1993年の中島みゆきのアルバム曲『あたし時々おもうの』
アマチュア時代に出場した音楽祭で受賞した曲を、約20年越しにセルフリメイクしリリース。
実は、中島みゆきのデビューより前に、人知れずレコード化されていたため、幻のデビュー曲とも言われている。
この記事は、
- 『あたし時々おもうの』は幻のデビュー曲
- 『あたし時々おもうの』でのプロデビューを辞退した理由
について書いてます!
中島みゆき『あたし時々おもうの』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 倉田信雄
幻のデビュー曲
全国フォーク音楽祭入賞曲
中島みゆきが、まだ藤女子大学に在籍していた1972年、ニッポン放送主催のコンテスト「全国フォーク音楽祭」に出場し、優秀賞を受賞している。
その時に歌った曲が『あたし時々おもうの』だった。
音楽祭がライブアルバムに
「全国フォーク音楽祭」の音源が、1972年にレコードリリースされている。
もちろん、初々しい中島みゆきの歌声も収められている。
中島みゆきのデビュー曲は公には『アザミ嬢のララバイ』とされているが、正確には、アマチュア時代に歌った『あたし時々おもうの』が先駆けてレコード化されているのである。
だが、このライブアルバムは、中島みゆき本人も持っていないくらい世に出回っていない代物。
それゆえ、幻のデビュー曲と言われている。
全国フォーク音楽祭の模様
ステージに登場した中島みゆきを、司会者が紹介している。
北海道の大学3年生で国文学を専攻しているということ。
練習は、放課後や、あるいは自主的に休校して体育館で行っているということetc.
その後、ギターの弾き語りによって、『あたし時々おもうの』が披露される。
1993年のアルバム『時代 -Time goes around-』に収録されているものよりも、激しく感情高ぶるように歌われている。
プロデビューを辞退
なぜ、辞退?
「全国フォーク音楽祭」で優秀賞を受賞した中島みゆきは、その際、業界からプロデビューの話を持ち掛けられていた。
だが、中島みゆきは、それを辞退したのである。
そこには、詩人・谷川俊太郎が大きく関わっている。
辞退の理由は谷川俊太郎の詩
「全国フォーク音楽祭」の1週間ほど前に、中島みゆきはある1篇の詩を受け取っていた。
この音楽祭では、与えられた課題詩に、自作の曲をつけて歌わなければならないのだ。
そして、中島みゆきが受け取ったのは、谷川俊太郎の詩だった。
『私が歌う理由(わけ)』というタイトルのその詩は、中島みゆきに衝撃を与えた。
私が歌うわけは
いっぴきの仔猫
(『私が歌う理由(わけ)』より)
歌う対象は、「いっぽんのけやき」や「立ちすくむひとりのこども」など、小さな存在へと向いていた。
「天狗になって舞い上がっていた自分が、詩を見た瞬間にガーンと「やられた」と思った」
後に、中島みゆきは、このようにこの時の心境を振り返っている。
また、1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューでは以下のように語っている。
「これまでライブやって大きなホールで歌っていい気になりレコードデビューという夢の頂点まできたとこで、一番下の所まで引き戻されてしまった」
「あの詩に出会わなかったら私の人生は違ってた」
「このままでは歌に失礼だ…」
そんな思いから、中島みゆきはプロデビューの誘いを断って、故郷北海道へと帰っていくのだった。
中島みゆきの人生を変えた谷川俊太郎
プロデビューの誘いを断って、帰郷した中島みゆきは、在籍していた北海道大学のフォーク研究会へ戻り、地道にライブ活動を始めている。
大学には谷川俊太郎についての論文を提出し、卒業。
その後は、実家の産婦人科の手伝いや、それ以外のバイトをこなす傍ら、コンテストに出場するなど音楽活動も続けていた。
だが、賞をもらっても以前のように浮かれることはなくなっていた。
谷川俊太郎の詩との出会いが、その後の中島みゆきの歌う姿勢を大きく変えていったということは言うまでもない。
『あたし時々おもうの』はこんな曲
命は、あっという間に過ぎていくもの。
年老いてしまった時、何が残るのか?
まだ前を見て生きていくことができるのか?
1人1人に訴えかけてくる曲だ。
若くなくなったあたしたちは
いったいどんな顔をして
行きかえばいいの
いったいどんな顔をして
(『あたし時々おもうの』より)
『あたし時々おもうの』のみんなの感想
中島みゆきさんお誕生日おめでとうございます🎊70歳!
「あたし時々おもうの
命はいったいどれだけ
どれだけのことを できるものかしら」
デビュー前のコンテストで、何者でもなかった彼女がそう歌ってから半世紀。数え切れない人生が彼女の歌に救われてきました。
今はただ感謝#中島みゆき誕生祭— masaya@💙💛🕊🐢 (@masaya_hr) February 22, 2022
録音してた今日の三昧聞いてるけど中島みゆきのあたし時々おもうの、すげえな。
— もうだめだ2022 (@type_43) February 11, 2021
「 あたし時々おもうの 命はいったいどれだけ
どれだけのことを できるものかしら 」
中島みゆきさんが二十歳でこんな詞を書けたとは、なんと素晴らしいことです。努力家で、色々挑戦してみたい人しか言えないことですね💪— Remi @無謀な夢に挑戦中 (@shizuka112) April 16, 2019
収録アルバム
『時代-Time goes around-』
1993年リリースのオリジナルアルバム。
- 1993年版『時代』
- 幻のデビュー曲と言われている『あたし時々おもうの』
- 工藤静香に提供した『慟哭』
を含む全11曲。
【収録曲】
『時代』『風の姿』『ローリング』『あどけない話』『夢見る勇気(ちから)』『あたし時々おもうの』『流浪の詩』『雨月の使者』『慟哭』『孤独の肖像1st.』『かもめの歌』
⇒『時代-Time goes around-』の解説&みんなの感想
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