1992年の中島みゆきのシングル『浅い眠り』
浅野ゆう子＆柳葉敏郎主演のドラマ「親愛なる者へ」のために中島みゆきが書き下ろした主題歌だ。
この曲がどういう経緯で生まれたのかその舞台裏を覗いてみよう!
この記事は、
- 『浅い眠り』を書き下ろすことになった経緯や裏話
- 『浅い眠り』はどんな曲か?＆みんなの感想
- 『浅い眠り』を今すぐ聴く方法!
について書いてます!
中島みゆき『浅い眠り』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
『浅い眠り』はドラマ「親愛なる者へ」の主題歌
『浅い眠り』は、1992年、ドラマ「親愛なる者へ」（フジテレビ系）の主題歌として書き下ろされた。
週間オリコンチャート2位、年間オリコンチャート10位、累計105.7万枚のセールスを記録した。
中島みゆき初となるミリオンセラーシングルである。
『浅い眠り』の裏話
中島みゆきが主題歌に選ばれた理由
ドラマプロデューサーの大多亮は、ドラマ主題歌を依頼した経緯を「愛が好きですⅡ」（新潮文庫）の寄稿文の中で述べている。
中島みゆきへのオファは、ドラマ放送の1年前からすでに考えていたという。
当時、オシャレなトレンディドラマの過渡期。
「来年は、腹にズシンときて、心から泣けるアーティストじゃないと当たらない」と業界人の勘が働いたそうな。
曲が完成するまでの流れ
まずは台本から着想を得た
1992年「月刊カドカワ」11月号のインタビュー記事で、中島みゆきは、『浅い眠り』が生まれるまでの経緯を語っている。
ドラマ主題歌のオファを受け、着想を得るためにまず行ったことがドラマの台本読み。
W不倫を描いたこのドラマに初めは昼メロのような印象を抱いたという。
だが、台本を読み進めていくうちに作者の言いたいことが見え、「これはいける!」と食指が動いた。
プロデューサー大多亮からの注文
曲を作る上で、ドラマプロデューサーの大多亮からは色々な注文があった。
テンポ感、
コード、
時間etc.
色々な制約があったものの、逆に中島みゆきはこれを楽しんでいた。
「条件の個性が強いとこへ自分の書きたいものをぶつければアクが強くなる」
ドラマのどの回を見てもリンクするようにと、歌詞が紡ぎあげられ、そうして出来あがったのが『浅い眠り』だ。
サビ部分は中島みゆきのアドリブ
主題歌のオファが来る前からずっと温めていたというサビの部分。
だが、レコーディング時には、そこへ新しさが加えられた。
コーラスパートの中島みゆきの歌声が音量を増していき、やがて主旋律へとなっていく。
これはアレンジャーの瀬尾一三によるアイディアではなく、中島みゆきが急に思いついたアドリブだという。
2020年「ダ・ヴィンチ」3月号のインタビューで瀬尾一三は以下のように語っている。
「スタジオで歌を録音していたとき、突然あそこでハーモニーのメロディを歌い出しました。僕も一瞬、あれ!? と驚きました。でも、彼女が「これが最後のメロ」と平然と言ったのを覚えています」
イントロ部分はドラマを意識
「イントロからガーンと、インパクトのある曲」
大多亮の注文はイントロ部分にも及んでいた。
アレンジャーの瀬尾一三も、ドラマ主題歌を手掛けるときは入り部分を重視している。
出だしのサウンドというのは、観客をドラマの世界観に引き込む要素になりうるからだ。
そうして出来あがった『浅い眠り』のイントロは、鮮烈なピアノから入る。
大多は、イントロからすっかりこの曲に惚れこんでしまった。
「この曲で、ドラマはずしたら、えらいこっちゃ」
身が引き締まる思いだったと、その時を振り返っている。
PVは「FNS歌謡祭」のために作られた
砂上の椅子に凭れて微睡む中島みゆき。
『浅い眠り』のPVはこのシーンから始まる。
実は、このPVは、1992年12月放送されたフジテレビ系の音楽番組「FNS歌謡祭」のために撮られたものである。
中島みゆきは、この番組から出演依頼されていたが、「夜会VOL.4 金環蝕」の真っ最中ということもあり出演を見送った。
その代わりに、予め録画したコメント映像と、番組宛てに制作したPVがオンエアされたのだ。
このPVは、ビデオクリップ集『THE FILM of Nakajima Miyuki』に収録されている。
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（※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない）
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『浅い眠り』はこんな曲
ドラマとリンクする歌詞内容。
離れ離れになった男と女が、愛のうつろいやすさや儚さを噛みしめる様が描かれている。
恋しさを聞かせてよ
惜しみなく聞かせてよ
他人じゃないなら なおさら なおさら
（『浅い眠り』より）
『浅い眠り』のみんなの感想
中島みゆきの浅い眠りはダイナミックな感じが好き
— たくを (@takuwodayo) October 1, 2021
中島みゆきの浅い眠り、名曲です。
— Mr.chicken (@REFLECTIONsaiko) July 10, 2021
中島みゆきの浅い眠りまじ神イントロ
— 倉田 (@yannuruk) December 15, 2020
本人映像
『中島みゆきConcert「一会」2015〜2016』
2015～2016年に行われたコンサートのライブDVD/Blu-ray。
『THE FILM of Nakajima Miyuki』
2000年リリースのPV集DVD。
【収録曲】
『トーキョー迷子』『夜を往け』『見返り美人』『黄砂に吹かれて』『おだやかな時代』『浅い眠り』『空と君のあいだに』『旅人のうた（2nd Version）』『たかが愛』『二隻の舟』『竹の歌』
⇒『THE FILM of Nakajima Miyuki』の解説＆みんなの感想
カバーしたアーティスト
工藤静香
2008年のカバーアルバム『MY PRECIOUS -Shizuka sings songs of Miyuki-』に収録。
収録アルバム
『EAST ASIA』
1992年リリースのオリジナルアルバム。
- フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌『浅い眠り』
- 映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」の主題歌『誕生』
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』
- 不朽の名曲『糸』
を含む全9曲。
【収録曲】
『EAST ASIA』『やばい恋』『浅い眠り』『萩野原』『誕生』『此処じゃない何処かへ』『妹じゃあるまいし』『二隻の舟』『糸』
『大吟醸』
1996年リリースのベストアルバム。
デビュー期から1995年までのヒット作を詰め込んだ珠玉の14曲。
【収録曲】
『空と君のあいだに』『悪女』『あした』『最後の女神』『浅い眠り』『ルージュ』『誕生』『時代』『わかれうた』『ひとり上手』『慟哭』『狼になりたい』『旅人のうた』『ファイト!』
『Singles II』
1987年から1993年までのシングルを収録したコレクションアルバム第2弾。
【収録曲】
『時代』『最後の女神』『ジェラシー・ジェラシー』『兆しのシーズン』『浅い眠り』『親愛なる者へ』『誕生』『Maybe』『トーキョー迷子』『見返り美人 (2nd Version)』『with』『笑ってよエンジェル』『あした』『グッバイガール』『涙 -Made in tears-』『空港日誌』『仮面』『熱病 (2nd Version)』『御機嫌如何』『シュガー』
『中島みゆきConcert「一会」2015〜2016 -LIVE SELECTION-』
2015～2016年に行われたコンサートのライブ音源を収録。
ライブバージョンの『浅い眠り』を聴くことができる。
【収録曲】
『やまねこ』『六花』『樹高千丈 落葉帰根』『旅人のうた』『ライカM4』『MEGAMI』『空がある限り』『命の別名』『Why & No』『流星』『麦の唄』『浅い眠り』
『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』
2022年にリリースされたライブアルバム。
2020年に行われた幻のラスト・ツアー「結果オーライ」の音源を収録。
ライブバージョンの『浅い眠り』を聴くことができる。
【収録曲】
『一期一会』『アザミ嬢のララバイ』『悪女』『浅い眠り』『糸』『ローリング』『流星』『最後の女神』『齢寿天任せ』『離郷の歌』『この世に二人だけ』『ナイトキャップ・スペシャル』『宙船（そらふね）』『あたいの夏休み』『麦の唄』『永遠の嘘をついてくれ』『慕情』『誕生』『人生の素人』『土用波』『はじめまして』
⇒『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』の解説＆みんなの感想
