1987年の中島みゆきのシングル『シュガー』
この曲は、中島みゆきがフランスのミュージックホールを取材して書いた曲だ。
モデルになったフレンチ・カンカンの踊り子たちについて、歌詞と照らし合わせながらみていこう。
この記事は、
- 『シュガー』の主人公はフレンチ・カンカンの踊り子
- 『シュガー』の歌詞解釈
について書いてまます!
中島みゆき『シュガー』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫
シングル『御機嫌如何』のB面曲
『シュガー』は、1987年10月5日リリースのシングル『御機嫌如何』のB面に収録されている。
オリジナルアルバムには未収録の曲だ。
主人公はフレンチ・カンカンの踊り子
1992年「月刊カドカワ」11月号の曲解説によると、『シュガー』は、中島みゆきがフランスのミュージックホールを取材して書いた曲だという。
フランスのミュージックホールと言えば、「リド」「ムーラン・ルージュ」「クレイジーホース」というパリの三大キャバレーが有名。
それらのステージでは、「フレンチ・カンカン」という伝統的な踊りが披露されている。
この曲は、その踊り子の視点から描かれている。
歌詞解釈
「スパンコールと羽飾り」
スパンコールと羽根飾りをつけて
今夜もあたしの出番が来る
(『シュガー』より)
スパンコールとは、小さな金属片を連ねた華やかな衣装で、舞台に立つ者でなければなかなか着用しない。
フレンチ・カンカンの踊り子たちは、このスパンコールの衣装と、ニワトリのとさかのような羽根飾りを頭につけて、ステージへ踊り出していくのだ。
1991年に上演された「夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN」で、中島みゆきは、このフレンチ・カンカンの恰好で『シュガー』を歌っている。
「1度足を上げる値段」
夢は57セント 1度足を上げる値段
(『シュガー』より)
「足を上げる」とは、フレンチ・カンカンの特徴的な踊りだ。
全員が1列になってステップを踏む、いわゆるラインダンス。
ボリュームのあるスカートの裾をまくりあげ、軽快な曲に合わせてテンポよく生足を宙に振り上げる。
ギャラの値段から、1回足を上げた分の単価が57セントという計算なのだろう。
1ドルがだいたい100セントであるので、57セントを日本円に換算すれば、50円玉1個分といったところだ。
「A.M.3時までには迎えに行かなきゃね」
A.M.3時までには
迎えに行かなきゃね
あの児の夜泣きする
声が聞こえて来る
(『シュガー』より)
子供を午前3時まで預けておかなければならないほど、踊り子たちの仕事は夜遅い。
例えば「ムーラン・ルージュ」というミュージックホールでは、深夜23時を回った頃に、ラストのステージが始まり、終るのは日付をまたいで24時45分だ。
「二文字砕けた呼び込みのネオン」
二文字 砕けた 呼び込みのネオンは
おかげで 故郷の
つづりと似てしまった
(『シュガー』より)
「呼び込みのネオン」とは、表に掲げるネオン管で文字をあしらった看板のこと。
2文字だけ明かりを放たなくなってしまい、故郷のつづりになってしまったという訳だが、
どういうつづりなのかは具体的に明かされていない。
これについては、様々な説がある。
- 「Welcom」→「W」「e」が取れて「home」(※この場合、「l」と「c」がくっついて「h」にみえる)
- 「Paraiso」→「a 」「o」が取れて「Paris」
パリには最も歴史が古く地元の人々に愛されているミュージックホール「PARADIS LATIN」があるが、こちらも「A」「D」を取ったら「PARIS」となる。
『シュガー』に影響を受けた有名人
アヴちゃん
女王蜂のボーカル・アヴちゃんが「WOW MUSIC」に出演。
影響を受けた曲に『シュガー』を挙げ、以下のように語っている。
「歌詞が本当に人生を描いていて、この曲で私もすごく楽になった部分があった」
歌い手としても、魂を込めて歌う1曲だという。
『シュガー』はこんな曲
昔の恋に囚われつつも、踊り子としての日常をこなしていこうとする逞しさを感じる。
「砂糖菓子」は、恋よりもずっと簡単に手に入る物の象徴だろうか。
人生は2番目の夢だけが
叶うものなのよ
ほら だって あの人は
あたしに残らない
(『シュガー』より)
夢は57セント 1度足を上げる値段
ここから どこへ まだゆける
SUGAR SUGAR 砂糖菓子
(『シュガー』より)
『シュガー』のみんなの感想
中島みゆきの「シュガー」
解釈を歌詞から、夜会の場面から、色々議論されてるみたいだけど、サウンドの方からアプローチしても良いんじゃないかな。アレンジャーも世界観を考えて楽器選んだりしてるんだろうから。— Limassol (@Limassol_IST) November 22, 2021
中島みゆき「ファイト!」は名曲。自分は「シュガー」が奮い立たせてくれるソング。踊り子の唄だけど、リング向かうボクサー的な気持ちにさせてくれます。
— いまいこうじ (@XkNs7bywjkC8HGM) February 7, 2021
自分語りしたくてツイッターしてるんですけど、僕は中島みゆきのシュガーの世界が大好きなのです。
— 書店員 (@moratorium8) January 26, 2021
本人映像
『夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』
1991年上演。中国の故事「邯鄲の夢」をモチーフに、クリスマスの夜に見た夢の中で、真実の愛に気づいていく女の姿が描かれている。
幼い子から老婆までを中島みゆき1人が演じている。
『シュガー』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『Singles II』
1987年から1993年までのシングルを収録したコレクションアルバム第2弾。
【収録曲】
『時代』『最後の女神』『ジェラシー・ジェラシー』『兆しのシーズン』『浅い眠り』『親愛なる者へ』『誕生』『Maybe』『トーキョー迷子』『見返り美人 (2nd Version)』『with』『笑ってよエンジェル』『あした』『グッバイガール』『涙 -Made in tears-』『空港日誌』『仮面』『熱病 (2nd Version)』『御機嫌如何』『シュガー』
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