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中島みゆき『時代-Time goes around-』の曲解説&みんなの感想【試聴あり】|『時代』『慟哭』『孤独の肖像1st.』を収録したアルバム

1993年の中島みゆきのオリジナルアルバム『時代-Time goes around-』

中島みゆきの出世作である『時代』のセルフリメイク、未発表だった幻のデビュー曲など、原点回帰を思わせるような1枚。
作家であり歌手である中島みゆきの色々な顔を知ることができる名盤だ。

1曲ずつみていこう。

この記事は、

  • 『時代-Time goes around-』の特徴
  • 『時代-Time goes around-』の曲解説&みんなの感想

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『時代-Time goes around-』

1993年リリースのオリジナルアルバム。

  • 1993年版『時代』
  • 幻のデビュー曲と言われている『あたし時々おもうの』
  • 工藤静香に提供した『慟哭』

を含む全11曲。

【収録曲】
『時代』『風の姿』『ローリング』『あどけない話』『夢見る勇気(ちから)』『あたし時々おもうの』『流浪の詩』『雨月の使者』『慟哭』『孤独の肖像1st.』『かもめの歌』

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『時代-Time goes around-』の特徴

週間オリコンチャート4位

『時代-Time goes around-』は、1993年10月21日にリリースされ、週間オリコンチャート4位を記録している。

制作された経緯

1993年「FMSTATION」のインタビューで、本アルバムが制作された経緯が語られている。
当初は、持ち歌のセルフリメイクと、デビュー前の未発表曲だけで1枚のアルバムを作る予定だった。
しかし、ここ数年のうちに他アーティストに提供した曲が溜まってしまったため、このタイミングでそれらを織り交ぜることにしたのだ。

セルフリメイクには否定的だった

かつて発表した持ち歌を歌い直す、いわゆるセルフリメイクに対し、中島みゆきは当初、「言い訳がましいから潔くない」と否定的だった。

だが、これまでを振り返ったときに、音について口を出せないことがあった。
知識不足のために、アレンジについて充分なディスカッションが出来なかったのだ。
中島みゆき曰く、「子どもを嫁に出すのに、タンスも布団も持たせない」状態で曲を世に出してしまったケースが多々あったのだ。

ようやく納得いく音楽環境が整ったため、本アルバムでセルフリメイクに踏み切ったのである。

「世界歌謡祭」で着ていた衣装

アルバムジャケットに写っている中島みゆきの青いブラウスは、1975年の「第6回世界歌謡祭」で着ていたものと同じ。
このとき歌った『時代』が、本アルバムにセルフリメイクされて収録されている。

『時代-Time goes around-』の曲解説&みんなの感想

『時代』

⇒『時代』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 David Campbell

1975年10月「第10回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会」でグランプリを受賞し、同年11月「第6回世界歌謡祭」でもグランプリを受賞した曲。

同年12月には、シングルリリースされ、週間オリコン14位、売上枚数16.4万枚を記録した。
大ヒットした訳ではないが、今や老若男女だれもが知る不朽の名曲だ。

冒頭には、「第6回世界歌謡祭」の音源が流れる。
司会の坂本九ジュディ・オングの紹介により、中島みゆきが壇上に現れ、まだ荒削りの初々しい声で歌い出す。
そこへ重ねるようにして、18年後の中島みゆきが、同じ曲を歌い始めるという演出だ。

今はこんなに悲しくて
涙もかれ果てて
もう二度と笑顔には
なれそうもないけど
(『時代』より)

⇒『時代』の記事はコチラ

『風の姿』

⇒『風の姿』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄

1992年に女優の中江有里に提供された曲。

以前、中島みゆきは、中江有里主演の映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」に主題歌『誕生』を書き下ろしている。
それが縁で、今回の曲提供へ至った。

この曲は、中江有里主演のドラマ「綺麗になりたい」の劇中歌として毎回流れていた。
中江曰く、「主人公の風子の心の中を歌っているようだ」とのこと。

他人の意見に自分を合わせて生きていくことに戸惑いを感じる女が描かれている。

「らしい」と言われて付けてたブレス
鎖の角が本当は痛かった
悪く言われて破って捨てた
シフォンのシャツが本当は好きだった
(『風の姿』より)

⇒『風の姿』の記事はコチラ

『ローリング』

⇒『ローリング』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

1988年のアルバム『中島みゆき』で発表した曲だが、5年を経てのセルフリメイク。
ドラムとサックスが前面に出たサウンドで、オリジナルよりも重厚感を増している。
ドスの効いた中島みゆきの歌唱法と相まって、同じ曲とは思えないほどにその印象を変えている。

Rollin’Age 淋しさを
Rollin’Age 他人に言うな
軽く軽く傷ついてゆけ
Rollin’Age 笑いながら
Rollin’Age 荒野にいる
僕は僕は荒野にいる
(『ローリング』より)

⇒『ローリング』の記事はコチラ

『あどけない話』

⇒『あどけない話』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

1991年に上演されたミュージカル「ラヴ・ミー・テンダー」のために書き下ろされた
出演した吉田日出子によって歌われている

短篇オムニバスのこのミュージカルは、中島みゆきの持ち歌『南三条』の曲が一部原案になっている。

現実に起こりえない夢の話をいつまでも語ってあげようとする美しい曲だ。

「いつかおまえに見せてあげよう
沈まない月も 翼のある花も」
終わることない夢のはなし
いつまでも私 うなずきましょう
(『あどけない話』より)

⇒『あどけない話』の記事はコチラ

『夢見る勇気(ちから)』

⇒『夢みる勇気(ちから)』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

美空ひばり、江利チエミと共に「三人娘」と呼ばれた雪村いづみ
1998年には紫綬褒章、2007年には旭日小綬章を受章するほどの大御所の歌手だ。
デビュー40周年を記念して、12人のシンガーソングライターに書いてもらった曲を収録したアルバムの中の1曲

古い恋の日記をひも解いてみても
教科書にはなりやしない
また1からやり直し
夢みる勇気(ちから)がある限り恋は消えない
夢見る勇気(ちから)それだけがあたしの取り柄なの
(『夢見る勇気(ちから)』より)

『あたし時々おもうの』

⇒『あたし時々おもうの』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄

公式には、中島みゆきのデビュー曲は1975年にリリースされた『アザミ嬢のララバイ』とされている。
しかし、厳密に言うと、それより前に中島みゆきの歌はレコード化されていた。
それがこの曲、『あたし時々おもうの』だ。

1972年、ニッポン放送主催のコンテスト「全国フォーク音楽祭」のステージで歌ったこの曲の音源が、中島みゆきがデビューするずっと前にライブアルバムとして世に出ていたのだ。
今となっては、中島みゆき本人も持っていないほどのレア盤。

本アルバムに収められるまでは、歌詞が「愛が好きです」(新潮文庫)に掲載されるのみで、長らく全貌が明らかにならなかった幻のデビュー曲だ。

あたし時々おもうの
命は いったいどれだけ
どれだけのことをできるものかしら
(『あたし時々おもうの』より)

⇒『あたし時々おもうの』の記事はコチラ

『流浪の詩』

⇒『流浪の詩』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

1976年のアルバム『みんな去ってしまった』の収録曲のセルフリメイク。

オリジナルは、ポップ・カントリー風なアレンジが施されていた。
だが、中島みゆきの頭の中には、アメリカ南部の綿花畑の黒人労働者を歌ったトラディショナル・フォーク・ソング「コットンフィールズ」がイメージにあった
中島みゆきの表現の幅が広がったことにより、今回、セルフリメイクに踏み切り、最初のイメージと近い仕上がりにしたという。

さあママ 町を出ようよ
激しい雨の夜だけど
仕度は 何もないから
はだしでドアをあけるだけ
(『流浪の詩』より)

『雨月の使者』

⇒『雨月の使者』(レコチョク試聴あり)

作詞 唐十郎
作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄

1987年放送のドラマ「雨月の使者」(NHK)の主題歌として書き下ろされた。
作詞は、脚本を手掛けた劇作家の唐十郎が担当。
自分以外が歌詞を手掛けるというパターンは、中島みゆきの曲では極めて異例だ。

先に歌詞が用意されていて、そこへ中島みゆきが曲をつけるという形で制作された。
中島みゆき曰く、「骨が折れた」とのこと。

ドラマで使用されたバージョンは、唐十郎の意向に合わせてアレンジや歌唱法が決められていった。
一方、本アルバムでは、中島みゆきがかつてから温めていたイメージで歌われている。

月見草だけが揺れている
どこかで見たような あばら屋ひとつ
そこで誰かが呼んでいる
(『雨月の使者』より)

⇒『雨月の使者』の記事はコチラ

『慟哭』

⇒『慟哭』(レコチョク試聴あり)

作詞 中島みゆき
作曲 後藤次利
編曲 瀬尾一三

1993年に工藤静香に提供された曲。
ドラマ「あの日に帰りたい」(フジテレビ系)の主題歌に起用され、週間オリコンチャート1位を記録。
工藤静香にとって、最大のヒット曲となった。

友情と恋心の間で揺れ動く女心を描いた歌詞が、多くの人々の共感を得た。

ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
気がついたの
ともだちなんかじゃないという想い
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
おまえも早くだれかをさがせよと
からかわないで、エラそうに
(『慟哭』より)

⇒『慟哭』の記事はコチラ

『孤独の肖像1st.』

⇒『孤独の肖像1st.』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 David Campbell

1985年に、中島みゆきは『孤独の肖像』という曲をシングルリリースしている。
実はこの曲、当初予定していたメロディを新たに書き直して差し替えたものだった。
それは、アレンジャーの後藤次利のサウンドに必ずしも合うものではなく、また、当時の中島みゆきの声域では歌いこなせなかったからだ。

その後、中島みゆきの声域が広がったこともあり、歌うはずだった原曲を本アルバムで発表。
タイトルにある「1st.」は、こちらがオリジナルであるということを示している
とはいえ、全く別の曲かと思うくらいに印象が違う。

いつも僕が側にいる、と
夢でいいから囁いて
それで少しだけ眠れる
本当の淋しさ忘れて
(『孤独の肖像1st.』より)

⇒『孤独の肖像1st.』の記事はコチラ

『かもめの歌』

⇒『かもめの歌』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

「エディット・ピアフの再来」と世間に言わしめた魅力的な歌声を持つパトリシア・カース
1993年に、全世界で発売されたアルバム『永遠に愛する人へ』をリリース。
日本盤のボーナス・トラックとして中島みゆきが提供したのがこの曲だ。
中島みゆきにとって初めて海外アーティストへ提供した曲だ。

パトリシア版は、中島みゆきが書いた詞をもとに、フランスの作詞家によってフランス語へ歌詞が書き換えられている。
後に中島みゆきは、そのフランス語の歌詞を日本語翻訳したものに目を通すが、全く元のものと違う内容になっていたという。

いつかひとりになった時に
この歌を思い出しなさい
どんななぐさめも追いつかない
ひとりの時に歌いなさい
(『かもめの歌』より)

⇒『かもめの歌』の記事はコチラ

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