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有吉弘行&マツコ・デラックス&夏目三久が語る中島みゆき|2012年放送「ナツメのオミミ」(テレビ朝日系)より

結婚

2012年9月23日放送の「ナツメのオミミ」(テレビ朝日系)の中で夏目三久有吉弘行マツコ・デラックスが各々の中島みゆき論を熱く語っている。

マツコ・デラックスの過去の失恋を再現したような『タクシードライバー』、有吉弘行が挫折を味わった時と似た風景を歌った『ホームにて』
夏目三久は学生時代に『誕生』を合唱コンクールで歌ったという。
各々の中島みゆき愛をみていこう。

この記事は、

  • マツコ・デラックスが語る『タクシードライバー』
  • 有吉弘行が語る『ホームにて』
  • 夏目三久が語る『誕生』
  • 3人にとっての中島みゆきとは?

について書いてます!

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きっかけは有吉弘行

司会の夏目三久が、毎回ゲストを招いて話を聞くトーク番組。
今回は、有吉弘行マツコ・デラックスを招いて、「中島みゆき」をテーマに語り合おうというのだ。
以前、有吉が車の中では中島みゆきの曲しか流さないという話をしたことがあった。
今日は、この場で深堀りしていくつもりだ。
一方、夏目はというと、なんだか関心がないような顔。

夏目「いえいえ、興味がない訳じゃないですけど、中島みゆきさん、そんなに触れる機会がなかったです私は」
有吉「女性ならみんな好きだと思ってるから俺は」
マツコ「それも極論だとおもうけどね」

有吉弘行とマツコ・デラックスのファン度数

有吉弘行マツコ・デラックスはどのくらい中島みゆき沼に浸かっているのだろうか。
マツコの方は、中学高校くらいの時から中島みゆきを聴くようになったという。

マツコ「でも、みゆきさんのファンってすっごいコアな人がいるから。そういう人たちにとっては、「オマエなんかファンじゃないよ」という程度よ」
有吉「最初から釘うっとくけど、俺はベストしか持ってないんだよ」

なんだか予防線を張っているような弱腰だが、マツコは「ベストしか持っていないファン」という立場で堂々と意見を言えと喝を入れる。

有吉弘行とマツコ・デラックスの中島みゆきの聴き方

有吉弘行はどんな時に中島みゆきの曲を聴くのだろうか?

有吉「お台場なんか仕事があるときに、ちょっと早めに出て、お台場の海浜公園で楽しそうに歩いてるカップルとか家族連れを見ながら、車の中で『わかれうた』聴いてやんの」
マツコ「それは、中島みゆきさんとしてはどうなんだろう」

わかれはいつもついて来る
幸せの後ろをついて来る
それが私のクセなのか
いつも目覚めれば独り
(『わかれうた』より)

⇒『わかれうた』(レコチョク試聴あり)

⇒『わかれうた』の記事はコチラ

そんなマツコ・デラックスは、もっと有意義に中島みゆきを活用しているようだ。

マツコ「私は、ちょっとリセットしたい時に聴く。忙しいことにかまけて、ものを考えたり、過去を振り返ったりすることを忘れてるときに、ポイントとなる歌があるのよ。それを聴いて、初心に返る。しょっぱい思いをもっかいしようっていうね」
有吉「中島みゆきさんの本来の意味はどうか分かんないんだけど、自分の勝手な解釈で投影してる」

マツコもその聴き方に賛同する。
中島みゆきの曲は、マツコ曰く、限定的な女子高生の失恋しか想像できない低品質な曲とは次元が違うという。
中島みゆきは、勝手に自分を投影できるくらい大きなものを歌っているのだ。

マツコ「恋愛の歌でも人生と置き換えることもできる」
夏目「じゃ聴いたら泣いちゃいます?」
マツコ「ナンダコノヤロ……」

夏目は、泣くことで気持ちをリセットできると考えているようだが、マツコはそれに対して反論。

マツコ「あのね、泣こうと思ったら泣けないね。みゆきで泣こうとは思ってない。みゆきはむしろ、「考える」」

マツコ・デラックスが語る『タクシードライバー』

マツコ・デラックスの思い出と酷似

自分を投影できる曲として挙げたのが『タクシードライバー』だ。

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見てみぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す
(『タクシードライバー』より)

⇒『タクシードライバー』(レコチョク試聴あり)

⇒『タクシードライバー』の記事はコチラ

聴き終えて有吉が一言、

有吉「これは自己投影しそうだな」

マツコ曰く、自分の普段抱いている気持ちを代弁している曲というが、それとは別にこの歌詞と似たような思い出があるらしい。

それはまだマツコが芸能界入りするずっと前。
フリーライターとして頑張ってみようと、それまで勤めていた職場に辞表を出した年の大晦日。
その日、マツコは、付き合っていた男から別れを告げられた。
1人項垂れタクシーに乗り込んだマツコが窓の外に見たものは、20世紀から21世紀への移り変わりにバカ騒ぎする街の風景だった。

マツコ「私は何もかも失った訳ですよ。仕事もプライベートも。泣いちゃったんですね私」

だが、その時のタクシードライバーの優しい対応に救われたという。

マツコ「優しい運転手さんで、「ま、そういう時もあるよね」って声掛けてくれて。でも、大泣きしてるオカマに共通する話もないじゃない? だけど、その初老の運転手さんが、「バカみたいだねコイツら、年が変わるだけだってんのに、こんな大騒ぎして、何が楽しいのかねぇ」って言う訳よ」

笑っているけど みんな本当に幸せで
笑いながら 町の中歩いてゆくんだろうかね
忘れてしまいたい望みを かくすために
バカ騒ぎするのは あたしだけなんだろうかね
(『タクシードライバー』より)

最初は面倒くさそうに聞き流していたマツコだったが、よく聞くと、それは自分の浮かれた世間への怒りをほぼ代弁してくれていることに気付く。
もちろん、この出来事よりずっと前から『タクシードライバー』という曲は存在している。だが、あまりにも自分の体験とこの歌がリンクするので、「これ、みゆき、私のために作ってくれたのかしら?」と驚きを隠せなかったという。
芸能界で身を立てている今、この曲は、前よりもいっそうやけっぱちになりそうな自分を戒めるとマツコは言う。

マツコ・デラックスの考察

マツコ・デラックスは、『タクシードライバー』に自分なりの設定をあてがっている。

マツコ「タクシードライバーってのはさ、苦労人って言い方してるけど、おそらく元悪かったみたいな設定だって私は思ってんのよ。もの凄い辛い思いをいっぱいしてきてる人たちじゃない?」

女の子との会話が不得手なのに、なんとか励まそうとラジオの声を拾い、それを話題にしかできない不器用さ。
昔のマツコであれば、そんな運転手の気持なんかには目が行き届かなかった。
だが最近は、この曲を運転手の視点から捉えるようになったという。

マツコ「あくまでもされてる側の人の一人称で終っていた訳ですよ。でも、これをタクシードライバーの側からのストーリーにしたらどうなるんだろうって思って考えるようになった時に、この歌に対する解釈が丸っきり変わったというか、「生きるって辛くて当り前よね」っていうね」
有吉「みゆきさんの実体験に基づいた曲ではないんですよねコレ?」

有吉のこの疑問から、歌の中の女性像に話が及ぶ。

マツコ「一瞬聴くと、中島みゆきさんの描く女性って、どうしようもなく弱くて、すぐに男にフラれて、のたうち回って泣き叫んでるだけみたいな女に取られがちだけど、私、ものすごい芯の強い人だと思って」

この曲に限らず、中島みゆきの失恋の歌に登場するのは強い女ばかりだという。
その良い例が、『わかれうた』だ。

途に倒れて だれかの名を
呼び続けたことが ありますか
(『わかれうた』より)

⇒『わかれうた』(レコチョク試聴あり)

⇒『わかれうた』の記事はコチラ

マツコ「男にフラれたからって、道に倒れてその男の名前叫ぶ? それができてる時点で、相当の女だと思うのよね」

マツコはいつからか、中島みゆきの曲に暗さ以外のものを感じ取っていた。

マツコ「「すごい生命力のある人のことを歌っているんだな」って後で気付いたときは、むしろ泣かなくなったね」

有吉弘行が語る『ホームにて』

有吉弘行が中島みゆきの曲の中でお気に入りなのが『ホームにて』だ。
この曲を知るきっかけとなったのが先輩芸人の上島竜平
カラオケで上島がこの曲を号泣しながら歌っているのを聴いて、だんだん好きになっていったという。

涙の数 ため息の数 溜ってゆく空色のキップ
ネオンライトでは燃やせない
ふるさと行きの乗車券
(『ホームにて』より)

⇒『ホームにて』(レコチョク試聴あり)

⇒『ホームにて』の記事はコチラ

マツコ・デラックス同様、有吉もこの曲に自分の人生を投影していた。
有吉には、大阪でオール巨人に弟子入りし、その後、兄弟弟子と喧嘩したことで破門された苦い過去があった。
挫折し、実家の広島に帰るときの自分をこの曲に重ねてしまうのだ。

また、この曲からは弟のことも思い出される。
同じく芸人を目指して上京していた弟が、夢を叶えられず帰郷する時、有吉は東京駅のホームから見送った。
弟の背中からは、惨めな気持ちを痛いほど感じたという。

それゆえ、有吉は、この曲を聴くと、つい感情が入ってしまうのだ。

夏目三久が語る『誕生』

中島みゆきには無関心と思われていた夏目三久だったが、ここにきて突然、発言する。
夏目三久も、中島みゆきの曲に救われていたようだ。

夏目「私が落ち込んだ時なんかに聴く曲が中島みゆきさんの曲です」

夏目が挙げた曲が『誕生』だ。

Remember 生まれた時
だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して
最初に聞いた welcome
(『誕生』より)

⇒『誕生』(レコチョク試聴あり)

⇒『誕生』の記事はコチラ

この曲は、夏目が高校3年生の合唱コンクールで歌った曲だ。

夏目「みんなで違う方向に歩いていくけれども、いつでも思いだそう、自分は1人じゃないよ、生まれてきてくれてありがとう、最初に聞いたwelcome」

そんなメッセージを夏目はこの曲から受け取っていた。
だが、マツコ・デラックスは、この夏目の解釈が腑に落ちない。
冒頭の歌詞には、こうあるからだ。

ひとりでも私は生きられるけど
でもだれかとならば
人生ははるかに違う
(『誕生』より)

マツコ「1人なのよ。これが分かった上で1人で生きていくっていう歌なのよ」

誰かに頼ることがどんなに心許ないことなのか、マツコは夏目に教え込む。

マツコ「1人で生きていくわね?」
夏目「……(苦笑い)はい」

そんな夏目三久だが、2021年4月2日、隣にいる有吉弘行と結婚することを発表した。
マツコの教えに背いて、2人で生きていくことを決意したのである。

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