ラジオ

中島みゆきと平山雄一の対談|1986年放送「サウンドストリート」より

1986年6月13日放送の「サウンドストリート」(NHK-FM)に中島みゆきがゲスト出演している。
音楽評論家の平山雄一を相手に、当時の音楽の方向性やコンサートへの思いについて語った。

当時シングルリリースしたばかりの『あたいの夏休み』についても触れられている。
音楽の方向性を模索していたいわゆる「御乱心の時代」の只中にいた中島みゆき。
この時の音楽の向き合い方がよく分かる放送回である。

2人の対談をみていこう。
(※部分的に編集しています)

この記事は、

  • 『あたいの夏休み』をシングルリリースした経緯と歌詞への思い
  • 中島みゆきがコンサートをする理由

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

客の期待を崩すコンサート

13日の金曜日という不吉な日にこの番組に招待され、少し口調が恨み節の中島みゆき。
司会は、音楽評論家の平山雄一が務める。

中島みゆきは、約2週間前に全国ツアー「五番目の季節」を終えたばかりだ。
平山は、このコンサートに5回も足を運んだらしく、「歌に入りやすいコンサートだった」と評している。

平山「ツアーの組み立てについて、何か心境の変化があったんですか?」

それまでの中島みゆきといえば、ギター1本でスポットライトの中に立ち、例えば『うらみ・ます』を歌うだけで充分という時代があった。
客もそれを期待してコンサート会場へ足を運んでいたのである。

みゆき「それも1つの安定したやり方だからいいとは思うんだけどね。こっちもやりやすいから。でも、それってお互いに分かり切ってる約束の上での出来事みたいなもんでしょ? それを崩すって方向を1つやってみたかったんだよね」

この時期、中島みゆきは音楽の方向性を模索するいわゆる「御乱心の時代」の只中にいた。
コンサートの場においても、その試みが行われていたのである。

ツアーの最終日である6月2日は、沖縄での公演だった。
全ての公演を終えいよいよ夏休みかと思いきや、レコーディングの仕事が残っていて大忙しの中島みゆきだった。

平山「泳いだりはしてきたんですか?」
みゆき「泳げないの」

ただ、この頃の沖縄というと梅雨の時期であるが、滞在期間中は空梅雨で、爽やかな風を満喫したようだ。

『あたいの夏休み』をシングルリリースした経緯と歌詞への思い

1週間前にリリースしたばかりの『あたいの夏休み』平山雄一にとって新鮮だった。
独特のメロディに具体性を伴ったキツい歌詞という組み合わせがヤミツキになる。

みゆき「これ、そのうちLPに入れようかと思ってた曲だったんだけどね。スティービーさんが来た時に、「もうひとつノリのいい曲やろうか」って話になって」

スティービーとは、世界的に有名なスティービー・ワンダーのことだ。
中島みゆきが1985年にリリースしたシングル『つめたい別れ』は、彼が飛び入り参加で伴奏のハーモニカを吹いた。
そして、この『あたいの夏休み』にもシンセサイザーとして参加している。

みゆき「そのうちLPにって思ってたんだけど、何やかんや足したりとかあれこれやってた時に、「シングルにしちゃおっか」ってことになってね」

平山曰く、たいていこのような尖った曲というのは、LPには入れやすいが、シングルでは出しにくいという傾向がある。
それだけに、平山の目には、今回のシングルリリースが思い切った決断のように映る。

みゆき「いわゆる夏の曲って、ここ数年のパターンってのがあるでしょ? 「夏だわ~」っていう(笑)」

杉山清貴&オメガトライブ『ふたりの夏物語』TUBE『シーズン・イン・ザ・サン』など、80年代のこの頃、数々の夏曲がヒットチャートを賑わせた。

みゆき「ああいう夏じゃなくたっていいんじゃないかなって。鬱陶しい夏なら任せて。爽やかだけが夏じゃないぞってね(笑)」

短パンを穿いた付け焼刃レディたちが
腕を組んでチンピラにぶらさがって歩く
ここは別荘地 盛り場じゃないのよと
レースのカーテンの陰 囁く声
(『あたいの夏休み』より)

⇒『あたいの夏休み』(レコチョク試聴あり)

平山「浮ついて夏休みを過ごしている女の子たちを責めてる訳じゃないんだよね、この歌詞を見ると」
みゆき「女の子たちのことじゃなくて、それは、彼女たちのことでもあり、私のことでもありから、一概に責められないけど、一概に他人事として無視も出来ないっていう」

中島みゆきは、自分にとっての幸せというものを考えることが時々ある。
中島みゆきが思う幸せには3種類あるらしい。

  • 他人はともかく自分が嬉しいと思えること
  • 他人が不幸になること
  • 他人が幸福なこと

今の中島みゆきは、3つ目の自分でありたいと願う。
だが、そんな心持ちでいられるのは案外難しいものである。

みゆき「そりゃ簡単には思えないよ。私、ものすごい嫉妬深いしね。意志の力だけで持ってこうってする時は、まだ幸福じゃないんだろうね」

まだ未熟だからこそ、こういう屈折した夏休みが描けるのだと、中島みゆきは自己分析する。

⇒『あたいの夏休み』の記事はコチラ

⇒『つめたい別れ』の記事はコチラ

コンサートをする理由

中島みゆきは、時々、自分がなぜコンサートをやっているのだろうと考えることがある。
月給制だから、コンサートをやったからといって余分に自分の懐に金が入る訳ではないのだ。
おまけに、精神的なプレッシャーや肉体疲労、そのような負の要素が付きまとう。

なのに、なぜ自分はコンサートを続けているのか?

中島みゆきがコンサートを行うのは、客に楽しんでもらうといった理由からではない。
客と真剣勝負がしたいからだ。

みゆき「道場荒らしに似てる気分ね(笑)もしかしたら向こうでメッタ斬りになるかもしんないけど、お客さんも真剣持ってくるんだろうから、こっちも真剣磨いていくっていう、他流試合をしに行くんだなと思うのね」

コンサートをやらなければ堕落していく。
それは面白さとか楽しさとはまた違うやりがいを感じるのだという。

平山雄一イチオシの『月の赤ん坊』

平山雄一が、最近中島みゆきのLPで聴いて衝撃を受けたという『月の赤ん坊』をラストにかけることに。
いつかライブでこの曲を聴いてみたいと話す平山に対し、中島みゆきはその難しさを語る。

みゆき「いや~、できるかなぁ。あれ力いっぱい歌ったらヤダもんね。コンサートだったらつい力入っちゃうもん」

『月の赤ん坊』はデモテープの段階ではだいぶ印象の違う曲だったようだ。
アルバムには採用されなかった歌い方をコンサートでなら聴けるかもしれないと、平山は期待する。

平山「すごく不思議な曲でね、優しさとか強さとか、暗いとか、そんなもんでは語れない中島みゆきを発見した曲です」

閉ざしておいた筈の窓をすり抜け
子守歌が流れてる
裸足のままで蒼い窓辺に立てば
折れそうな三日月
(『月の赤ん坊』より)

⇒『月の赤ん坊』(レコチョク試聴あり)

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