1993年の中島みゆきのアルバム曲『かもめの歌』
この曲は、フランスのパトリシア・カースの依頼により中島みゆきが書き下ろした曲だ。
これが、海外アーティストに提供した初めての楽曲となる。
ずいぶん違う内容でフランス語に翻訳されたことなど、この曲にまつわるエピソードを追っていこう。
この記事は、
- 『かもめの歌』はパトリシア・カースへの提供曲
- パトリシア・カース版『かもめの歌』の歌詞はオリジナルと大きく違う
- 『かもめの歌』をセルフカバーした理由
について書いてます!
中島みゆき『かもめはかもめ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
初めての海外アーティストへの提供曲
パトリシア・カースへの提供曲
『かもめの歌』は、フランスの歌手、パトリシア・カースからの依頼に応えて、中島みゆきが書き下ろした曲だ。
アメリカ、ドイツなど各国からの楽曲を集めたいというパトリシアの要望から、日本からは中島みゆきに白羽の矢が立ったという。
中島みゆきにとって、これが初めての海外アーティストへの提供曲となる。
パトリシア・カースが歌う『かもめの歌』は、1993年にリリースしたアルバム『永遠に愛する人へ』の日本盤にのみ収録。
ボーナストラックとして、アルバムの最後は、販売先の国のアーティストによって提供された曲が収録されているとのこと。
パトリシア・カース
1985年に歌手デビュー。
1987年リリースのアルバム『マドモワゼル・シャントゥ・ブルース Mademoiselle chante le blues』が、フランスのアルバムチャート2位、トップ10内に64週チャートインする大ヒットとなった。
1990年には12カ国でワールドツアーを行っている。
「エディット・ピアフの再来」と呼ばれるほど世界が一目置く実力派シンガーだ。
オリジナルの歌詞と大きく違う
『かもめの歌』は、中島みゆきの書いた歌詞をもとにして、フランスの作詞家によって書き直されている。
ライナーノーツには、「原詞とは少し違うものになった」と書かれているが、少しどころではない。
中島みゆきは、笑いながらその驚きを以下のように明かしている。
「フランス版の歌詞を再び日本語に翻訳したものを見たけど、すごい私の書いたヤツと違ってた」
『かもめの歌』というタイトルにも関わらず、フランス語の歌詞には、かもめどころか鳥すら登場していなかったという。
セルフカバーした理由
パトリシア・カースの歌う『かもめの歌』は、中島みゆきの書いた歌詞とは大きく違っていた。
だが、それに対して中島みゆきは寛容である。
1993年「FMSTATION」のインタビューでは、以下のように答えている。
「彼女が気持ちを入れやすいメロディというのであれば、それもいい」
また、パトリシア・カースの歌う『かもめの歌』に敬意も払っている。
中島みゆき自身、彼女の歌うこの曲を何度も繰り返し聴き返すほどだった。
インタビューでは、以下のようにも答えている。
「あのアルバムの中で『かもめの歌』が一番彼女に向いている」
1993年、中島みゆきは、アルバム『時代 -Time goes around-』でこの曲をセルフカバーしている。
歌詞は、パトリシア・カースに渡した日本語歌詞から新たに手が加えられている。
「自分なら原詞の意味で歌うならこう歌う」という思いが込められた、また違う『かもめの歌』が誕生した。
『かもめの歌』はこんな曲
どんな慰めも励ましも放棄した、綺麗ごと抜きの曲だ。
どん底にいる時に、聴くべきなのかもしれないが、それなりの覚悟も必要。
いつかひとりになった時に
この歌を思い出しなさい
どんななぐさめも追いつかない
ひとりの時に歌いなさい
(『かもめの歌』より)
『かもめの歌』のみんなの感想
昨日っくらいから、中島みゆきの「かもめの歌」超リピート。どん底に引き込まれそうな凄味がたまらないわ~v
— 水里 裕 (@micazukirose) January 31, 2014
中島みゆきの「かもめの歌」が実はかなり好きなんですけど、正直素人にはお勧めできない感がすごくてなかなかおおっぴらに「この曲超いいですよね〜」と言いふらせない。でもすき。
— いすず (@isuzu_tkm) July 30, 2017
中島みゆきの”かもめの歌”、歌詞が上手すぎて鳥肌立つ
— かわせ(ごね) (@skg_wassyoi) July 12, 2019
『かもめの歌』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『時代-Time goes around-』
1993年リリースのオリジナルアルバム。
- 1993年版『時代』
- 幻のデビュー曲と言われている『あたし時々おもうの』
- 工藤静香に提供した『慟哭』
を含む全11曲。
【収録曲】
『時代』『風の姿』『ローリング』『あどけない話』『夢見る勇気(ちから)』『あたし時々おもうの』『流浪の詩』『雨月の使者』『慟哭』『孤独の肖像1st.』『かもめの歌』
⇒『時代-Time goes around-』の解説&みんなの感想
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