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中島みゆき『DRAMA!』の曲解説&みんなの感想【試聴あり】|「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」「夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋」「夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋」の曲を収録したアルバム

劇

2009年の中島みゆきのオリジナルアルバム『DRAMA!』

2008年に上演された吉川晃司主演のミュージカル「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」と2008~2009年に上演された「夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋」「夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋」のために作られた曲を収録した舞台発のアルバムだ。

1曲ずつみていこう。

この記事は、

  • 『DRAMA!』の特徴
  • 『DRAMA!』の曲解説&みんなの感想

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『DRAMA!』

2009年リリースのオリジナルアルバム。
2008年の吉川晃司主演のミュージカル「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」、2008年~2009年に上演された「夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋」「夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋」のために書き下ろされた曲を収録。

【収録曲】
『翼をあげて』『こどもの宝』『夜の色』『掌』『愛が私に命ずること』『NOW』『十二天』『らいしょらいしょ』『暦売りの歌』『百九番目の除夜の鐘』『幽霊交差点』『海に絵を描く』『天鏡』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

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『DRAMA!』の特徴

週間オリコンチャート5位

『DRAMA!』は、2009年11月18日にリリースされ、週間オリコンチャート5位を記録している。

2つの舞台の曲を収録

本アルバムは前半6曲が、2008年の吉川晃司主演のミュージカル「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」のために書き下ろされた曲
後半7曲が、2008年~2009年に上演された中島みゆき主演の「夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋」「夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋」のために書き下ろされた曲
2段構成になっている。

「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」の概要

ユダヤ人の命を救った杉原千畝

物語のモデルとなった杉原千畝は、第二次世界大戦中にリトアニアの日本国総領事館に赴任していた人物。
ナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ人の命を救うために、日本の外務省の命令に逆らいながらも、ビザを発給し、ヨーロッパからの脱出を手伝った。
この勇気ある行動が称賛され、ユダヤ人を雇用することで命を救った実業家のオスカー・シンドラーにちなんで「日本のシンドラー」と呼ばれるようになった。

中島みゆきの杉原千畝への思い

中島みゆきは、このミュージカルが上演されるにあたって以下のコメントを寄せている。

「現代の民族紛争にも通ずるデリケートな作品ですが、私はただ一点、「人間として」という立場を貫いたSEMPO氏(杉原千畝)への敬意に基づいてのみ詞曲を書かせていただきました」

2009年12月5日放送の「中島みゆきのラジオ昼間便」(NHK-FM)の中では、当時の世界情勢の中で下した杉原千畝の決断は大変勇気のいることだと述べている。
杉原千畝を直接知っているわけではない。
だから、もし、後に自分がある形で歌うことになった場合、責任を持てる範囲内で曲を書いたと語っている。

『夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋』

2009年上演。「安寿と厨子王」がモチーフの作品。
今生に残した悔いを、輪廻を繰り返す中で解き放っていく和テイストスペクタクル。

『DRAMA!』曲解説&みんなの感想

『翼をあげて』

⇒『翼をあげて』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

「SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜」のテーマ曲の位置づけ。

色んなしがらみを断ち切ってビザを発給することを決心した杉原千畝とその妻の幸子によって歌われている。
また、迫害から逃れ、ヨーロッパから脱出しようとするシーンで、ユダヤ人たちによって合唱されている。

怖れは消えはしない 生きる限り消えない
迷え 選べ 己れが最も畏れるものを 選べ
翼をあげて 今ゆくべき空へ向かえ
翼をあげて 向かい風の中
(『翼をあげて』より)

『こどもの宝』

⇒『こどもの宝』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

杉原千畝がビザを発給することに悩み、決心に至るまでのシーンで歌われている。
今の自分から、幼い頃の自分へ何を示してあげることができるのか、悩み葛藤する。

見覚えのある あの少年が
遠い昔を抜け出して
私を見上げる 私は目を逸らす
教えてやれることは まだ無い
(『こどもの宝』より)

『夜の色』

⇒『夜の色』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

杉原千畝が赴任先のリトアニアへ向かう直前、妻の幸子とその妹の節子がフィンランドの白夜の空を見上げながらこの曲を歌う。
どんな未来が自分たちを待ち受けているのか、不安定さを孕んでいる。

君のひそむ夜の色を 何んと呼べばいいのだろう
光は希望か 闇は恐ろしいか
それなら この白い夜はどうだ
(『夜の色』より)

『掌』

⇒『掌』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

杉原千畝が国からの命令によりビザを発給できないでいる自分の無力さに悩むシーンで歌われている。

この掌で支える何かがあろうか
ひれ伏す地面に両の掌をつく以外に
この掌で守れる何かがあろうか
打たれる我が身を両の掌でかぼう以外
(『掌』より)

『愛が私に命ずること』

⇒『愛が私に命ずること』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 小林信吾

ナチス・ドイツの迫害から逃れるためにポーランドを脱出しようとするユダヤ人青年と、故郷にとどまろうとする恋人のデュエットでこの曲が歌われる。

この曲が、男と女のどちらで歌われるか知らされていなかった中島みゆきは、念のためデモテープには、宮下文一に歌を吹き込んでもらっている。
男の立場であってもそれなりに味わいがある曲だと、中島みゆきは語っている。

心には翼がある
さまよう民となって離れるときも
2つのかけら遠く呼び合うだろう
(『愛が私に命ずること』より)

『NOW』

⇒『NOW』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 小林信吾

物語のラストを飾った曲。
杉原千畝とユダヤ人たちによって感動的に歌われている。

「今」とは、過去と未来を繋ぐ大事な中継地点。
暗い過去から、望みある未来を切り拓くには、「今」決断すべきなのだ。

煩いを捨て 企みを捨て
我等は何を見つめるだろう
今 ここは過去と未来つなぐ
Right NOW
(『NOW』より)

『十二天』

⇒『十二天』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

ここからは「夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋」「夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋」のために書き下ろされた曲。

十二天…「仏教用語で天界に住む神々の12種類の総称」

各々の方角を守っている各神々を列挙している。

毘沙門天から 焔魔の天へ
風の天から 火の天へ
(『十二天』より)

『らいしょらいしょ』

⇒『らいしょらいしょ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

中島みゆきが幼い頃に手毬をつきながら歌っていた曲が「らいしょらいしょ」というこの曲だったという。
初め、何も意味も分からず歌っていたが、そのうち、「らいしょ」が、「前生、今生、来生」の「来生」のことではないかと考えるようになった。
劇中でも、幼い子が手毬をつきながら歌っている。

来生 来生 前生から今生見れば 来生
彼方で見りゃ この此岸も彼岸
(『らいしょらいしょ』より)

⇒『らいしょらいしょ』の記事はコチラ

『暦売りの歌』

⇒『暦売りの歌』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

劇中の随所で歌われている曲。
「新しき古え」など、逆説的な表現が多く、時間の捉え方が面白い。

暦はいかが 新しき古えを
暦はいかが 1生1度の1日を
(『暦売りの歌』より)

『百九番目の除夜の鐘』

⇒『百九番目の除夜の鐘』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

仏教において、人間は、前世・今生・来世の3つにそれぞれ36種類の煩悩を持つといわれている。
36✕3=108。
108すべての煩悩の数だけ鐘をつく除夜の鐘だが、108回で終わるという保証はどこにもない。

百九番目の除夜の鐘 鳴り止まなければどうなろうか
このまま明日になりもせず このまま来生になりもせず
(『百九番目の除夜の鐘』より)

『幽霊交差点』

⇒『幽霊交差点』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

劇中では、水の底の浮世離れしたところで歌われている。

幽霊交差点を 御存じですか
幽霊交差点を お忘れですか
角を曲がってしばらく行けば
もとの景色が有るのに気付く
(『幽霊交差点』より)

『海に絵を描く』

⇒『海に絵を描く』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 小林信吾

劇中では、男が、前世の記憶を思い出せそうで思い出せないもどかしい状況でこの曲を歌っている。
記憶は失えば捨てたものとなり、約束は消えれば嘘となってしまう。
それは、海に絵を描くように心許ないものなのだ。

海に絵を描く 絵具は涙
海が絵を呑む 記憶は逃げる
忘れたものは 捨てたものと同じことになる
(『海に絵を描く』より)

『天鏡』

⇒『天鏡』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

2009年12月5日に放送された「中島みゆきのラジオ昼間便」(NHK-FM)の中で、中島みゆきは、この曲に言及している。
寺モノの物語を作ろうと思っても、自分の力では及ばない大きな力があり、そこへ委ねた曲だという。

その鏡に映るものは 置き忘れた約束と
その鏡に映るものは 通り過ぎて気が付く誤ち
(『天鏡』より)

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