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中島みゆきとさくらももこの対談|1992年放送「さくらももこのオールナイトニッポン」より

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1992年7月7日放送の「さくらももこのオールナイトニッポン」に中島みゆきがゲスト出演している。

「中島みゆきのオールナイトニッポン」を聴いて育った漫画家・さくらももこが、自身の番組に中島みゆきを招待した。
一方、中島みゆきは、さくらももこの漫画「ちびまる子ちゃん」の愛読者の1人。
憧れだった中島みゆきを前に、さくらももこは、始終テンション上がりまくりだ。

2人の関係や、中島みゆきが出演したドラマやCMの話まで、色々みていこう。
(※部分的に編集しています)

この記事は、

  • さくらももこが中島みゆきと初めて会った時の印象
  • 「中島みゆきのオールナイト」を聴いていたさくらももこのエピソード
  • ドラマ「親愛なる者へ」や主題歌『浅い眠り』のエピソード

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
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中島みゆき担当の月曜日にさくらももこ

ももこ「はい、今日は中島みゆきさんがゲストです!」

漫画家・さくらももこは、16歳の頃からずっと中島みゆきを聴いて、また、「中島みゆきのオールナイトニッポン」のリスナーでもあった。
中島みゆきが担当していた月曜日の後釜にさくらももこが座ることになり、しみじみと不思議な縁を感じているようだ。

ももこ「なんか泣けますよね」

「うん」と傍で頷いている男性は、当時さくらももこの夫だった宮永正隆(その後、2人は離婚している)。
宮永によると、「中島みゆきのオールナイトニッポン」の復活スペシャルの中で、中島みゆきが、翌週から始まる「さくらももこのオールナイトニッポン」を紹介してくれたようだ。
実は、この時、さくらももこは、リスナーとして「中島みゆきのオールナイトニッポン」宛てにファックスを送っている。

少し振り返ってみよう。

さくらももこから中島みゆきへのファックス

さくらももこのファックスを中島みゆきが読み上げたのは、1991年10月15日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」の中でだ。

「私の家族は数年前までは大人しく平凡な人生をそれぞれ暮らしておりました。しかし、私が漫画家という水商売に走り、自分の家族をダシに使うような作品を描いてしまったため、今ではすっかり世間の笑いものになってしまいました」

中島みゆきが読み上げたこの文面は、まさに「ちびまる子ちゃん」のあの一家たちのことだ。
ファックスでは、「中島みゆきのオールナイトニッポン」宛てにハガキを出したがボツにされた苦い思い出も明かしている。

「はじめまして」ではない2人

CM明けにいよいよ中島みゆきの登場だ。

ももこ「みゆきさ~ん!」
みゆき「お久しぶりです」

実は2人は初対面という訳ではない。
最初に会ったのが遡ること3年前、1990年「月刊カドカワ」6月号での対談でだった。

その時のしおらしいさくらももこを、中島みゆきは「猫百匹かぶっていた」と表現。
「私結婚しているんですよ」というさくらの言葉が、独身の中島みゆきには、何より鋭く胸に突き刺さったようだ。

⇒1990年「月刊カドカワ」6月号の対談はコチラ

お互いの番組を聴いていた2人

みゆき「コンサートツアーなんかで回ってると、夜中にホテル戻って、あ~やれやれってスイッチ入れると、ちょうどコレ(「さくらももこのオールナイトニッポン」)やってるんで」
ももこ「16歳の頃から22歳の頃までみゆきさんのラジオ聴いてたんです。玄関少年少女とかそういうのが羨ましくてねぇ」

中島みゆきもさくらももこも、互いの番組を聴いていた。
「玄関少年少女」とは、ニッポン放送の玄関前で出待ちしていたファンのことだ。
1987年3月31日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」最終回には、1000人以上が集まったという。
自分には、その玄関少年少女がまるでいないと苦笑いを浮かべるさくらももこ。

みゆき「いますいますと言ってりゃ、そのうち来ますよ(笑)」

「月刊カドカワ」対談での印象

「月刊カドカワ」で特集が組まれた際、「会いたい人はいないか?」と問われたさくらももこ「中島みゆき」と答えた。
大物だから難しいだろうと思われたが、意に反して中島みゆきは快くそのオファを受けたのだった。

対談の日、さくらももこは、1人で待ち合わせの場所でスタンバイしていた。
そわそわしながら10分ほど待っていると、中島みゆきが関係者を大勢引き連れて現れたのだ。
その時の印象を「お姫様という感じ」と形容している。

ももこ「みゆきさん、噂には聞いてたけど華奢だなあと思って」

CDジャケットなんかの写真の印象だと大柄だが、実際はだいぶ小柄。
それは、中島みゆきもよく言われることだった。

中島みゆきの首は骨が多い

中島みゆきの身体的な特徴と言えば、顔が小さいこと。
1985年12月2日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」で、ゲストのおニャン子クラブ新田恵利樹原亜紀名越美香国生さゆり立見里歌)からも言われた。
「みゆきさんって顔が小ちゃいですねぇ!」に対し、中島みゆきは、「そうなの、あたし片手で顔洗えるの」と返している。

もここ「うまいこと言いましたよね!」

中島みゆきのもう1つの特徴といえば首が長いこと。
洗顔を手軽に洗える小顔とは反対に、こちらの特徴は少し効率が悪い。

みゆき「化粧品がですね、ファンデーション塗るでしょ? そうすると私、キリンの首なんですよ。ンで、顔に塗るファンデーションより、首に塗るファンデーションがすごいんですよ(笑)」

実際、中島みゆきの首は他の人に比べて骨が1個多いんだという。

ももこ「骨が1個違うとやっぱいい声出ますねぇ」

鏡の中の未来の結婚相手

ももこ「みゆきさん1人でラジオやってたでしょ? 1人で喋り続けてたじゃない? あれってスゴいよね」

さくらももこ「中島みゆきのオールナイトニッポン」のリスナーであった。
ラジオで読まれた印象深いハガキについて振り返る。

今、結婚相手がいない人は、クシと鏡をトイレに持ち込んでいくと未来の結婚相手の顔が出てくる。

そんな内容だった。
当時17歳のさくらももこは、これを真に受け、実践に及んだ。
鏡に映る未来の結婚相手に失礼のないようにと、クシと鏡を新調までしたのだ。

リスナーのハガキ通り、夜中の12時にトイレに入って鏡を覗くが、期待に反してそこに映っていたのは自分の冴えない顔。
20分もトイレに籠るも、結局、未来の花婿には会うことができなかった。

みゆき「その鏡に映った自分の顔、旦那に似てるってことない?」
ももこ「あ、ちょっと似てるかもね」

夫婦はだんだんお互いに顔が似てくる。
その不思議を、中島みゆきもさくらももこも、心当たりがあるらしい。
とすれば、鏡に映った顔は、案外、今の夫だったのかもしれない。

互いの電話番号を教え合った2人

「月刊カドカワ」の対談の時、さくらももこは個人的に中島みゆきと電話番号を交換していた。

ももこ「でも、用もないのにみゆきさんに電話かけられる訳ないじゃん」

一方、中島みゆきも、さくらももこに電話をかけられずにいたことを明かす。

みゆき「難しいもんですね。かけようかと思うと、物書きの仕事してる人って何時に仕事してるか分からないじゃないですか」
ももこ「私も、みゆきさんが曲作って今頃ナーバスになってんじゃないかと」

互いに遠慮しあってかけられずにいたのだ。
改めて、また今度飲みましょうと約束し合う2人だが、中島みゆきには気掛かりな点が1つ。

みゆき「勘定、どっちが持つんですか?」

最終的に、ディレクターを連れて勘定を押し付けて去るということで合意した。

『浅い眠り』のエピソード

NHKではオンエアできない曲

この頃、中島みゆきは、シングル『浅い眠り』のリリースを少し先に控えていた。
リスナーからは、この曲へのリクエストが届いていた。

お願いがあります。もしレコードがあればいいのですが、中島みゆきさんの新曲『浅い眠り』をかけてください。

この頃、『浅い眠り』が主題歌のドラマ「親愛なる者へ」(フジテレビ系)が放送されていた。
当時、中島みゆきは、NHKでラジオ番組を持っていたのだが、他局のドラマ主題歌とあってオンエアが叶わなかったのだ。

ドラマタイトルに驚いた

ドラマ主題歌のオファが来たとき、中島みゆきは驚いた。

みゆき「最初タイトル聞いて、目がテンになりました」

ドラマのタイトル「親愛なる者へ」は、中島みゆきが1979年に発表したアルバムと同名タイトルだった。
このドラマタイトルは仮のものであったが、その後、正式に採用された。
トレンディドラマに似つかわしくないタイトルに、中島みゆきは、「いいんですか、こんな硬い名前で?」と案じたという。

ももこ「でもいいですよね、誠実そうなドラマみたいな感じで。みゆきさん、これ出るんだよね?」
みゆき「そうなんだな~!」
ももこ「富士山爆発するくらいスゴいことですよね!」
みゆき「なんでそうなったか自分でもよく分かんない」

とは言いつつも、台本やスタッフの熱に押されたのが大きな理由らしい。
さくらももこによると、このドラマ出演の理由についてスポーツニッポンの記事は、「ほんのできごころ」という見出しで書いている。

ビールCMへの出演

「動く中島みゆき」がお茶の間でも見られるということに、さくらももこは大興奮。
だが、この放送の前年の1991年に、中島みゆきは「キリン・プレミアム・ビール」のCMに出演している。
「ついに中島みゆきがCMに!」と話題になったが、これに中島みゆきは反論。

みゆき「別にCM出演を断ってたんじゃなくて、そういう話がぜんぜん来なかった」
ももこ「私だって去年いっぱいプレミアム・ビール買っちゃったもん」
みゆき「もしかして、ドラマ出演の伏線だったのかな、あのCMって(笑)」

父親の職業を演じた中島みゆき

ドラマ「親愛なる者へ」(フジテレビ系)では、中島みゆきは産婦人科医役という重要な役を演じている。
実は、産婦人科医というのは中島みゆきの父親の職業であった。
だが、制作サイドはそのことをずいぶん後になって知ることになる。

ももこ「じゃ、役作りは慣れたもんでしたか?」
みゆき「私が医者だった訳じゃないからね。でも、役への親しみはあるよね」
ももこ「私も八百屋のカミさん役ならできるよ(笑)」

漫画やアニメではあまり描かれないが、さくらももこの実家は八百屋なのだ。

⇒『浅い眠り』の記事はコチラ

⇒ドラマ「親愛なる者へ」の記事はコチラ

コンサートでは立ち見する中島みゆき

ももこ「静岡にいた頃は、みゆきさんは本当に見れないものでしたからね。ツチノコでしたよ(笑)」
みゆき「アハハハ! ツチノコになってしまいました」

話題はコンサートの話へ。
さくらももこは、中島みゆきのコンサートチケットを求める人の列が建物を3周しているのを見たことがある。

それほど入手が難しいのだが、中島みゆきもまた、誰かのコンサートのチケットを手に入れるのに苦労しているという。
3時間かけても予約の電話が繋がらないということもザラにあるんだとか。

みゆき「だから私、当日券でよく見るよ」
ももこ「ダフ屋とかで買って?」
みゆき「ダフ屋では買わないけど、キャンセル待ちとか立ち見とか」

足はしんどいが立ち見ならではの熱気が感じられて、中島みゆきには意外とこれがお気に入りのようだ。

最後に中島みゆきが一言

ももこ「今日はどうもありがとうございました」
みゆき「ありがとうございました」

これで番組も終わりかと思いきや、中島みゆきが何か大切なことを思い出した。

みゆき「「親愛なる者へ」のドラマの2回目の出る方はね、まだ独身なの。でも、最終回出る時にはね、独身じゃないの! やったぞ~!」

さくらももこに張り合う形で、ラストを飾った中島みゆきであった。

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