1992年の中島みゆきのアルバム曲『二隻の舟』
1989年からスタートした言葉の実験劇場「夜会」のテーマソングとして書き下ろされ、毎回の「夜会」の中で必ずと言っていいほど歌われる曲だ。
この曲をテーマソングにするにあたって、中島みゆきなりの狙いがあったようだ。
インタビューを基に、みていこう。
この記事は、
- 『二隻の舟』を「夜会」のテーマソングにした狙い
- 『二隻の舟』に使われたX JAPANのYOSHIKIのクリスタル・ピアノ
- 2つのバージョンの『二隻の舟』
について書いてます!
中島みゆき『二隻の舟』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「夜会」のテーマソング
「夜会」で毎回歌われている
1989年からスタートした中島みゆきのライフワークともいえる言葉の実験劇場「夜会」。
『二隻の舟』は、「夜会」のテーマソングとして書き下ろされた。
ほとんどの「夜会」の中で、アレンジや歌唱を変えて歌われており、「夜会」の代名詞的な位置づけの曲だ。
例外的に、以下の「夜会」では『二隻の舟』が歌われなかった。
- 『夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン』
- 『夜会VOL.12 ウィンター・ガーデン』
- 『夜会VOL.15 〜夜物語〜元祖・今晩屋』
- 『夜会VOL.16 〜夜物語〜本家・今晩屋』
テーマソングにした理由
1992年「月刊カドカワ」11月号のインタビューで、『二隻の舟』について触れている。
当初から、「夜会」のステージに出るのは基本女性3人と決めていた。
女から男へという意味の二隻と、女同士で共鳴するという意味の二隻。
『二隻の舟』は、色んな対比にもあてはまる汎用性の高い曲として、中島みゆきは捉えている。
わたしたちは 二隻の舟
ひとつずつの そしてひとつの
(『二隻の舟』より)
この歌詞についても同じことが言える。
「どんなに離れててもワンペアというか、一隻なのね。もしかして最後はハッピーエンドかなとか、ちょっと可能性も見せておきたいじゃない」
2つのバージョンの『二隻の舟』
CDに収録された『二隻の舟』は、以下の2つのバージョンが存在する。
『二隻の舟』(アルバム『EAST ASIA』より)
1992年のアルバム『EAST ASIA』に収録されたバージョン。
「夜会」のメンバーを集め同時録音されたバージョンで、何回かテイクした中から一番良いものを選んだという。
1989年の最初の「夜会」に近い形だというが、「夜会」を進めていくうちに手直しした部分も加味されている。
『二隻の舟』(アルバム『10 WINGS』より)
1995年のアルバム『10 WINGS』に収録されたバージョン。
伴奏にどうしてもX JAPANのYOSHIKIが弾いているピアノの音が欲しくて、ロサンジェルスのYOSHIKIのスタジオで録音した。
伴奏に使われたのは、カワイ製クリスタル・ピアノ(CR-40A)。
文字通り、クリスタルのような透明なビジュアルのグランドピアノで、値段もクリスタル並みの600万円台。
その洗練された見かけだけでなく音も上質だ。
YOSHIKI曰く、自分の思った通りの音を奏でてくれるピアノらしい。
『二隻の舟』はこんな曲
1曲の中で、様々な表情を見せてくれる。
「おまえ」と「わたし」を象徴した二隻の舟。
たとえ離れ離れになったとしても、繋がっている絆の強さを描いている。
敢えなくわたしが波に砕ける日には
どこかでおまえの舟がかすかにきしむだろう
それだけのことでわたしは海をゆけるよ
たとえ舫い綱は切れて嵐に飲まれても
(『二隻の舟』より)
『二隻の舟』のみんなの感想
何度もつぶやいてるけど中島みゆきさんで親友ソングは二隻の舟です。これは異論もあるだろうけど絶対に譲らないぞ。
— 山本樹和@ルナブルー (@RufusYamamoto) November 30, 2021
中島みゆきの「二隻の舟」
当時は男女をイメージしてたけど、先日何十年ぶりかで聞いたら、親子関係をイメージして涙した。二隻というからには1対1だから意図として親子というのは無いわけで、私の勝手なイメージなんだけど。
「おまえと私は例えば二隻の舟 暗い海を渡ってゆくひとつひとつの舟」— 我妻あかね@リモートチームの働き方発信 (@akanewaga) September 11, 2021
久しぶりに中島みゆき「二隻の舟」を聴いた
いつも一隻は私、もう一隻は誰かを思い浮かべて聴いてしまう
この歌と「誕生」が 私にはみゆきさんの曲の中で一番プライベートに聴いてしまう曲だ— かぶさんとんだ (@kabusan_tonda) August 24, 2021
タイアップ映画
『霧の子午線』
1996年に公開された岩下志麻と吉永小百合主演の映画の主題歌に起用。
こちらは、アルバム『10WINGS』に収録されたバージョンが用いられている。
本人映像
『夜会1990』
1990年上演。初めて映像化された「夜会」作品。
様々なシチュエーションの中の様々な女の孤独にスポットライトが当てられている。
『二隻の舟』は「夜会」で毎回歌われている曲だが、フルコーラスで歌われているのは本作のみ。
『THE FILM of Nakajima Miyuki』
2000年リリースのPV集DVD。
「夜会」のハイライトシーンを集めた映像に重ねて、アルバム『10WINGS』に収録されたバージョンの『二隻の舟』が流れる。
【収録曲】
『トーキョー迷子』『夜を往け』『見返り美人』『黄砂に吹かれて』『おだやかな時代』『浅い眠り』『空と君のあいだに』『旅人のうた(2nd Version)』『たかが愛』『二隻の舟』『竹の歌』
⇒『THE FILM of Nakajima Miyuki』の解説&みんなの感想
カバーしたアーティスト
井上芳雄
ミュージカル俳優の井上芳雄は、2019年3月24日放送の「井上芳雄 by MYSELF」(TBSラジオ)の中で『二隻の舟』を歌っている。
井上は、2011年のクリスマスディナーショーでもこの曲を歌い、観客からはすすり泣きが聞こえていたという。
平原綾香
平原綾香は、2015年の「中島みゆきRESPECT LIVE『歌縁』(うたえにし)」に出演し、『二隻の舟』を歌っている。
平原は、MCの中で、中島みゆきファンが大切にしているこの曲を歌うことにプレッシャーがあったと語っている。
収録アルバム
『EAST ASIA』
1992年リリースのオリジナルアルバム。
- フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌『浅い眠り』
- 映画「奇跡の山 さよなら、名犬平治」の主題歌『誕生』
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』
- 不朽の名曲『糸』
を含む全9曲。
【収録曲】
『EAST ASIA』『やばい恋』『浅い眠り』『萩野原』『誕生』『此処じゃない何処かへ』『妹じゃあるまいし』『二隻の舟』『糸』
『10 WINGS』
1995年リリースのオリジナルアルバム。
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』のリメイク
- パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』のリメイク
- 世良公則とのデュエット『ふたりは』
を含む全10曲。
【収録曲】
『二隻の舟』『思い出させてあげる』『泣かないでアマテラス』『Maybe』『ふたりは』『DIAMOND CAGE』『I love him』『子守歌』『生きてゆくおまえ』『人待ち歌』
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