2012年の中島みゆきのアルバム曲『倒木の敗者復活戦』
東日本大震災の翌年リリースのアルバムの1曲で、東北地方への応援歌とも言われている。
倒れた木が、傷から新たな芽を伸ばしていく様を歌ったこの曲は、人気が高く、2016年のベストアルバムにも収録された。
東日本大震災との関連から、この曲に共感したアスリートまで、色々みていこう。
この記事は、
- 『倒木の敗者復活戦』と東日本大震災の関連
- 『倒木の敗者復活戦』に共感した裕樹&岩垂かれん
について書いてます!
中島みゆき『倒木の敗者復活戦』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 小林信吾
東日本大震災との関連
打ちのめされたら
打ちひしがれたら
値打ちはそこ止まりだろうか
(『倒木の敗者復活戦』より)
『倒木の敗者復活戦』は、東日本大震災で被害を受けた東北地方への応援歌と言われている。
中島みゆきが正式にコメントした訳ではないが、以下に挙げる点からその可能性が考えられる。
東日本大震災後のアルバムに収録
『倒木の敗者復活戦』は、東日本大震災の翌年2012年にリリースされたアルバム『常夜灯』に収録されている。
このアルバムには震災を反映したような曲がいくつか収録されている。
例えば、『リラの花咲く頃』は、福島原発事故がモチーフだ。
2011年に出演したラジオ番組で東日本大震災について訊かれた中島みゆきは、日本人として、そして、曲を作る上で今回の震災は避けて通れないと答えている。
とはいえ、すぐに曲に反映できるものではなく、時間が必要とも語っている。
その翌年の2012年10月24日、震災から約1年半後に『倒木の敗者復活戦』がリリースされた。
中島みゆきの言う「必要な時間」をかけて生まれた曲なのかもしれない。
「倒木」が「東北」に聞こえる
あざ嗤(わら)え英雄よ
嗤(わら)うな傷ある者よ
傷から芽を出せ 倒木の復活戦
(『倒木の敗者復活戦』より)
この曲を、東北地方への応援歌として受け取られる理由として、「倒木」が挙げられる。
「倒木」が「東北」に聞こえてしまうと解釈する人が絶えなかったのだ。
出演したラジオ番組でこれについて問われても、
「そう聞こえますか?」
と、濁してきた中島みゆきだったが、2016年のベストアルバム『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』のライナーノーツの中で以下のように書いている。
「あまりにも悲惨だった東日本大震災は、私の作品に於いても、発表を控えたり、表現を変更せざるを得ない事態が、いくつか起きた。そんな中で、逆にこの曲の「倒木の」が「東北の」と、聞き取れるとして、受け入れていただく結果になったのも、大震災の影響の一つであったと思われるが、それはそれで否定するまでもないと考えている」
2012年「ROCKIN’ON JAPAN」12月号のインタビューの中でこの曲について触れている。
自らが独身であることを冗談っぽく「敗者」として捉える一方で、この曲に描かれている弱い存在は、自分のコンプレックスから生まれているものだと述べている。
幼少期から何をするにしてもトロく、歌手となった今でさえも、歌が下手だと劣等感を感じているという。
『倒木の敗者復活戦』に共感したアスリートたち
裕樹の入場曲
2020年11月1日にエディオンアリーナ大阪で、キックボクサー裕樹の引退試合が行われた。
入場曲に流された曲が、この『倒木の敗者復活戦』だ。
ちなみに、対戦相手の那須川天心の入場曲は矢沢永吉『止まらないHA~HA』。
曲の方でも大御所対決となった。
岩垂かれん
2020年7月18日放送の「輝き続ける中島みゆき」(BSフジ)にスノーボードクロス元日本代表の岩垂かれんが出演。
お気に入りの中島みゆきの曲5選の1曲に『倒木の敗者復活戦』を挙げている。
勝ち驕(おご)れ英雄よ
驕(おご)るな傷ある者よ
(『倒木の敗者復活戦』より)
とりわけ気に入っているというこのフレーズは、競技に挑んでいた岩垂の胸に突き刺さった。
「ずっと悔し涙を流しながら、「負けたくない負けたなくない、頑張らなきゃ、でも心が折れそうだ」って時に、何回もこの曲に背中押されたというか」
中島みゆきはラジオ番組の中で『倒木の敗者復活戦』に触れ、「負けって何?」と問うている。
- 勝ちと負けは、誰かが設けた基準に従って振り分けられるもの。
- 負けと思っていたものが、視点を変えればそうでなかったということが往々にしてある。
と、考えを述べている。
『倒木の敗者復活戦』はこんな曲
倒木の姿は「負け」を連想して痛々しく思えるが、中島みゆきは、そんな敗者にこそ備わる強さがあると教えてくれる。
望みの糸は切れても
救いの糸は切れない
泣き慣れた者は強かろう
敗者復活戦
(『倒木の敗者復活戦』より)
『倒木の敗者復活戦』のみんなの感想
今朝は中島みゆきさんのアルバムで出勤。
『倒木の敗者復活戦』に希望をもらって今日を始めます。— いぶきおろしα(あるふぁ) (@ibukioroshi_a) January 16, 2022
中島みゆきの「倒木の敗者復活戦」って、あの3.11の翌年に初めて聴いて、不覚にも泣いてしまったのだが、今このコロナ禍に改めて、女神の歌声に泣きそうになりながら、酒を飲んでいる不届きな我🍷
— atomの子 (@atom0217) May 31, 2020
中島みゆきの応援歌は
「ファイト!」もいいけど、
「倒木の敗者復活戦」もオススメ‼#中島みゆき— 防破亭時化 (@bouhatei_sike) December 8, 2019
本人映像
『中島みゆき「縁会」2012〜3』
2012~2013年に行われたコンサートツアー「縁会2012~3」のライブDVD/Blu-ray。
『倒木の敗者復活戦』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『常夜灯』
2012年リリースのオリジナルアルバム。
- 日本テレビ系ドラマ「東京全力少女」の主題歌『恩知らず』
- 東北の応援歌といわれる『倒木の敗者復活戦』
- 舞台劇「真田十勇士」の主題歌『月はそこにいる』
を含む全12曲。
【収録曲】
『常夜灯』『ピアニシモ』『恩知らず』『リラの花咲く頃』『倒木の敗者復活戦』『あなた恋していないでしょ』『ベッドルーム』『スクランブル交差点の渡り方』『オリエンタル・ヴォイス』『ランナーズ・ハイ』『風の笛』『月はそこにいる』
『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』
2016年リリースのベストアルバム。
2000年以降の曲からセレクトされた珠玉の全12曲。
【収録曲】
『銀の龍の背に乗って』『地上の星』『泣いてもいいんだよ』『常夜灯』『Nobody Is Right』『宙船 (そらふね)』『倒木の敗者復活戦』『Why & No』『India Goose』『産声』『麦の唄』『ヘッドライト・テールライト』
⇒『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』の解説&みんなの感想
『中島みゆき「縁会」2012〜3 -LIVE SELECTION-』
2012~2013年に行われた3つのコンサートから収録されたライブアルバム。
ライブバージョンの『倒木の敗者復活戦』を聴くことができる。
【収録曲】
『空と君のあいだに』『最後の女神』『化粧』『3分後に捨ててもいい (Inst.)』『真直な線』『NIGHT WING』『泣きたい夜に』『倒木の敗者復活戦』『月はそこにいる』『パラダイス・カフェ』『ヘッドライト・テールライト』
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