1992年の中島みゆきのアルバム曲『EAST ASIA』
アルバムのタイトルにもなったこの曲は、「世界から見た我が国」という視点で描かれている。
様々な雑誌のインタビューの中で、中島みゆきは、この曲について語っている。
この記事は、
- 『EAST ASIA』に込めた中島みゆきの思い
- 土屋太鳳が語る『EAST ASIA』
- 『EAST ASIA』のメロディは東洋を意識した訳ではない
について書いてます!
中島みゆき『EAST ASIA』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 David Campbell
『EAST ASIA』に込めた思い
きっかけは地図
1992年「オリコンウィークリー」9月28日号のインタビューの中で、この曲のきっかけが地図であることを明かしている。
子供の頃に開いた地図は、どれも日本が真ん中にあった。
だが、フランスに行った時に見た地図は、日本は隅っこにあり、アメリカに行った時に見た地図では、どこにあるのか分からないくらいな所に日本があったのだ。
世界の場所を教える地図は
誰でも 自分が真ん中だと言い張る
(『EAST ASIA』より)
この歌詞にあるように、中島みゆきは、国によって地図の描かれ方が異なることに強い違和感を抱いた。
西はどっち? 国境って何?
EAST ASIA…「東アジア」の意。
1992年「月刊カドカワ」11月号のインタビューの中で、中島みゆきは、地球の上で東という方角は曖昧なものだという。
また、西洋からみたアジアというのも認識があやふやだ。
それは日本人がスウェーデン人とフィンランド人を区別できないようなもの。
西洋人からしたら、中国も日本もきっとそこまでの差はないのだろう。
そんな曖昧な意識の中で国境を引くというのはバカげていると、中島みゆきは考える。
私のくにをどこかに乗せて 地球は
くすくす笑いながら回ってゆく
(『EAST ASIA』より)
アイデンティティは必要だが、あまりにそれに固執するというのはナンセンスだと中島みゆきは見ている。
女という視点
男はタテマエの社会で生きているので、理念で自分を縛り、生きづらいところがある。
男が自分で敷いたルールを、女は笑って踏み越えてしまうことがある。
男をがんじがらめにしているものを壊してあげる力が女にあってもいいのではないか?
中島みゆきは、そんな思いをこの曲に込めている。
1992年「GB」11月号のインタビューでは、以下のように述べている。
「女の視点で物事を見たとき、論理を越えた生命力って確かにあると思う」
山より高い壁が築きあげられても
柔らかな風は笑って超えてゆく
力だけで 心まで縛れはしない
(『EAST ASIA』より)
東洋を意識したメロディではない
1992年「オリコンウィークリー」9月28日号の中で、インタビュアが中島みゆきへ以下の質問を投げかけている。
「この曲の東洋的な匂いは、新しい試みですか?」
中島みゆきは、これを否定している。
特に東洋を意識したという訳ではなく、小さい頃から聴いていた子守歌や手毬唄などの集積から引き出された産物なのだ。
ジャンル分けの線を自分の中で引かなければ、どんなメロディも歌えると語っている。
土屋太鳳が語る『EAST ASIA』
2019年1月26日に放送された「SONGS」中島みゆき特集に、土屋太鳳が出演。
『EAST ASIA』について、以下のように感想を述べている。
「何でもそろっている中、本物の愛が薄れていくこの時代だからこそ、圧倒的な真実を歌う中島みゆきさんの歌が多くの人々に共鳴しているのだと思う」
外国人の共感を得た『EAST ASIA』
中島みゆき曰く、レコーディングに関わったアメリカ人の多くが、アルバムの中でとりわけ『EAST ASIA』を気に入っていた。
中島みゆきがDJのラジオ番組に投稿されたリスナーからのハガキには、中国旅行をしていた時に中国人ガイドにこの曲を聴かせたところ大変気に入ってくれたと、書かれていた。
『EAST ASIA』はこんな曲
アジアンテイストなサウンドに乗せて、国というアイデンティティに囚われない強い人間が描かれている。
山より高い壁が築きあげられても
柔らかな風は 笑って越えてゆく
力だけで 心まで縛れはしない
くにの名は EAST ASIA
黒い瞳のくに
むずかしくは知らない
ただ EAST ASIA
(『EAST ASIA』より)
『EAST ASIA』のみんなの感想
海外に行くとけっこう人種差別の標的になることがあって、そういう時は「アジア人として頑張るぞ!」の精神で乗り切るのですが、帰りの飛行機でふと思い出して中島みゆきさんのEAST ASIAを聞いてちと涙腺が緩む経験してしまったりなども。ほんといつまでもしなやかで折れない柳絮たりたいなあと。
— かわばた (@kawabata2019) September 4, 2019
アジアっぽい中島みゆきさんの曲って何があったかな?
ぱっと思いつくのは我が祖国は風の彼方とEAST ASIAだけど— 殺菌消毒 ✿ 分割民営化 (@Snusmumriken12) October 27, 2021
大きな力にいつも従わされても 私の心は笑っている
こんな力だけで心まで
縛れはしない中島みゆきさんの曲の一節。
本当にそうだなぁ、と心から納得🍀🌸— 藤田めぐる@🫧🌻(meguru_fujita) (@meguru_fujita) August 30, 2021
本人映像
『夜会VOL.4 金環蝕』
1992年上演。天文学と古典がクロスした斬新なストーリー。
天岩戸へと隠れてしまった天照大神と、それを舞いと歌で励まそうとするアメノウズメ。
加え、天体を観測する天文学者の3役を中島みゆきが演じている。
2007年のライブアルバム『中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-』の初回限定盤に、「歌旅」で歌われた『EAST ASIA』の映像DVDが特典としてついている。
『EAST ASIA』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『EAST ASIA』
1992年リリースのオリジナルアルバム。
- フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌『浅い眠り』
- 映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」の主題歌『誕生』
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』
- 不朽の名曲『糸』
を含む全9曲。
【収録曲】
『EAST ASIA』『やばい恋』『浅い眠り』『萩野原』『誕生』『此処じゃない何処かへ』『妹じゃあるまいし』『二隻の舟』『糸』
『歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-』
2007年に行われたコンサートツアーのライブアルバム。
【収録曲】
『御機嫌如何』『ホームにて』『あなたでなければ』『蕎麦屋』『EAST ASIA』『ボディ・トーク』『昔から雨が降ってくる』『ファイト!』『誕生』『本日、未熟者』『背広の下のロックンロール』『地上の星(ライブ・カラオケ・バージョン)』
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