1979年の中島みゆきのアルバム曲『雨…』
1978年に小柳ルミ子へ提供した曲だ。
中島みゆきの母親が小柳のファンで、これも曲提供した理由の1つとなっているという。
小柳自身も、中島みゆきの歌に励まされていた1人。
この曲が、どのようにして生まれたのかそのいきさつを追っていこう。
この記事は、
- 小柳ルミ子へ提供された『雨…』
- 『雨…』は、中島みゆきの母親が小柳ルミ子のファンだったことがきっかけ?
- 小柳ルミ子の天気となった『雨…』
について書いてます!
中島みゆき『雨…』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
小柳ルミ子への提供曲
紅白出場曲
小柳ルミ子へ提供された『雨…』は、1978年11月25日にシングルリリースされている。
週間オリコンチャート34位を記録。
同年、この曲で「第29回NHK紅白歌合戦」出場を果たしている。
中島みゆきの母親が小柳ルミ子のファンだった
小柳ルミ子への曲提供が実現したのは、中島みゆきの母親によるところもある。
2004年「文芸ポスト」冬号では、以下のような記述がある。
「みゆきの母が小柳のファンということもあって、小柳ルミ子に、『雨…』を歌わないか、という話が持ち上がってくる」
また、2020年「週刊現代」2月15日号の小柳のインタビューによると、中島みゆきの母親は、中島みゆきへ、
「ねぇあなた、ルミ子ちゃんが歌うような曲を作ったりしないの?」
と言っていたようだ。
そんな時に、小柳サイドから曲のオファが来たため、中島みゆきは二つ返事でそれを受けたのである。
小柳ルミ子のために書いた曲ではない
1978年、中島みゆきは小柳ルミ子と『雨…』について対談している。
中島みゆきの曲をずっと歌いたかったと話す小柳に対し、中島みゆきは以下のように答えている。
「私も、曲を作ったとき小柳さんに歌ってもらえたらいいなと思ったんですよ」
このことから、『雨…』が小柳ありきで書き下ろされたものではないということが分かる。
音域やその他諸々の問題で自分の手に負えないこの曲を、小柳ならきっと歌いこなせるだろう。
この中島みゆきの読みは当たった。
小柳ルミ子の『雨…』を聴いた中島みゆきは、以下のように感想を述べている。
「実にうまい。やっぱりプロだなって感じました」
『時代』に衝撃を受けた
2020年「週刊現代」2月15日号のインタビューで、小柳ルミ子は中島みゆきにまつわる思い出を語っている。
それは、小柳が23歳の頃。
ふと、中島みゆきの『時代』を耳にし、体中に衝撃が走った。
10代の頃に宝塚音楽学校に入り、宝塚歌劇団、その後アイドルへ。
息つく間もなく走り続けたそれまでの苦労がいっきに甦ってきたのである。
「彼女の言葉は、決して奇をてらったようなものではありません。ストレートな歌詞だからこそ心を打つのです」
中島みゆきに曲を書いてほしいという想いは、この頃から芽生えていたのかもしれない。
小柳ルミ子の転機となった曲
生まれてはじめて会う人が貴方ならよかったけれど
裏切られすぎて私は今さら素顔になれない
(『雨…』より)
「ここまで女の胸の内をぶつけるような歌は初めてでした」
2004年「文芸ポスト」冬号のインタビューで、小柳ルミ子は『雨…』についてこのように答えている。
当時、『瀬戸の花嫁』がヒットし、理想のお嫁さんともてはやされる品行方正なイメージが小柳につきまとっていた。
レコード会社を移籍した直後の小柳に求められていたものは、これまで通りの日本的叙情色の強い曲だ。
曲調から歌い方までそれとは全く逆をいく『雨…』を歌うことは、勇気が要ることだった。
背中を押してくれたのはディレクターだった。
「これはいい曲だ。ルミ子が新境地を拓く意味でも、絶対歌うべきだ」
これまでにない歌い方に苦戦
ディレクターに背中を押され、小柳ルミ子は『雨…』を歌うことを決意する。
だが、『雨…』は、これまでの歌い方とは正反対のものを要求してきた。
感情を込めず、抑え、つぶやくような力まない歌い方。
自分らしさも出さなければならない一方で、デモテープに入った中島みゆきの歌い方もエッセンスとしてこの曲には必要だ。
音を上げそうになりつつも、試行錯誤の末、ようやく『雨…』は完成したのだ。
『雨…』はこんな曲
裏切られすぎて、人を信じることができなくなっていた女。
素直に愛せず、大切な存在を失ってしまったことを、今さら後悔している。
冷たい雨、雨、雨、雨、いまさら
貴方がこんなにいとしい
冷たい雨、雨、雨、雨、私を
あの頃に連れて戻って
(『雨…』より)
『雨…』のみんなの感想
小柳ルミ子さんの「雨…」がラジオから流れてた。39年前、地元の夏祭りで本人が歌われてて 感動したの覚えてる。中島みゆきさんのLP「おかえりなさい」を買うきっかけになった一つだと思う。
— 夏も熱いお茶 (@nagisa_hill) October 9, 2018
小柳ルミ子のシングル曲に『雨…』っていうのがあって、「裏切られた思い出にいつか覚えた氷芝居 さみしがり屋のあなたにはそれが一番の仕打ちだった」の詞が好きなので、調べてみたら中島みゆきの作詞作曲だった。氷芝居って。わざと冷たくすることだよね。みゆきの威力すごい。
— たえなかすず (@suzusuzu2009) March 26, 2017
「北の国から」の再放送みていたら、富良野のスナック「駒草」のシーンで今日も中島みゆきが流れる。しかも「雨」だ。最初この歌は小柳ルミ子が歌ったのを聴いて好きになった。たしか紅白でも歌ったはず。「冷たい雨、雨、いまさら あなたがこんなに恋しい」というフレーズが雨の今宵、しみる。
— MASAHITO TAKAHASHI (@masatango1962) June 13, 2020
『雨…』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『おかえりなさい』
1979年リリースのオリジナルアルバム。
中島みゆき初のセルフカバー集。
- 研ナオコに提供した『あばよ』
- 桜田淳子に提供した『しあわせ芝居』
- 小柳ルミ子に提供した『雨…』
- 日吉ミミに提供した『世迷い言』
- ちあきなおみに提供した『ルージュ』
を含む全10曲
【収録曲】
『あばよ』『髪』『サヨナラを伝えて』『しあわせ芝居』『雨…』『この空を飛べたら』『世迷い言』『ルージュ』『追いかけてヨコハマ』『強がりはよせヨ』
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