2003年の中島みゆきのアルバム曲『思い出だけではつらすぎる』
この曲は、柴咲コウに提供され、ドラマ「Dr.コトー診療所」(フジテレビ系)の挿入歌に起用された曲だ。
また、「夜会」では渡辺真知子とデュエットされた曲でもある。
当初はセルフカバーするつもりはなかった曲だというが、どういう心境の変化があったのだろうか。
この記事は、
- 柴咲コウのために書き下ろした『思い出だけではつらすぎる』
- セルフカバーするつもりはなかった『思い出だけではつらすぎる』
- 「夜会」で渡辺真知子とデュエットした『思い出だけではつらすぎる』
について書いてます!
柴咲コウへの提供曲
⇒柴咲コウ『思い出だけではつらすぎる』(レコチョク試聴あり)
ドラマ「Dr.コトー診療所」の挿入歌
『思い出だけではつらすぎる』は、柴咲コウへの提供曲だ。
彼女が看護師役で出演しているドラマ「Dr.コトー診療所」(フジテレビ系)の挿入歌に起用。
主人公の医師・五島健助(吉岡秀隆)を慕うシーンなどでこの曲が流れた。
柴咲版は、2003年9月3日にシングルリリースされ、週間オリコンチャートで9位にランクインしている。
セルフカバーするつもりはなかった
幼い頃から中島みゆきの音楽を聴いていた柴咲コウにとって、今回の曲提供は身に余るほどの光栄だったようだ。
一方、中島みゆきにとっても、柴咲の歌声は惹かれるものがあった。
2004年「音楽専科SOUNDPEOPLE」第11号のインタビューでは、柴咲の繊細な声で歌ってもらうイメージで曲を書いたと語っている。
自分が歌うと線が太い曲になってしまうという理由からは、当初はセルフカバーは考えていなかった。
だが、ドラマから流れてくる柴咲の歌を聴いて、自分でも太く重くなりすぎずに歌えるかもという気がしてきた。
「歌う人の解釈というかね、色が出てるほうが好きだし。それが出てなくちゃ、味もないでしょ」
そう中島みゆきが語るように、印象の違う2つの『思い出だけではつらすぎる』が生まれた。
デモテープは他のミュージシャン
柴咲コウに送られたデモテープは、他の歌い手による仮歌が吹き込まれた。
その理由について、2004年「音楽専科SOUNDPEOPLE」第11号のインタビューで語っている。
中島みゆきが仮歌を吹き込むと、それなりの弊害があるようだ。
「先方が気を遣ってくださって忠実に再現しようとしてくださるので。もっと歌い手さんの個性を重視して歌ってもらってかまわないので、スタジオミュージシャンに歌ってもらったほうが、先方のイメージも広がりやすいのかなと思うようになって」
JPOPや歌謡曲では大御所的存在の中島みゆき。
本人もそれを自覚してか、柴咲に限らず、曲を提供する相手には配慮している。
中島みゆきが提供したアーティストのレコーディングに立ち会うことはよくあることだが、その際も、中島みゆきなりの配慮がある。
例えば、平原綾香へ提供した『アリア -Air-』のレコーディングに立ち会った際は、余計な気遣いをさせまいと別室から歌声に耳を澄ましていたという。
渡辺真知子とデュエットした曲
2019年上演の「夜会VOL.20 リトル・トーキョー」の中で、中島みゆきは渡辺真知子と『思い出だけではつらすぎる』を背中合わせにデュエットしている。
この物語で2人は、何十年ぶりかに再会を果たした姉妹という設定。
そして、現実において、この2人は同じヤマハポピュラーソングコンテスト出身者。
約40年ぶりに同じステージに立つという巡り合わせが、物語の設定とも重なる。
2020年「ダ・ヴィンチ」3月号の中で、渡辺は以下のように語った。
「そうした思いもさりげなくシーンに盛り込んでくださったのかと、あの温かなみゆきさんの背中から感じました」
「ポピュラーソングコンテスト」とは、ヤマハ主催のアマチュアコンテスト。
中島みゆきは、第9回大会『傷ついた翼』入賞、第10回大会『時代』グランプリを勝ち取り、これがレコードデビューの足掛かりとなった。
1975年の第9回大会は、渡辺真知子も出場し、『オルゴールの恋唄』で特別賞を受賞している。
『思い出だけではつらすぎる』はこんな曲
大切な人を失い、次の1歩を踏み出せないでいる。
失くして初めて、その存在が他に代えがたいものだということを知るのだ。
思い出だけではつらすぎる 今すぐに抱きしてめていて
本当の鍵はただひとつ 永遠にあなたが待ってる
(『思い出だけではつらすぎる』より)
『思い出だけではつらすぎる』のみんなの感想
「思い出だけではつらすぎる」は、柴崎コウのバージョンもいいんだな。彼女の歌声、ほんと好き。中島みゆきをカバーして感心したのは彼女だけ。
— 井上岳一 (@gakuichi_i) March 2, 2012
【思い出だけではつらすぎる/柴咲コウ】
2003年の4thシングル。
中島みゆき作詞作曲。ニューミュージック期バラードの残り香がめちゃくちゃあって最高。
ストリングスの壮大さとサビの力強くのびやかなメロディが素敵すぎます。
中島みゆきのセルフカバーも節全開でありがとうございます。— ヘリコプター (@o99helicoPtervf) January 26, 2022
柴咲コウの「思い出だけではつらすぎる」って中島みゆきが作った曲だったのか…すげえな。
— 芋ポテト (@potato_imo66) October 5, 2018
本人映像
『夜会VOL.20 リトル・トーキョー』
2019年上演。歌手の渡辺真知子との共演。
北海道の山奥にあるホテル&パブを舞台に様々な人間模様が織りなされていく。
久々に、既存曲も歌われ、原点回帰したような作品になっている。
中島みゆき&渡辺真知子のデュエットで『思い出だけではつらすぎる』が歌われている。
⇒『夜会VOL.20 リトル・トーキョー』の解説&みんなの感想
『思い出だけではつらすぎる』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『恋文』
2003年リリースのオリジナルアルバム。
- フジテレビ系ドラマ「Dr.コトー診療所」の主題歌『銀の龍の背に乗って』
- 柴咲コウに提供した『思い出だけではつらすぎる』
を含む全10曲。
【収録曲】
『銀の龍の背に乗って』『恋とはかぎらない』『川風』『ミラージュ・ホテル』『寄り添う風』『情婦の証言』『ナイトキャップ・スペシャル』『月夜同舟』『恋文』『思い出だけではつらすぎる』
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