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中島みゆき『歌暦』の曲解説&みんなの感想【試聴あり】|中島みゆき初のライブアルバム

ライブ

1987年の中島みゆきのライブアルバム『歌暦』

中島みゆきが初めてリリースしたライブアルバムだ。
オリジナルとは違うアレンジで聴くことができ、また、このアルバムにしかない曲も収録。
曲の間のMCは、ライブの臨場感を盛り立ててくれる。

1曲ずつみていこう。

この記事は、

  • 『歌暦』の特徴
  • 『歌暦』の曲解説&みんなの感想

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『歌暦』

1986年の12月に両国国技館で行われたコンサート「歌暦Page86 -恋歌-」の模様を収録した中島みゆき初のライブアルバム。

  • アマチュア時代に作られた『クリスマスソングを唄うように』

を含む全14曲。

【収録曲】
『片想’86』『狼になりたい』『悪女』『HALF』『鳥になって』『クリスマスソングを唄うように』『阿呆鳥』『最悪』『F.O.』『この世に二人だけ』『縁』『見返り美人』『やまねこ』『波の上』

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『歌暦』の特徴

初のライブアルバム

1987年2月21日にリリースされた中島みゆき初のライブアルバム
週間オリコンチャート1位を獲得。

1986年12月18日から4日間に渡って行われた両国・国技館で行われたコンサート「歌暦Page’86恋唄」の模様が収められている。
テーマは「恋唄」。
中島みゆきの等身大の失恋ソングが、前面に出た仕上がりになっている。

中島みゆきはコンサートのMCの中で、「今日はライブを録っているのよ」と予め観客に伝えている。

舞台セットは黒を基調

1987年「GB」3月号の平山雄一のレポートによると、モノトーンのシンプルなステージで、黒を基調としているものの、「熱い感情」が漂う配色だったという。

全曲解説

『片想’86』

⇒『片想’86』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

コンサートの1曲目に歌われた曲。
1987年「GB」3月号のレポートによると、中島みゆきは、赤い襦袢姿と裸足、そしてアコースティックギターを抱え、現れた。
「今年はあたしはこうでした」と言った後で、この曲を歌い始めている。

片想いと分かり切っているなら潔く身を引きたいところ。
だが、心は、いつまでも相手に執着してしまうのだ。

手を放せ 早く すがる袖から
うかれているのはおまえだけ
(『片想’86』より)

『狼になりたい』

⇒『狼になりたい』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

中島みゆきは、この頃、音楽の方向性を模索していたいわゆる「御乱心の時代」の只中にいた。
ロック調のアレンジが加えられ、印象の違う仕上がりだが、オリジナルに漂う孤独感はそのまま踏襲されている。

向かいの席のおやじ見苦しいね
ひとりぼっちで見苦しいね
ビールをくださいビールをください 胸がやける
(『狼になりたい』より)

⇒『狼になりたい』の記事はコチラ

『悪女』

⇒『悪女』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

サックスフォンが加わりスピード感溢れる新しい形の『悪女』
自ら嫌われて恋を終らせようとする女心が描かれた80年代のヒット曲だ。

悪女になるなら 月夜はおよしよ
素直になりすぎる
隠しておいた言葉が ほろり
こぼれてしまう「行かないで」
(『悪女』より)

⇒『悪女』の記事はコチラ

『HALF』

⇒『HALF』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

当時の中島みゆきとしては珍しいロックバラード。
魂の半分を埋めてくれる大事な存在を歌ったラブソングだ。
オリジナルの「もう一度誓いなおすことができるなら」という歌詞を、「もう一度伝えなおすことができるなら」と変えて歌っている。

次に生まれて来る時は めぐり会おうと誓ったね
次に生まれて来る時は 離れないよと誓ったね
(『HALF』より)

『鳥になって』

⇒『鳥になって』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

1987年「GB」3月号のレポートによると、バンドメンバーが去り、黒のノースリーブのドレス姿の中島みゆきが1人ステージに取り残される。
オリジナルではストリングスが伴奏についたが、こちらは原点に戻って、ギターのみの弾き語りで歌われている。

辛い恋の歌だが、ギターの柔らかな音色とともに静かに心に染み入ってきそうだ。

愛した人の数だけ 愛される人はいない
落ち葉の積もる窓辺はいつも
同じ場所と限るもの
(『鳥になって』より)

『クリスマスソングを唄うように』

⇒『クリスマスソングを唄うように』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

収録されたライブは、クリスマスまで1週間もない頃に行われた。
1987年「GB」3月号のレポートによると、ステージにはプレゼントが届けられていた。

「クリスマスツリーと花束とカップ麺。これで私のクリスマスになった」

このMCの後に、弾き語りで歌われたのがこの曲。
アマチュア時代に作られた唯一のクリスマスソングだという。

クリスマスの日に限ってしか歌われないクリスマスソングのように、一夜限りの愛が欲しいと願う切ない恋心が描かれている。

なお、この曲は、このアルバムにしか収録されていない。

クリスマスソング唄うように 今日だけ愛してよ
暦変われば他人に戻る
(『クリスマスソングを唄うように』より)

『阿呆鳥』

⇒『阿呆鳥』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

この曲の前のMCには、当時の音楽へ対する中島みゆきの思いが語られている。
それまで弾き語りや歌謡曲のイメージが強かった中島みゆきだが、日本のミュージックシーンに合わせて、新たな音楽の可能性を開拓していく必要があった。
外野からは、中島みゆきらしくないという否定的な声も少なくなかったが、MCでは、彼らに対し、こう返答している。

「ただね、正直になりたいの」

オリジナルでは「あほう鳥」という表記だが、こちらのライブアルバムでは「阿呆鳥」と漢字表記になっている。

あたしは とても おつむが軽い
あんたは とても 心が軽い
二人並べて よくよく 見れば
どちらも 泣かない あほう鳥
(『阿呆鳥』より)

『最悪』

⇒『最悪』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

この曲が収録されている1986年のアルバム『36.5℃』甲斐よしひろがプロデュースしている。
甲斐らしいロックを前面に打ち出した曲だ。

想い出の甘いラブソングも、破局後に聴くと、かなりの劇薬になり得る。

Brandy night あいつのために歌った歌が
Brandy night ちょうど流れて来たりしたら
最悪だ
(『最悪』より)

『F.O.』

⇒『F.O.』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

  • 「F.O.」…フェイドアウト(少しずつ消えてゆくこと)
  • 「C.O.」…カットアウト(瞬間的に消えること)

お互いに望む恋の終わり方ができないでいる。

僕の望みはフェイドアウト
君の望みはカットアウト
ますます冷める恋心
(『F.O.』より)

『この世に二人だけ』

⇒『この世に二人だけ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

「私、今年はこの曲を最後に歌いたかった」と言った後に歌われた。

妻帯者に不毛な恋心を寄せる女の歌。
2人きりの世界を妄想してみるが、報われないオチが待っている。

二人だけ この世に残し
死に絶えてしまえばいいと
心ならずも願ってしまうけど
それでもあなたは 私を選ばない
(『この世に二人だけ』より)

『縁』

⇒『縁』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

1987年「GB」3月号のレポートによると、中島みゆきは、マイクを離れ、肉声を国技館に響かせた。

「縁」というのは、どんなに離れても引き合う力を秘めている。
問題は、自分とあの人の間に、縁があるのか、ないのか。

あなたは私を追い回す
私はあなたの毒になる
河よ 教えて泣く前に
この縁は ありやなしや
(『縁』より)

『見返り美人』

⇒『見返り美人』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

この曲には、4つのバージョンが存在するが、こちらのライブ版はシングルバージョンに近い。

恋に打ちのめされながらも、そこから這い上がっていこうとする力強さを感じさせる曲だ。

アヴェ・マリアでも 呟きながら
私 別人 変わってあげる
見まごうばかり 変わってあげる
だって さみしくて 見返りの美人
(『見返り美人』より)

⇒『見返り美人』の記事はコチラ

『やまねこ』

⇒『やまねこ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

息継ぎが辛そうに歌っているのもライブの醍醐味。
愛そうとすれば傷つけてしまう矛盾に、苦しむ女心が描かれている。
これもまた「御乱心の時代」を代表する曲だ。

傷つけるための爪だけが
抜けない棘のように光る
天からもらった贈り物が
この爪だけなんて この爪だけなんて
(『やまねこ』より)

『波の上』

⇒『波の上』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

感極まって声を震わせながら歌っているのが印象的。
崩れるような歌声に、それを励ます観客たちの声援が重なり、ライブならではのコミュニケーションを感じさせる。
歌い終えると、中島みゆきは、観客に向かってこう言う。

「こんばんわ、中島です」

これは、「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回、別れ際にリスナーへ放った言葉だ。
この曲も、心の傷に寄り添っていく中島みゆきらしさが出た曲だ。

遠いエデン行きの貨物船が出る
帰りそこねたカモメが堕ちる
手も届かない 波の上
(『波の上』より)

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