基本的に東京でしか開催されない中島みゆきの「夜会」だが、実は、大阪で上演されていた時期もあった。
2006年4月26日、関西のローカル番組「ちちんぷいぷい」(MBS)に中島みゆきが出演。
初の大阪公演を前に、その心意気や、「夜会」についての思い入れなどを語っている。
聞き役は、毎日放送のアナウンサー・角淳一。
2人の対談についてみていこう。
(※部分的に編集しています)
この記事は、
- 「夜会」大阪公演に中島みゆきが期待すること
- 中島みゆきにとっての「夜会」とは?
について書いてます!
中島みゆきからお出迎え
コンクリートの階段を上がりながら少し緊張の面持ちの角淳一アナウンサー。
この先にある、「イオン化粧品シアターBRAVA!」で、中島みゆきと対談することになっているからだ。
角「なぜ私のことをそんなに気に入ってくださっているのか分からないんですけど」
中島みゆきから、角を対談相手に指名してきたらしい。
角は、東京のミュージシャンに顔が広く、中島みゆきの同志でもある松山千春や、さだまさしとも親交がある。
階段を上りきって、玄関をくぐると、ロビーですでに中島みゆきが待ち構えていた。
みゆき「こんにちは~、お久しぶりでございます~」
「夜会」の開演時間
対談場所である「イオン化粧品シアターBRAVA!」は、大阪市中央区にある劇場だ。
2006年、この場所で、中島みゆきにとって初の大阪公演となる「夜会VOL.14 24時着 00時発」が上演された。
中島みゆきは、数多くの劇場から、なぜここを選んだのだろうか?
みゆき「夜遅いんです、この公演は」
勤め人がちゃんと余裕をもって来られるように、通常のステージよりも遅めの20時開演というのが「夜会」の特徴の1つだ。
それが可能なホールというのが、なかなかなく、この要件を満たしていたのがこの「イオン化粧品シアターBRAVA!」だったのだ。
「夜会」の舞台セット
ロビーには、これまでの「夜会」の舞台模型やチラシが展示されている。
それらを中島みゆきが1つずつ解説していく。
最初に紹介したのは、1994年上演の「夜会VOL.6 シャングリラ」の舞台模型。
らせん状の階段と、その上には、宙に浮いたバルコニー。
セットの下には、オーケストラが演奏するためのスペースが設けられている。
「夜会」は、芝居に合わせて生の演奏がつけられる。
みゆき「演奏する方も、ステージを見ながら演奏して動いていくんで、もぐらの気持ちですね」
このようなセットについても、中島みゆきが注文を出す。
専門用語を知らない中島みゆきの抽象的な言葉を手掛かりに、美術スタッフが具体的な案を出し、そのセッションによってセットを作り上げていくのだ。
「夜会VOL.14 24時着 00時発」の舞台構造
続いて、中島みゆきが角淳一をホール内へと案内する。
目の前に広がる「夜会VOL.14 24時着 00時発」の舞台セットに圧倒される角。
舞台の両側の壁には、いくつもの入口が設けられていて、中島みゆきがどこからも登場できる仕様になっている。
角がまず目を向けた場所は、ステージ下のオーケストラが潜むスペース。
角「お~深いな~!」
ピアノ、シンセサイザー、色々な機材や楽器が詰め込まれている。
みゆき「このメンバーを見るだけでも楽しいんですよ。2階席もおいしいんですよ」
2階席からは、オーケストラの演奏がよく見えるアングルになっている。
そして、ステージ上に目を向けると、ホテルのロビーのセットや、受付、物語で重要なカギとなる大時計がある。
そして、それら後ろには夥しい数のドアや階段が存在感を放っている。
角「あれ、なんか意味があるんですか?」
みゆき「ええ、とっても意味があるんです~」
この舞台の奥には、まだまだ多くの仕掛けが隠されている。
その仕掛けを格納できるのも、中島みゆきがこのホールを選んだ理由なのだ。
中島みゆきは、初の大阪公演に大きな期待を寄せていた。
みゆき「これまでの「夜会」とは違う「夜会」ができるんじゃないかと」
テレビ出演の理由
なぜ、中島みゆきは今回、関西のローカル番組「ちちんぷいぷい」(MBS)に出演しようと思ったのだろうか?
みゆき「ラジオのDJの仕事で、大阪のMBSさんに教育していただいたもんですから」
中島みゆきは、1978年から4年に渡ってラジオ番組「ミュージックマガジン」(MBSラジオ)のDJを務めていたのだ。
みゆき「それまで私は内気な人間だったんでございますけどね」
中島みゆきの軽快なおしゃべりは、この番組で培われたものだった。
後に、その放送がニッポン放送制作部の亀渕昭信の耳に留まり、「オールナイトニッポン」への起用へと繋がっていく。
みゆき「なかなか私もテレビは苦手なので」
だが、そんな昔の深い縁が、中島みゆきを今回のテレビ出演へと背中を押したのである。
「夜会」って何?
角「大阪の人たちが「夜会」って何? と思ってる人もいると思うんですよ。大人が集まってよからぬことをしてるような……」
そんな角淳一の誤解を解くために、中島みゆきが初心者にも分かるように「夜会」を説明する。
「夜会」は、観客を前に歌うという点ではコンサートと同じだが、違うのは、まず、20時からという遅めの開演時間だ。
コンサートは開演時間が18時からというのが多いが、それだと勤め人にはキツいものがある。
みゆき「いい曲終わっちゃったかなって感じで滑り込みみたいなことが多いんです」
20時開演であれば、仕事終わりでもゆっくりジャケットを着替えることができる。
「ゆっくり観ていただけるものをやりたい」という中島みゆきの思いが、この「夜会」といいうタイトルに込められているのだ。
大阪だから意識すること
角「大阪の土地柄というのも、何か意識されてることはありますか?」
角淳一の質問に、中島みゆきは、大阪人のノリの良さを答える。
コンサートでは、強くそれを感じるらしく、客自身も舞台に出演しているような印象を受けるという。
みゆき「一緒に作れる何かができるんじゃないかという別な楽しみがあるんです」
角は、その大阪人のノリの良さを表す一例に、井上陽水のステージに酔っ払いが上がってきたエピソードを話す。
だが、中島みゆきは笑いながら、これに対し予防線を張っておく。
みゆき「「夜会」は、返事する暇がないのでごめんなさい(笑)」
さて、中島みゆきが大阪で楽しみにしているもう1つが、グルメ。
みゆき「粉もんです」
ここ最近よく通っている場所が大阪のダイエーだったり、上沼恵美子が大阪城を所有しているというホラ話を真に受けたり、
みゆき「菓子折りの下に大判小判で差し上げなくてはならないでしょ?」
後日、上沼恵美子がパーソナリティを務めるラジオ番組「こころ晴天」(ABCラジオ)で、中島みゆきのこのくだりが話題に上り、上沼はこれに対し「私、大ファンなんですよ」と語っている。
中島みゆきは、2002年放送の「Good day Good night」(FM大阪)にゲスト出演した際、上沼恵美子のファンだと語っている。
つまり、2人は両想いという訳だ。
最後の挨拶
最後に、中島みゆきから、関西の人へ向けて挨拶をする。
みゆき「大阪で育てていただいたというありがたい記憶が染みついておりまして。皆様に産み育てていただくつもりで頑張ります」
中島みゆき『夜会VOL.14 24時着 00時発』
2006年上演。2004年上演『夜会VOL.13 24時着 0時発』のリメイク。
中島みゆきのシングル曲を今すぐ聴きたい!(無料お試し期間実施中!)
中島みゆきのシングル曲はお手持ちのスマホ・パソコン・タブレット端末で今すぐ聴くことができる。
「Amazon Music Unlimited」なら、月額980円(プライム会員は月額780円)で、中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題!!
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)
もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。
その数、1億曲以上!!
新規登録の場合、無料お試し期間があるので安心!