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中島みゆきのアルバム『ララバイSINGER』の曲解説&みんなの感想

ピアノ

2006年11月22日に発売された34作目のアルバム
『ララバイSINGER』
の曲解説とみんなの感想をみていこう。

アルバム『ララバイSINGER』の特徴

 

『ララバイSINGER』(レコチョク試聴あり)

岩崎宏美『ただ・愛のためにだけ』華原朋美『あのさよならにさよならを』TOKIO『宙船 (そらふね)』工藤静香『Clāvis -鍵-』などアーティストへの提供曲のセルフカバーが多く収録されている。

また、『桜らららら』『ララバイSINGER』などはデビュー期を意識した楽曲であり、原点回帰を意識したようなアルバムになっている。

週間オリコンチャート10位を記録。

次回作のアルバム『I Love You, 答えてくれ』とワンセット

ヤマハミュージック発行のフリーペーパーでのインタビュー記事で、アルバム『ララバイSINGER』を制作する時点で、すでに次回作のアルバム『I Love You, 答えてくれ』の収録曲は決まっていたと語っている。

この2枚のアルバムはコンサートで歌われることを前提に制作され、曲によって、2枚に振り分けられている。

この2枚の違いについては、

「ララバイ(子守歌)でゆっくり眠ったなら、さあ、目を覚まそう、今日も一日頑張ろうってアルバムかな」

と語っていて、『ララバイSINGER』は全体的に「静」寄りの楽曲で構成されている。

新星堂のフリーペーパーのインタビューでは、かつて恨み節の曲を多く発表してきた中島みゆきだが、

「いまの切り口で考えたときに、やっぱりわたしの仕事っていうのは、安らかに眠っていただくことかなあ」

とも語っている。

『ララバイSINGER』はストレート系アルバム

新星堂のフリーペーパーのインタビューで中島みゆきはアルバム『ララバイSINGER』は、これまでこっ恥ずかしくて出さなかったストレートを盛り込んだアルバムだと語っている。

CDにはハガキ

CDには2006年12月15日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」投稿用のハガキが入っていた。

5つのコーナー名が書かれていて裏面にその内容を書いて送って採用されるとクオカードがもらえた。

なんと、1万通の応募があったという。

アルバム『ララバイSINGER』のみんなの感想

曲解説

『桜らららら』

『桜らららら』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきがデビューしてまだ間もない1976年に放送されたテレビ番組「あなたの朝絵がいっぱい-桜花賛歌・太田洋愛の世界」のテーマ曲として流れた曲。

スタジオで弾き語りしている映像がテレビ東京ミュージックの社長から送られたことでこの曲の存在を思い出し、この度、収録される運びとなった。

もともとはファーストアルバムに入れる予定であったが、ワンコーラスしかなく、見送られていた。

デビューアルバムのためにあった曲から始まるという点では、中島みゆき曰く、1993年の『時代 -Time goes around-』を制作したときの気持ちと似ているとのコト。

『時代 -Time goes around-』では、1975年の世界歌謡祭の音源が一部使われている。

坂本九ジュディ・オングの司会アナウンスからイントロ、当時の中島みゆきの初々しい歌声から始まる1曲目のトラックは、デビューをふり返るという形をとっている。

歌詞解釈

「ららら」という歌詞が桜がそよ風に舞うのどかさを感じさせる反面、

「この手に摘んだら
 融けてしまうね」

という儚さがまた淡く切ない。

桜
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『ただ・愛のためにだけ』

『ただ・愛のためにだけ』(レコチョク試聴あり)

前曲の『桜らららら』のアウトロに繋がる形でこの曲のイントロが始まる。

30年前の曲から現在の曲へと繋げるコトで、「この30年何をしてきたか?」という自分への問いかけをしたかったという演出だそうで。

さて、こちらは岩崎宏美がデビュー30周年を記念して中島みゆきが贈った曲だ。

この2人ずいぶん昔からの知り合いらしい。

岩崎宏美が歌っても中島みゆきが作った曲だと分かるから、やはり、中島みゆきは強い。

歌詞解釈

辛い日々の中、1人の小さな存在が心の拠り所だった。

「あなたの名を呟けば
 救われる気がした」

そんな小さな恩が2倍3倍になって彼女の生きるパワーへと変わっていく、

「ただ・愛のためにだけ
 生きてると言おう」

これからの岩崎宏美への中島みゆきの期待が感じられる歌だ。

『宙船(そらふね)』

『宙船(そらふね)』(レコチョク試聴あり)

TOKIOの方から曲依頼が来たとき、人違いではないかと疑ったという中島みゆき。

もともとこのアルバムに収録する予定の曲にすぎなかったが、突然のオファにより、この曲が選ばれ提供されることになった。

日本テレビ系ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」の主題歌になったTOKIOの『宙船(そらふね)』は、週間オリコンチャートで1位を獲得し、TOKIOの代表曲となった。

歌詞解釈

空を飛ぶことを忘れてしまった宙船(そらふね)。

船を動かす原動力は自らが漕ぐオールしかないと歌う。

「その船を漕いでゆけ
 お前の手で漕いでゆけ
 お前が消えて喜ぶ者に
 お前のオールをまかせるな」

応援ソングの定番曲でもあるこの曲は、第79回選抜高等学校野球大会の開会式入場行進曲にもなった。

船
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『あのさよならにさよならを』

『あのさよならにさよならを』(レコチョク試聴あり)

華原朋美に提供され、NHK木曜時代劇「次郎長 背負い富士」の主題歌になった曲。

高校のときから中島みゆきに曲を書いてもらいたいと思い続けて、ようやくラブコールの末その願いは叶った。

華原はこの歌に自分のこれまで辿ってきた人生を重ねているようだ。

歌詞解釈

思い出は必ずしも良いものとは限らない。

「思い出さなくていい
 後悔や悲しみが 私たちを迷わせる」

そんな思い出なら、いっそのこと手離しなさいよとこの曲は教えてくれる。

「今からの日々のため
 あのさよならに
 さよならを送りましょう」

さよなら
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『Clāvis -鍵-』

『Clāvis -鍵-』(レコチョク試聴あり)

8年ぶりに工藤静香に提供した曲。

“Clavis”はラテン語で「鍵」という意味。

そして曲のノリもまたラテン調。

レコーディングにも立ち会った中島みゆきに、工藤静香は曲の印象について「みゆきワールド」と言ったそうだが、それに対し、中島みゆきは、

「あなたにあげたのだからあなたの曲よ」

と返したそうな。

歌詞解釈

好きだという気持ちを誤魔化し鍵をうずめてきた女。

ふと、ふり返り、今さらながら相手の気持ちを推し量ってみる。

自分に気持ちはあったのかなかったのか。

「心あるかないか探し続けたいな
 生きるための鍵を見つけないな君と」

う~ん、自分の気持ちに素直になるって難しい……。

『水』

『水』(レコチョク試聴あり)

中島みゆき曰く、この曲あたりから、

「そのへんになったら、中島、勝手にさせていただいてますっていう世界でね」

とのコト。

ラジオでの甲斐よしひろとの対談でも言っていたのだが、中島みゆきは水気のあるところが好きだという。

ただ、真夏の湿気のあるようなところは人の匂いがキツくて逆に苦手。

中島みゆきの好む水気とは、故郷の北海道にあるようなずいぶんと温度が低いとこにあるヤツ。

キンキンに冷えた水をイメージしながらこの曲を聴いていただこう。

歌詞解釈

「わけあう水 奪う水 盗みあう水」

と、いろんな形の水が出てくる。

人の心を「水」と形容しているところも面白く、それゆえ、望む水にありつけることが難しいと感じさせる。

『あなたでなければ』

『あなたでなければ』(レコチョク試聴あり)

全体的にストレートな曲が多い中でひときわストレートなこの曲。

中島みゆき曰く、

「もってまわって何遍言ったってわかってくんないだもん、男は。
 ストレートに言わないと伝わらない。
 もう鈍感なんだから」

ストレートにせざるをえなかったのは男たちのせいである。

この曲、千葉ロッテマリーンズのチェイス・ランビン内野手の応援歌の原曲だそうで。

曲調はノリがよく、レコーディングを行ったロサンゼルスのミュージシャンにも好評だったようだ。

歌詞解釈

「見間違えるなんてはずは
 ありえないと思うんです」

偶然、見かけた忘れられない男の姿。

長い時間をかけてすんなり変化していく「あなた」と「私」。

だが、その変化が「私」には悔しかった。

「どうせ変わってゆくものなら
 あなたと一緒に変わりたい」

肌や声や爪や文字が今は誰のモノになっているのか探ろうとしている「私」がなんだか哀しい。

『五月の陽ざし』

『五月の陽ざし』(レコチョク試聴あり)

心の琴線に触れるようなピアノの音色と静かでどこか心許ない歌声が切なさを誘うナンバー。

歌詞解釈

贈り物は、相手の気持ちをいろいろ考えると、する方もされる方も難しい。

もらった贈り物を開く勇気がなく、長い年月が過ぎたころに開いてみると、そこに入っていたのはドングリ。

主人公は、ただ「ありがとう」と言えばよかったと悔やむばかり。

『とろ』

『とろ』(レコチョク試聴あり)

「とろ」とは中島みゆきの幼少期のあだ名。

「とろい」の一部を取ってつけられたようだが、この名が表すように中島みゆきはゆっくり流れる時間の中で生きていて、本人もそれを自覚しているのだ。

歌詞解釈

他人と違って自分は何をするにしてもトロい。

なんとかしてこのトロさを解決しようと考えるが、そこは、とろ、

「考え考え日が暮れる」

結論を出すコトもトロかった。

仲間外れ
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『お月さまほしい』

『お月さまほしい』(レコチョク試聴あり)

月夜のもの淋しさがよく伝わる曲。

歌詞解釈

泣いている君をどうすることもできず自分の無力を思い知る。

元気づけようとして何か贈りたくて、探し回った結果、見つけたものは夜空に浮かぶお月さまだった。

「夜中の屋根で猫は跳ぶ
 呼んで跳ぶ 泣いて跳ぶ
 君に贈ってあげたいから
 お月さまほしい」

ン?

コレは猫視点の歌?

『重き荷を負いて』

『重き荷を負いて』(レコチョク試聴あり)

応援歌が多い中島みゆきの曲の中でこれもまたその1つ。

スノーボードクロス元日本代表の岩垂かれんは、この曲に励まされた1人。

海外戦で初めて世界との壁を感じた岩垂は、一時は引退までを考えたが、この曲と出会い、もうひと踏ん張りしようと気持ちを立て直したという。

歌詞解釈

坂道を重い荷物を背負ってはいあがっていく人を描いた歌。

汗をぬぐう余裕もなく、

「ひびわれた唇は
 噛みしめるのが精一杯」

過酷な状況の中でも、

「がんばってから死にたいな」

と自分を奮い立たせようとする美しい生き様が胸を打つ。

『ララバイSINGER』

『ララバイSINGER』(レコチョク試聴あり)

デビュー曲『アザミ嬢のララバイ』のオマージュ曲。

コンサートでは、『アザミ嬢のララバイ』の曲の途中からこの『ララバイSINGER』に切り替えて歌っている。

デビューして30年。

この30年間何をしてきたのか?

それを自問する今作のアルバムだが、

「デビュー以来やってるコトは変わらない」

それが中島みゆきの答えだ。

歌詞解釈

歌は人に聴かせるためにあるという当たり前を覆した内容になっている。

「歌ってもらえるあてがなければ 人は自ら歌びとになる
どんなにひどい雨の中でも 自分の声は聞こえるからね」

デビュー当時の中島みゆきは、「自分は自分のために歌っている」というようなコトをよくインタビューで答えていたが、それを思い出させる歌詞だ。

一方、これとは対照的に、『アザミ嬢のララバイ』は相手の心に聴かせる歌。

その両輪が中島みゆきなのだろう。

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