1982年の中島みゆきのオリジナルアルバム『寒水魚』
『悪女』が大ヒットした後にリリースされ、こちらも大ヒットしたアルバム。
中島みゆきの中では最も売れたオリジナルアルバムで、コアなファンでなくとも、広く人々が手にした名盤である。
1曲ずつみていこう。
この記事は、
- 『寒水魚』の特徴
- 『寒水魚』の曲解説＆みんなの感想
について書いてます!
中島みゆき『寒水魚』
1982年リリースのオリジナルアルバム。
- オリコン1位を獲得した『悪女』のアルバムバージョン
- 国語の教科書に掲載された『傾斜』
を含む全9曲。
【収録曲】
『悪女』『傾斜』『鳥になって』『捨てるほどの愛でいいから』『B.G.M.』『家出』『時刻表』『砂の船』『歌姫』
『寒水魚』の特徴
年間オリコンチャート1位
1981年のシングル『悪女』が週間オリコンチャート1位を獲得し、波に乗ってリリースされた中島みゆき9作目のオリジナルアルバム。
こちらのアルバムも、週間オリコンチャート1位を獲得、また、1982年度年間チャートでも1位を獲得している。
総売り上げは82万枚以上で、セールス的に最も成功したオリジナルアルバムといえる。
第24回日本レコード大賞ではベストアルバム賞を受賞。
’82アルバムベスト10に選出されている。
『寒水魚』を愛した芸能人たち
『寒水魚』は芸能人にも愛されたアルバムである。
- 大黒摩季……テレビ番組の中で最もツボったアルバムとして挙げている。
- 明石家さんま……「中島みゆきのオールナイトニッポン」に出演。アルバムを購入したことや、なかでも『傾斜』がお気に入りだと語っている。
- 太田光（爆笑問題）……ラジオ番組の企画マイベスト50の中にアルバムの1曲『時刻表』を選んでいる。
- 工藤静香……「オール中島みゆきナイト」（NHK BSプレミアム）の中で、アルバムの1曲『歌姫』をリクエストしている。
- 岡田有希子……雑誌「DUNK」で岡田有希子の部屋を写した写真に『寒水魚』のカセットテープが写っている。
ジャケット写真は沖縄で撮影
中島みゆきが、ピンク色の海へ浸かっていく幻想的なジャケット。
これは、沖縄本島から西へ100㎞離れた久米島で撮影されたものだ。
撮影の様子が資料映像として残っていて、当時としては貴重な「動く中島みゆき」を見ることができる。
プロモーションシングル
『寒水魚』に先行して、プロモーション用のサンプルシングルが出ている。
こちらのサンプル盤には、『傾斜』『捨てるほどの愛でいいから』の2曲が収録されている。
タイトル「寒水魚」の意味
「寒水魚」というのは、中島みゆきが「熱帯魚」を文字って生み出した造語である。
『寒水魚』曲解説＆みんなの感想
『悪女』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
1980年代を代表する中島みゆきのヒット曲。
シングルでは編曲を船山基紀が手掛けているが、アルバムでは後藤次利が編曲を担当。
ロック色の強いサウンドで、オリジナルとはガラリと印象を変えている。
悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉がほろり
こぼれてしまう「行かないで」
（『悪女』より）
アルバム一曲目を初めて聴いた時の驚きが忘れられない。「悪女」はアルバム「寒水魚」版を圧倒的に支持します。#広島歌謡曲ナイト
— アンパンマン号 (@daisensei2) November 27, 2021
アルバム「寒水魚」買った時、1曲目の「悪女」のアレンジが違っててびっくりしたな #9の音粋
— しげっち (@Shige_Sonics) August 9, 2021
『傾斜』
⇒『傾斜』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
年老いていく醜さと美しさの両方を描いている。
途中からくる曲の転調が良いスパイス。
高校の国語の教科書に掲載されたこともあり、若年層にもわりと知られた曲である。
そうそう、明石家さんまを虜にした曲であることも付け加えておきたい。
としをとるのはステキなことです そうじゃないですか
忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか
悲しい記憶の数ばかり
飽和の量より増えたなら
忘れるよりほかないじゃありませんか
（『傾斜』より）
歳を重ねると、聴く事が出来なくなる楽曲がある。
2013年以降、中島みゆきが聴けなくなった。
例えば「傾斜」。
「寒水魚」発表時点で彼女は30歳。
どうしてあんな歌詞を書けるのだろう。— owariniowari (@owariniowari) December 30, 2021
#中島みゆき といえば
高校のころ現代文教師に
「お前中島みゆき好きなんだろ、じゃ授業やれ」
といわれて教科書にあった
「傾斜」の授業1時間やった。
ガキだったし字面しかわからんかったがやった。CDかけた。恥ずかしい。でもなんか皆聴いてくれた自由な高校。でも思い出すとやっぱ少し恥ずい— 昼行灯くらげ 万太郎 (@nageado) May 19, 2020
『鳥になって』
⇒『鳥になって』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
主人公は、恋人が寝言で昔の女の名前を呼んでいるのを聞いてしまう。
窓に映った自分の姿がその女に似ていることに気付き、自分は代用品だと悟るのだった。
眠り薬をください 私にも
子供の国へ 帰れるくらい
あなたのことも 私のことも
思い出せなくなりたい
（『鳥になって』より）
なんとなく中島みゆきさんの「鳥になって」を聞いて、ヒーッてなった。
♪愛した人の数だけ 愛される人はいない〜— ののまるご (@mnoriko42) September 24, 2021
けど中島みゆきの曲でいちばん好きなのは「寒水魚」というアルバムに入っていた「鳥になって」っていう曲です🦜（昭和）
— ゆか @カリニャンクール (@Bass_YUKA) January 12, 2021
『捨てるほどの愛でいいから』
⇒『捨てるほどの愛でいいから』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
歌手の大黒摩季が、このアルバムの中でとりわけ推している曲。
片想いを歌った壮大なバラードだ。
夢でもいいから 嘘でもいいから
どうぞふりむいて どうぞ気がついて
あの人におくる愛に比べたら
ほんの捨てるほどの愛でいいから
（『捨てるほどの愛でいいから』より）
傾斜は寒水魚ってアルバムに入ってて、中学の頃に衝撃を受けたんですよ。あのアルバム、捨てるほどの愛でいいから、とか恋愛にも聴こえるけど、親に愛されなかった人もガツンと来る歌詞じゃないかと←
— 龍玄だりあ (@RYUGEN_D) January 27, 2021
最近友人が寒水魚を買って聞きはじめたらしく、「『捨てるほどの愛でいいから』がいいからね。『捨てるほどの愛でいいから』を何回も聞くんだよ。」と伝えた。
— 正 (@sh_shota_sh) June 21, 2018
『B.G.M.』
⇒『B.G.M.』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 松任谷正隆
男の家へ電話をかけて、もし、知らない女が出たら、この恋を諦める。
固定電話しかないこの時代ならではの危険な遊び。
アンニュイなサウンドを手掛けたのは、ユーミンの旦那の松任谷正隆。
あなたが留守と わかっていたから
嘘でつきとめた電話をかける
だれかが出たら それであきらめる
まちがいの電話のふりをして 切るわ
（『B.G.M.』より）
乾杯♪程々に。ははっ。RT @marurrie: 中島みゆきさんのアルバムにさ、寒水魚ってのがあるんだけど、そこに入っているBGMって曲が、まあその一人でウイスキーなんて呑んでると、もう、もう、明るいうちから夜みたい。っつーわけで、乾杯。
— ラルフ (@keita_ralf) April 24, 2010
( ‘ω’ )へー「寒水魚」に入ってるB.G.M.って初めてアルファベットを使った曲なのか
— まりも (@146t) April 12, 2015
『家出』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
駆け落ちを描いた曲。
2人幸せになるために家を出てきたが、できれば男を親に紹介したかったし、男の親とも喧嘩したかった。
贅沢を秤にかけている。
逃げる者には
足跡だらけの 月あかり
比べることが悲しいものも
この世にあるよと月あかり
（『家出』より）
思春期の入り口で聴いた「寒水魚」。名曲が多いですが、個人的に「家出」が好きでした。今も好きてす。
— 行政書士うすい法務事務所❄️ (@usuitakashi) July 21, 2020
本日の通勤時に久しぶりに『寒水魚』のアルバムを聞いていたけど、落ち着いた感じのイントロから始まる『家出』の曲には癒されるな～。
— ストラート (@masakitano) April 13, 2011
『時刻表』
⇒『時刻表』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
シンプルなサウンドに乗せて、囁くように歌われている。
世の中の不条理を切り取ったような歌詞が、柔らかく胸を締めつけてくる。
田舎からの手紙は 文字がまた細くなった
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう
人の流れの中でそっと 時刻表を見上げる
（『時刻表』より）
アルバム『寒水魚』のリリースから40年経つけど、収録曲の一つ「時刻表」の歌詞は、古びる処か、寧ろ今は更にリスナーに強烈に訴えかけてくる。https://t.co/xsNO5F0hW1
— charinko-fumi＠洗手含嗽励行の彷徨い人（Moderna💉💉） (@charinko_fumi) January 9, 2022
このご時世
中島みゆきさんの「時刻表」が染みる･･･
（アルバム「寒水魚」収録）— マクリル (@makuriru_doumin) April 9, 2020
『砂の船』
⇒『砂の船』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
悠久な自然を前に人間なんて実にちっぽけな存在。
中島みゆきが描く夜は、どこまでも落ちていけそうな孤独の深淵だ。
月は波に揺れて 幾百 幾千
古い熱い夢の数だけ
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく
（『砂の船』より）
聴いているだけで熱いものがこみあげてくるゾーン
個人的には中島みゆき「砂の船」とかかな…— ポリープゆうぢ (@PolypYudi) October 27, 2020
あ、寒水魚なら聴きながら寝れるかも。『砂の船』が好き。夢の中みたいで
— がう次郎 (@03l17b24c09_3) January 26, 2019
『歌姫』
⇒『歌姫』（レコチョク試聴あり）
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 青木望
このアルバムの中で存在感を放っている曲。
後にベストアルバムに加えられたり、セルフリメイクしMV化されるなど、中島みゆきにとっても思い入れのある曲らしい。
この歌姫は、中島みゆき自身がモデルと捉える人もいるが、本人はそれを否定している。
歌姫 スカートの裾を
歌姫 潮風になげて
夢も哀しみも欲望も 歌い流してくれ
（『歌姫』より）
てな訳で『寒水魚』を引っ張り出してきた。やっぱり砂の船からの歌姫は圧巻。
「男はいつも 嘘がうまいね 女よりも子供よりも 嘘がうまいね」
「女はいつも 嘘が好きだね 昨日よりも明日よりも 嘘が好きだね」
↑今夜沁みたのはここ #shinyabin— 器 (@u_tsu_wa) December 7, 2021
中島みゆきと言えば❗️
アルバム寒水魚収録「歌姫」に尽きるなぁ〜(主観)
歌詞の全てが巧みで美しく、聴く程に浄化され感が堪らない😢#中島みゆき— Snufkin.m (@Snufkinm1) July 21, 2020
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