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中島みゆき『中島みゆき』の曲解説&みんなの感想【試聴あり】|『御機嫌如何』『仮面』『ローリング』を収録したアルバム

1988年の中島みゆきのオリジナルアルバム『中島みゆき』

1980年代の半ばから、中島みゆきは自身の音楽スタイルを模索するいわゆる「御乱心の時代」に入っていた。
本作は、その時代に区切りをつけたアルバムと言ってよい。

1曲ずつみていこう。

この記事は、

  • 『中島みゆき』の特徴
  • 『中島みゆき』の曲解説&みんなの感想

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『中島みゆき』

1988年リリースのオリジナルアルバム。

  • 椎名和夫作曲の『湾岸24時』
  • 郵政省「かもめ~る」のCMソング『御機嫌如何』
  • 甲斐よしひろ作曲の『仮面』

を含む全9曲。

1988年版の『ローリング』を聴くことができる。

【収録曲】
『湾岸24時』『御機嫌如何』『土用波』『泥は降りしきる』『ミュージシャン』『黄色い犬』『仮面』『クレンジング クリーム』『ローリング』

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『中島みゆき』の特徴

週間オリコンチャート3位

『中島みゆき』は、1988年3月16日にリリースされ、週間オリコンチャート3位を記録した。

「御乱心の時代」最後のアルバム

1980年代半ばから、中島みゆきは自身の音楽スタイルを大きく変えようとしていた。
これまで縁のなかったロックを取り入れ、様々な可能性を模索していたこの時期を「御乱心の時代」と呼ぶ。
だが、その「御乱心の時代」も、本作『中島みゆき』をもって終わりを迎える

次回のアルバム以降は、瀬尾一三がアレンジを手掛けているため、本作は、瀬尾一三以外のアレンジが聴ける最後のアルバムとなる

コンサート活動を休んで作られたアルバム

中島みゆきは、「今回は出産活動に励む」と宣言し、しばらくの間コンサート活動を控えることにした。
この「出産活動」とは、レコーディングに専念するという意味。

1985年「GB」5月号のインタビューによると、これまでコンサートをやりながら年1回のペースでアルバムを出してきたが、ここにきてもっとアルバムを出したいという気持ちが高まったという。

「ここへきて出したい曲がある程度、数がありましたからね」

骨を休めるどころか、さらに躍進するための産休だったが、意外にも早く本作のアルバムはリリースされた。
ちなみに、この出産活動宣言にちなんで、「みゆきが産んだのはみゆきだった」というキャッチコピーがつけられた。

1987年のコンサート「MIYUKI NAKAJIMA CONCERT ’87「SUPPIN VOL.1」」の中で、中島みゆきはファンにこう質問した。

「すぐにアルバムが出た方がいいか。それともじっくり待って2枚組がいいか」

ファンは、前者を選び、その結果、先に出てきたのが『中島みゆき』だった。

タイトルの意味

原点回帰とも思わせる「中島みゆき」というタイトルだが、2012年「ROCKIN’ON JAPAN」12月号のインタビューで、その意図について振り返っている。

当時は、サウンド志向を意識してアルバムを制作していたため、ボーカルを下げていた。
これについて、誤解を与えまいとする意識が働いたようだ。

「ヴォーカリストとしての自分を引っ込めるっていう意味にも取れるなっていうんで、いや、そういう意味じゃない、中島は中島だっていうんで名前をつけたんだと思います」

ニューヨークでレコーディング

前作のアルバム『36.5℃』に続き、本作もニューヨークでレコーディングが行われた。

1988年「GB」4月号の宇都宮美穂のレポートによると、中島みゆきは、1月10日からサンカルロスというホテルに宿泊していた。
夜の8時前にスタジオへ行き、朝の9時頃にホテルへ戻ってくるといった毎日。

このアルバムの収録曲は、真夜中に生まれたということになる。

ラリー・アレキサンダーが参加

前作のアルバム『36.5℃』に引き続き、本作でもミキシングにラリー・アレキサンダーが参加している。
ラリーは、ダイアナ・ロスやビリー・ジョエルなど大物歌手の曲をも手掛けた敏腕。

中島みゆき曰く、ラリーは、ノリじゃなくて言えばきちんとやってくれる小学校先生タイプだという。
中島みゆきが苦手とする急にハグしてくるアメリカンタイプでないところも、魅力の1つ。
音以外のところで余計な気を遣わずに済むというのは、仕事を効率よく進めるには重要だ。

曲解説

『湾岸24時』

⇒『湾岸24時』(レコチョク試聴あり)

作詞 中島みゆき
作曲 椎名和夫
編曲 椎名和夫

作曲のみを本作のアルバムプロデューサーである椎名和夫が手掛けている。
1986年に椎名は、中森明菜『DESIRE -情熱-』のアレンジを担当した。
都会的なサウンドは、この曲においても活かされている。

男にヤキモチを焼かせようと裏切り行為に出た女。
だが、男は動じていないという予想外の展開の曲だ。

裏切りをあなたが悲しまないなんて
むしろ2人潮時と喜ぶなんて
意外な成りゆきに涙も出やしない
(『湾岸24時』より)

『御機嫌如何』

⇒『御機嫌如何』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

1987年にリリースされたシングル曲。
1994~1995年には、中島みゆきが出演した郵政省「かもめ~る」のCM曲に起用された

別れた男に宛てた失恋から立ち直ったという旨の手紙。
その文面をそのまま歌にしたような曲だが、仄かに未練も漂っている。

御機嫌如何ですか
私はあい変わらずです
泣いてる日もあります 笑う日だってあります
(『御機嫌如何』より)

⇒『御機嫌如何』の記事はコチラ

『土用波』

⇒『土用波』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

  • 土用波…「夏の土用のころに押し寄せてくる高波」

現在は廃盤になったベストアルバム『中島みゆき PRESENTS BEST SELECTION 16』に収録された曲だ。

ラテンを感じさせるビートが心地良い。
愛への後悔や疑いなど、身にまとわりつく一切を土用波が押し流してくれる。

流れゆけ流れてしまえ立ち停まる者たちよ
流れゆけ流れてしまえ根こそぎの土用波
(『土用波』より)

『泥は降りしきる』

⇒『泥は降りしきる』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 久石譲

アレンジは、ジブリ音楽でお馴染みの久石譲が担当。

思い切って告白したものの、男からは付き合っている人がいると告げられてしまう。
歌と語りの境界が曖昧な独特の歌唱法だ。

なんだァ そういうことかァ
言ってくれないんだもの
期待してしまった 仕度してしまった
あたしだけバカみたい
(『泥は降りしきる』より)

『ミュージシャン』

⇒『ミュージシャン』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

現在は廃盤になったベストアルバム『中島みゆき PRESENTS BEST SELECTION 16』に収録された。

自信を喪失してしまったミュージシャンを隣で励ましている曲。
中島みゆき曰く、歌詞の「ミュージシャン」の部分を、自分の職業に置き換えてマイ応援歌にする人が続出したという。

「ミュージシャン
かなしいことを言わないで」
「ミュージシャン
何処でもついてゆけるものよ女は」
(『ミュージシャン』より)

⇒『ミュージシャン』の記事はコチラ

『黄色い犬』

⇒『黄色い犬』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

英語圏で「yellow dog(黄色い犬)」という言葉は、俗に「つまらない人」という意味で用いられている。

虚勢を張ってもチヤホヤされてもメイクをとってしまえば黄色い素肌の何もない女。
そんな自分を愛してくれるだろうか?
歌詞もサウンドも、都会的なロックテイスト。

素っ裸で I Love You
素っ裸で I Need You
何ンにもない女でも 愛してくれますか
(『黄色い犬』より)

『仮面』

⇒『仮面』(レコチョク試聴あり)

作詞 中島みゆき
作曲 甲斐よしひろ
編曲 椎名和夫

甲斐よしひろの作曲で1988年にリリースされたシングル曲。
シングルA面曲で中島みゆき以外が作曲を手掛けているのは、この曲だけ。
2011年には、甲斐よしひろもこの曲をセルフカバーしている。

落ちぶれてしまった男をずっとそばで見守り続けた女を描いている。

ねぇ 覚えてやしないでしょう
あたし あんたが文無しだった
頃から 近くにいたのにさ
(『仮面』より)

『クレンジングクリーム』

⇒『クレンジングクリーム』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 久石譲

単調な歌詞が繰り返される構造だけに、中島みゆきもステージで歌うときには手を焼いている曲だという。

クレンジングクリームで化粧をとっていけば、醜い素顔の女が現れる。
女の裏と表が見えてくる曲だ。

クレンジングクリームひと塗り 淋しい女現われる
クレンジングクリームひと塗り 捨てられた女現われる
(『クレンジングクリーム』より)

⇒『クレンジングクリーム』の記事はコチラ

『ローリング』

⇒『ローリング』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

この曲は、1993年のアルバム『時代-Time goes around-』で、瀬尾一三のサウンドによりセルフリメイクされた
瀬尾一三版と違い、こちらの椎名和夫版は、ライトタッチなサウンド。

孤独を紛らすため飲み歩き、行きついた先は電話ボックス。
手当たり次第に電話をかけていくが、本当に話したい相手の番号は押すのが躊躇われてしまう。
男の哀愁が漂う1曲だ。

Rollin’Age 寂しさを
Rollin’Age 他人に言うな
軽く軽く傷ついてゆけ
(『ローリング』より)

⇒『ローリング』の記事はコチラ

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