり“SUNWARD”』のみんなの感想
中島みゆきさんの「ひまわり Sunflower」の「たとえどんな名前で呼ばれる時も花は香り続けるだろう」という歌詞を思い出す。人間社会が揺れていても変わらず春が来て変わらず花が咲く。得難い幸せ。
— sorahana (@sorahana_0715) March 17, 2020
中島みゆきさんの「ひまわりサンワード」は今、世界の人たちに聞いてほしい歌ですよ〜〜絶対❗️
今だから、この歌の深さを全てのラインを超えて飛んで行け^ – ^— ドリミル (@miwakimiyu1123) July 28, 2016
ひまわりの撮影中、中島みゆきの「ひまわり“SUNWORD”」んが頭の中でリフレイン。自分にとっては反戦歌なので、ひまわりは平和の象徴。
— SATONOKUMA (@satonokuma) August 8, 2019
カバーしたアーティスト
新妻聖子
2019年のカバーアルバム『Colors of Life』に収録。
⇒新妻聖子『ひまわり“SUNWARD”』(レコチョク試聴あり)
『ひまわり“SUNWARD”』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『LOVE OR NOTHING』
1994年リリースのオリジナルアルバム。
- 日本テレビ系ドラマ「家なき子」の主題歌『空と君のあいだに』のストリングスバージョン
- 映画「海ほおずき」の主題歌『眠らないで』
を含む全11曲。
【収録曲】
『空と君のあいだに』『もう桟橋に灯りは点らない』『バラ色の未来』『ひまわり“SUNWARD”』『アンテナの街』『てんびん秤』『流星』『夢だったんだね』『風にならないか』『YOU NEVER NEED ME』『眠らないで』
『ここにいるよ』
2020年にリリースされたコンセプトベストアルバム。
「エール」をテーマに集められた珠玉の26曲。
【収録曲】
《エール盤》
『空と君のあいだに』『旅人のうた』『宙船 (そらふね)』『糸』『ファイト!』『ひまわり“SUNWARD”』『瞬きもせず』『泣いてもいいんだよ』『負けんもんね』『時代』『ホームにて』『空がある限り』『地上の星』
《寄り添い盤》
『アザミ嬢のララバイ』『泣きたい夜に』『愛だけを残せ』『悪女』『あした』『タクシードライバー』『with』『最後の女神』『慕情』『帰省』『たかが愛』『風の笛』『誕生』
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