中島みゆき『シュガー』の歌詞の解釈

スパンコール

1987年10月5日に発売された21作目のシングルのB面曲
『シュガー』
をみていこう。

中島みゆき『シュガー』

 

『シュガー』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 椎名和夫

収録アルバム

『Singles II』

『Singles II』(レコチョク試聴あり)

1994年4月21日に発売されたシングルコレクション第2弾。

1987年の『御機嫌如何』から1993年の『時代』までのシングルを収めた全20曲。

フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌『浅い眠り』、映画「奇跡の山 -さよなら、名犬平治-」の主題歌『誕生』、TBS系「筑紫哲也 NEWS23」のテーマソング『最後の女神』鈴木保奈美出演の「ブレンビー」CM曲『Maybe』などなど、名曲ばかりのラインナップ。

『シュガー』はDisc2のラストを飾っている。

レコード
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本人映像

『夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』

恋が上手くいかない女が、あるクリスマスの晩に、幼少から老婆になるまでの一生を夢見る。

劇中で『シュガー』が歌われている。

歌詞の解釈

歌詞の行間に色んな想像を膨らませていくのが『シュガー』を聴く楽しさだろう。

ネット内では、その解釈についてあれこれと論じられている。

どこが舞台?

中島みゆきはこの曲を書くにあたって、フランスのとあるミュージックホールを取材していると言われている。

フランスの有名なミュージックホールといえば、「リド」「ムーラン・ルージュ」「クレイジーホース」というパリの3大キャバレーが有名。

また、最も歴史が古く地元の人たちに愛されている「パラディラタン」というキャバレーもある。

いずれも、そこで踊られているのが「フレンチ・カンカン」という伝統的な踊りなのだが、『シュガー』は、おそらく、この踊り子の視点から描かれた世界と思われる。

その根拠を、以下に述べる。

「スパンコールと羽飾り」

「スパンコールと羽根飾りをつけて
 今夜もあたしの出番が来る」

スパンコールとは小さな金属片を連ねた華やかな衣装で(悪く言えばケバい)、舞台に立つ人間でなければなかなか着用しない。

夜のステージにあがる踊り子というふうに想像がつく。

フレンチ・カンカンの踊り子たちのいでたちもまた華やか。

スパンコールの衣装と、頭につけているニワトリのとさかのような羽飾りは、彼女たちのシンボルともいえる。

実は、中島みゆきもこの衣装をまとっていたことがあった。

1991年に上演された『夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』の中で、スパンコールにとさかのような羽飾り姿で『シュガー』を歌っている。

その姿はフレンチ・カンカンの踊り子そのものだ。

とはいえ、本場ほどの肌の露出はなかったが。

「1度足を上げる値段」の意味

「夢は57セント 1度足を上げる値段」

歌詞にある「足を上げる」というコトバを何かの慣用句かと思った人もいるだろう。

だが、これは、フレンチ・カンカンの踊りそのものである。

フレンチ・カンカンは、全員が1列になって同じステップを踏むいわゆるラインダンス。

踊り子たちは、何もしない時は、その足をボリューミィなスカートの下に隠しているのだが、いざ踊りが始まると、スカートの裾をまくりあげ、テンポよく足を宙に振り上げる。

太ももが露わになってだいぶセクシーなのだ。

つまり、ギャラの値段を、1回足を上げる単価で計算したところ、57セントという意味なのだ。

ちなみに、1ドルが100セントであるから、57セントとは、日本の貨幣に換算すれば50円玉1個分の価値といったところだろうか、

「A.M.3時までには迎えに行かなきゃね」

「A.M.3時までには 迎えに行かなきゃね
 あの児の夜泣きする 声が聞こえて来る」

子どもを午前3時まで預けておかなければならないほど踊り子たちの仕事は夜遅い。

例えば「ムーラン・ルージュ」では、深夜の23時を回った頃に、ラストのステージが始まり、日付をまたいで24時45分頃に終わる。

迎えが3時になるということは致し方ないことなのだ。

「二文字砕けた呼び込みのネオン」

「二文字 砕けた 呼び込みのネオンは
 おかげで 故郷のつづりと似てしまった」

この歌詞の解釈もネット界隈では様々な説が飛び交っている。

「Welcom」→の「w」と「e」の一部が砕けて「home」とする説。

スペイン語で「天国」という意味の「paraiso」から「a」と「o」を取った「paris」。

私は、この後者の説を推したいと思う。

先ほど紹介した、最古のキャバレー「パラディラタン」の表には、「PARADIS LATIN」と表記されたネオンの看板がデカデカと掲げられている。

「PARADIS」の「A」と「D」が砕けたら「PARIS」だ。

「砂糖菓子」の意味とは?

「夢は57セント 1度足を上げる値段
 胸から胸へ綱渡り
 SUGAR SUGAR 砂糖菓子」

こちらの歌詞もネット界隈では色んな解釈が飛び交っている。

いったい、この砂糖菓子とは何の象徴なのだろう?

主人公の女は、子どもを預けてステージに立っていることから、おそらくシングルマザーなのだろう。

子どもの父親である男は、手の届かなかった存在として以下のように描かれている。

「欲しかったものは 手に入れたわ 何もかもさ
 ほら こんなに光ってる 靴もネックレスも
 人生は 2番目の夢だけが叶うものなのよ
 ほら だって あの人はあたしに残らない」

舞台衣装である靴やネックレスを、手に入ったものとしてカウントするところも、また、悲しい。

どうせこんなもんよ、と人生を見限ってるような女が見る「57セントの夢」とは何だろう?

「夢は57セント 1度足を上げる値段
 ここから どこへ まだゆける
 SUGAR SUGAR 砂糖菓子」

57セントで安く買える夢、それが「砂糖菓子」ではないかと私は思う。

手近なもので夢を叶えようとする女の哲学が透けて見えそうな曲だ。

『シュガー』のみんなの感想

『シュガー』はこんな時に聴こう

失恋してスイーツをヤケ食いしたい衝動に駆られたら『シュガー』を聴こう。

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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。