1985年の中島みゆきのオリジナルアルバム『miss M.』
音楽の方向性を模索していたいわゆる「御乱心の時代」の時期に生まれたアルバムで、全体的にロック調のサウンドになっている。
また、BOØWYの布袋寅泰も参加していることも特筆すべき点であろう。
1曲ずつみていこう。
この記事は、
- 『miss M.』の特徴
- 『miss M.』の曲解説&みんなの感想
について書いてます!
中島みゆき『miss M.』
1985年リリースのオリジナルアルバム。
- 後にセルフリメイクされた『孤独の肖像』
- BOØWYの布袋寅泰の参加曲『ノスタルジア』
- ドラマ「親愛なる者へ」の劇中曲『肩に降る雨』
を含む全10曲。
【収録曲】
『極楽通りへいらっしゃい』『あしたバーボンハウスで』『熱病』『それ以上言わないで』『孤独の肖像』『月の赤ん坊』『忘れてはいけない』『ショウ・タイム』『ノスタルジア』『肩に降る雨』
『miss M.』の特徴
週間オリコンチャート1位
『miss M.』は、1985年11月7日にリリースされた。
キャッチコピーは、「どこからきたの どこへゆくの あたしは ここです」
週間オリコンチャートLP部門1位、CD部門2位を記録している。
漫画家のさくらももこも聴いた?
漫画家のさくらももこのエッセイ「もものかんづめ」(集英社)のエピソードで、このアルバムの収録曲『極楽通りへいらっしゃい』をОL時代の歓迎会で歌ったというくだりがある。
さくらももこは、「中島みゆきのオールナイトニッポン」のリスナーでもあり、曲も好んで聴いていたので、このアルバムもコレクションの1つだったのかもしれない。
『miss M.』の曲解説&みんなの感想
『極楽通りへいらっしゃい』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
1985年「GB」12月号のインタビューによると、この曲は、リリースより5年前にすでにコンサートの中で披露されていたようだ。
漫画家のさくらももこは、エッセイ「もものかんづめ」の中で、ОL時代の歓迎会に、この曲をカラオケで歌っている。
歓迎会らしからぬ歌詞に、周りが気まずい雰囲気になったことが書かれている。
今日は何回頭下げたの ひとからバカだって言われたの
殴り返したい気持ちを貯めて あたしを笑いにきたんでしょ
(『極楽通りへいらっしゃい』より)
仕事の休憩中に中島みゆきの『極楽通りへいらっしゃい』を聴いてる私は何なんだ。でも改めて思うけど歌の中の主人公、最高にいい女だなー。
— 谷田七重 (@seven2tanida) June 26, 2011
さくらももこさんがOLの頃に会社の宴会で中島みゆきさんの「極楽通りへいらっしゃい」を歌ってたと知ってさくらももこさんに惚れそう。
宴会で極楽通りへいらっしゃいを歌う心意気が最高。— おその (@osn_hnaf) September 17, 2018
『あしたバーボンハウスで』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
後藤次利らしいダーク感たっぷりのロックサウンドと、中島みゆきの気だるい歌い方で、どこまでも酔って堕ちていきそうだ。
バーボンハウスで来ることのない人間を待っている。
話しかけてきた手品師が、束の間の幻を見せようとする。
誰に会いたいですか手品使いが訊く
可哀想ね目くばせひとつ 踊り娘生き写し
(『あしたバーボンハウスで』より)
中島みゆきの「あしたバーボンハウスで」のイントロのベースがとても好きや…このベースは後藤次利なんかしら??はぁ…仕事行くの嫌やけど頑張る‼️!
— エリー (@vivienne1999) October 10, 2017
時々ふっと中島みゆきの「あしたバーボンハウスで」を口ずさんじゃう。この曲カッコいいから好き。http://t.co/6YKeTgRpi0
— ぐりともる(引っ越し準備中にて低浮上) (@edomusica) May 20, 2013
『熱病』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 チト河内
後の1988年のシングル『仮面』のB面曲には、椎名和夫のアレンジで再収録されている。
鬱屈した日常を離れて、熱に浮かれた世界へと迷い込んでいく曲だ。
でも HaHaHa 春は扉の外で
でも HaHaHa 春は誘いをかける
教えて教えて 秘密を教えて いっそ熱病
(『熱病』より)
帰り道、聴いている音楽は中島みゆきの「熱病」
なんでこんなに心に響く。— くろがね 4044 3176 0266 (@mizorekintoki) March 4, 2010
年を取って、ちょっとだけ中島みゆきの『熱病』の歌詞の意味が解った気がする。ちょっとだけ。
— 巷水 (@madr_s_9012) December 28, 2015
『それ以上言わないで』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
海に連れていかれ、別れ話を切り出されようとする。
「それ以上言わないで」と肝心なことを聞きたくないのは、女心。
もしも私に勇気があれば
ここで貴方を殺したかった
(『それ以上言わないで』より)
1985年「GB」12月号のインタビューで、この曲について以下のように答えている。
「最近、行動派だから「もう振り向かないもんは殺しちゃうから」って。(笑)」
君は強い人だからいいね1人でも
だけど僕のあの娘は
…それ以上言わないで
(『それ以上言わないで』より)
中島みゆきの「それ以上言わないで」を聴いて、AメロBメロがあってサビがくることがこんなに思い知らされる曲もなかなかないよなぁって思っている。
— senjoh (@senjoh01) January 6, 2011
私が強い子だと思ったら大間違いなのに。まあそんなの、主張して勝ち取るもんじゃないけど。相対的に見たら強いのかな。相対?“君は強い人だからいいね、一人でも。だけど僕のあの子は…それ以上言わないで”(中島みゆき)。またこの曲が流れる。小さい頃からずっと。
— 吉野ユリ子 (@Yurico_y) September 25, 2010
『孤独の肖像』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
1985年9月18日にリリースされたシングル曲。
本作では、アルバムバージョンが収録されており、イントロや途中のシンセサイザーが変化している。
実は、この曲には原曲があった。
後藤次利の持ち味と必ずしも合うものではなく、中島みゆきの音域では歌いこなせなかったため、大幅に手を加えられたのがこの曲だ。
ちなみに、原曲は、1993年に『孤独の肖像1st.』というタイトルで発表されている。
Lonely face 愛なんて何処にもないと思えば気楽
Lonely face はじめからないものはつかまえられないわ
(『孤独の肖像』より)
中島みゆきさんの孤独の肖像、カッコいい
— あらま🌙ことなり (@miara0511) November 16, 2021
仕事しててふと浮かんだ曲が中島みゆきさんのだった。タイトルが分かんなくて昼休みググったら「孤独の肖像」でした。ちゃんと歌詞を見たらああ今の心境だなって。特に前半3分05秒くらいまでが沁みる。
— ゆらゆらしっぽ (@yanesanpo) June 17, 2019
『月の赤ん坊』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄
現在は廃盤になったベストアルバム『中島みゆき PRESENTS BEST SELECTION 16』に収録された曲だ。
寂しさを隠しながら生きている大人も、窓辺に立ち、月の光を浴びれば、寂しい心が露わになってしまう。
月にはそんな力があるのだ。
抑えたサウンドと囁くような歌声は、静寂が漂う夜を感じさせる。
なんでもないよと
答えた日からひとりになったの
夜になるたび月は子供に帰り
ひとりを恐がる
(『月の赤ん坊』より)
中島みゆきは、「月の赤ん坊」がなんか好き。
君はいくつになるの 明日いくつになるの 怖いもの何もないと言えたら大人と呼ぼうね
って歌詞、曲のタイトルすぐに忘れちゃうのにwこの部分だけいつも思い出す。
「悪女」もいいな。タイトルと真逆な女の子のいじらしさが好き。#Mステ #中島みゆき— 美夜(MIYO) (@miyo_soranekoya) January 31, 2020
#中島みゆき
春の宵、三日月じゃなくても「月の赤ん坊」を口ずさんでしまいます。😌🌛— レンゲ畑 (@4t_i) February 28, 2019
『忘れてはいけない』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 チト河内
何か強いメッセージを訴えているタイトルに思えるが、中島みゆき本人はそのつもりはないようだ。
1985年「GB」12月号のインタビューでは、以下のように答えている。
「いわゆるメッセージソングってイメージの中にはさ、「忘れてはいけないことがある。それはこれなのである」というふうなものを期待するでしょ。でもあたし、それをやる気がないんだよね。演説家になる気持ち、ないからね」
事情があって口に出すことのできない思いを抱えてしまう。
言葉が氾濫している現代でも、このような人が見えないところで大勢いるのだ。
忘れてはいけないことが必ずある
口に出すことができない人生でも
(『忘れてはいけない』より)
中島みゆきの「miss.M」は好きな曲が多い。短いフレーズに非常に大きな意味が込められている気がするから。「忘れてはいけない」の「許さないと叫ぶ野良犬の声を踏み砕いて走る車輪の音がする」とかね。
— ふじけん (@xj1sSMP8YlPXt92) February 23, 2022
寝る前の寝言だ。 どっかでいじめられている昔の野良犬みたいなボクと同じ誰か。「忘れてはいけない」って中島みゆきの歌があるんだけど、機会があったら聞いてみてくれ。歌詞をひくんでもいいけど、いい歌だ。
— 海辺の犬@祝·まどかマギカ廻天決定·アニメマギレコ2期 (@Umibe_no_DOG) March 2, 2012
『ショウ・タイム』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
世の中を独自の視点で切り抜いていくというのは、中島みゆきの得意分野。
曲も詞もユニークで、後藤次利のサウンドも相まって、ポップな仕上がりになっている。
「いまや総理はスーパースター」という歌詞だが、この頃の総理大臣である中曽根康弘を髣髴とさせる。
彼は、テレビカメラの前でパフォーマンスを行う先駆けとなった政治家と言われている。
いまやニュースはショウ・タイム
いまや総理はスーパースター
カメラ回ればショウ・タイム
通行人も新人スター
(『ショウ・タイム』より)
中島みゆきさんのショウ・タイムの歌詞の、「いまやニュースはショウ・タイム」、「いまや総理はスーパースター」とか「通行人もスーパースター」っての当時からもうそんな雰囲気が形成されてのかなと思わせる。
— 柠檬+水 (@kisara_25) August 28, 2020
中島みゆきのショウ・タイムは今の世の中そのまんまだな。
— Warui Tuti (@Waruituti) July 11, 2017
『ノスタルジア』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
- ノスタルジア…「故郷を恋しがること」
群れを成さない一匹狼のようなヤサグレ感が漂う曲。
男が残していった思い出にケリがつけられず、1人悶々とする様が描かれている。
BOØWYの布袋寅泰が、ギターで参加。
傷ついてもつまずいても過ぎ去れば物語
人は誰も過ぎた日々に弁護士をつけたがる
裁かないでね叱らないでね思い出は物語
私どんな人のことも天使だったと言うわ
(『ノスタルジア』より)
今日はやけに昔のことばかり思い出す。昔住んでた所とか、昔友達だった人とか。もちろん中島みゆきの「ノスタルジア」がBGM。
— みゅんひはうぜん (@munchausen21) February 27, 2011
NHKで中島みゆき名曲集を観る。なかなか観れない本人の映像もあって興奮。私はノスタルジアの「泣いてないわ悔やまないわ もう1杯お酒頂戴(中略)傷ついてもつまずいても過ぎ去れば物語」という歌詞が好き。たぶん、失恋した女の歌なんだけど、脆いながらも立ち直ろうとする人の本質的な強さを感じる
— みき👭🏳️🌈 (@miki_tawashix) April 20, 2022
『肩に降る雨』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄
芥川賞作家の柳美里もお気に入りだという1曲。
1992年のドラマ「親愛なる者へ」(フジテレビ系)では、三村るい子(横山めぐみ)のテーマソングの位置づけで劇中で流れていた。
るい子は、かつて有望視されていた陸上選手だったが、怪我で選手生命を絶たれてしまうという暗い過去を持つ。
ひたむきに生きる彼女の姿と、とてもマッチした曲だ。
孤独になってしまっても、そこから1人で立ち直ろうとする力強さを感じさせる曲だ。
肩に降る雨の冷たさは生きろと叫ぶ誰かの声
肩に降る雨の冷たさは生きたいと迷う自分の声
(『肩に降る雨』より)
中島みゆきの「肩に降る雨」を聞くと胸が苦しくなる。
失意や絶望はお話づくりにはとても良いスパイスになるけど、どんな暗いお話でも最後にはやっぱり立ち直る兆しを示唆する感じに展開するのがいい。— きたなすぎるTACO (@mister_octopus) November 8, 2019
肩に降る雨を久しぶりに聞いてるが、やっぱり中島みゆきはすごい。詩の内容もすごいし曲も非常に耳にキャッチーなんだよね。自分が日本人で一番ラッキーだったって思えることは、中島みゆきの音楽に出会えたことかも。
— kokorotamashii (@kokorotamashii1) December 3, 2018
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