1993年10月21日に発売された21作目のアルバムに収録された
『ローリング』
をみていこう。
中島みゆき『ローリング』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
オリジナルは1988年
『ローリング』は、1988年にリリースされたアルバム『中島みゆき』の中で初披露された。
この時の編曲は椎名和夫だったが、そのわずか5年後の1993年のコンサートツアー『EAST ASIA』の中でガラリとアレンジを変えて歌われている。
この時、アレンジを担当したのは瀬尾一三。
このコンサートでのアレンジをベースに、『ローリング』は装い新たにアルバム『時代 -Time goes around-』に収録された。
この2つは、同じ曲とは思えないほどアレンジも歌唱も異なり、1988年版が軽快なタッチで歌われているのに対し、1993年版は、ドスの聴いた歌唱とドラム&サックスが前面に出たサウンドにより、重厚感ある曲に仕上がっている。
ロサンゼルスのミュージシャンも、
「歌詞が分からないのにニュアンスがよく分かる」
と、述べている。
歌詞解釈
学生運動が反映?
『ローリング』についてよく言われるのが、この曲が学生運動を反映した歌だということだ。
その根拠となる歌詞が、
「黒白フィルムは 燃えるスクラムの街
足並 揃えた幻たちの場面」
という部分。
「スクラム」はデモなどで、大勢が腕を組み合わせて横に列を組むこと。
「足並 揃えた」というところで行進を彷彿とさせ、また、
「黒白フィルム」は、これらを過去の情景への追憶として象徴している。
また、この後にある、
「夢のなれの果てが転ぶのばかりが見えた」
という歌詞は、学生運動のその後の現実を描いているのでは?という見方もある。
「僕」の年代について
歌詞に登場する「9桁の数字を組み替えて並べ直」してイタズラ電話をかけまくる「僕」だが、一部のファンの間で、この「僕」の年齢が論議されている。
1988年版の『ローリング』の印象だと20代に思えるが、1993年版を聴けば40代にも思えるといったもの。
ちなみに、編曲を担当した瀬尾一三は、「ラジオ瀬尾さん」の中で、
「若者として見てなかった。
40過ぎくらいと思ってた」
と語っている。
瀬尾一三が魅かれる世界観
その瀬尾一三だが、『ローリング』に見るような「男前の世界観」が大好物だそう。
「僕は 僕は 荒野にいる」
という歌詞にあるように、ポツンと踏ん張って立っている男の哀愁を歌った曲を、男は気恥ずかしくて書くことができない。
また、中島みゆきの書く男については的を射ているとも言っている。
「Rollin’ Age 淋しさを
Rollin’ Age 他人に言うな」
の歌詞にあるように、人には胸の内を語らない、語れば恥ずかしい。
そんな男の姿を上手く捉えていると瀬尾は語る。
「いかにしてこのような男に近づけていけるか」
そう考えながら瀬尾はサウンドを構築していったという。
収録アルバム
『時代 -Time goes around-』(1993年版)
『時代 -Time goes around-』(レコチョク試聴あり)
1993年10月21日に発売された21作目のオリジナルアルバム。
こちらに収録されているのが瀬尾一三が編曲を手掛けた、セルフリメイク版『ローリング』
『時代』『流浪の詩』などかつての曲をセルフリメイクしたものや『慟哭』『風の姿』など他アーティストに提供した曲のセルフカバーなど、色んな種類のカバー曲で構成されたアルバム。

『中島みゆき』(1988年版)
1988年3月16日に発売された15作目のオリジナルアルバム。
こちらに収録されているのが、椎名和夫が編曲を手掛けた、オリジナル『ローリング』。
甲斐よしひろが作曲を手掛けた『仮面』やベストアルバムに収録された『土用波』『ミュージシャン』など含むアルバム。
『ローリング』はこのアルバムのラストを飾る。
カバーしたアーティスト
ルイ・フォン
『ローリング』は香港のアーティスのルイ・フォンによって『流浪花』というタイトルでカバーされている。
アルバム『中島みゆき的アジアン・カバーズ』に収録されている。
『ローリング』のみんなの感想
中島みゆきのローリングって曲がめちゃくちゃ好きなんだけど
「揺れる歳」として10代かなと思ってたんだけど決してそんなことはなくてどんな歳でも揺れている
誰もが笑いながら荒野に居るのかもしれない— ハネヒト (@Hane_T0HiN) August 22, 2020
しかし郵便番号が5ケタ3ケタなのを知らない世代がいるってことは
「電話番号が9ケタの時代があった」のを知らない世代もいるってことか…?中島みゆきのローリングが歌えないぜ…
— GM屋 (@GMer_vwtrpg) August 6, 2020
#中島みゆき
「ローリング」好きだなぁ♪ 寂しさを 人に言うな
軽く 軽く 傷ついてゆけ ♪染みるよなぁ〜。
— どやどや工房 (@kouketudoya) July 21, 2020
中島みゆきさんの曲ではローリングの『数字を組み替えていたずら電話をかけるけど、ひとつだけ押せない組み合わせがある』的な歌詞がすごく印象深かった。#関ジャム
— I wana A yu (@armndnntksr42) May 24, 2020
コンサートでよく歌われる「ローリング」。ナマでみゆきさんが歌うと涙がこみ上げるのはなぜだろう、、、。
好きです、この歌。心打たれます。 #中島みゆき— レオン (@I0Rga) April 3, 2020
中島みゆきの「ローリング」って曲が好き
軽く軽く傷ついてゆけ
って歌詞が特に— hide (@hideseashore) December 3, 2019
中島みゆきさんがローリングで「軽く軽く傷ついてゆけ」と歌っているが、今まさにそんな感じ。
筋トレで傷ついた筋繊維が太くなるように心も太くなるだろう。
傷を癒す栄養は本、睡眠、新しいことかなぁ。
— Fuji @タイ🇹🇭 (@Gurugurupong) June 12, 2019
中島みゆきの「ローリング」って曲
落ち込むとたいてい聞いてるなRollin’Age 淋しさを
Rollin’Age 人に言うな
軽く軽く傷ついていけ・・・残念ながら、そこまで自分は強くないんだ
— 美夕 (@Mmiyu_Tatala) May 10, 2019
中島みゆき「ローリング」3番の歌詞が凄まじいんだよね〜〜!
「9桁の数字を 組み替えて並び直す 淋しさの数と同じイタズラ電話 ボックスを叩く街の風が冷たい どうしても1つだけ押せない組がある」
このたったひとつの電話番号だけが、淋しさを言ってもいい相手に繋がる。でも彼は押さない
— みーやま (@zyouhousyuusyu3) March 18, 2019
このことが分からないと、中島みゆきの「ローリング」の意味が理解できないかと思われる。
「9桁の数字を組み替えて並べ直す 寂しさの数と同じいたずら電話」はまさに昭和のあの時代に生きてなきゃ理解できない。そもそも電話ボックス自体が昭和の産物だし。
— 変愚の人◆C9vIqtyVF2 (@NGDC16) February 13, 2019
『ローリング』はこんな時に歌おう
『ローリング』の歌に乗せて人に言えない寂しさをぶちまけよう。
でもイタズラ電話はダメ!
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