2006年の中島みゆきのアルバム曲『とろ』
「とろい」という言葉から生まれたこの曲名は、中島みゆきの幼少期のあだ名だ。
このあだ名のルーツを辿っていくと、中島みゆきがどういう子供だったのかが見えてくる。
「とろ」にまつわるエピソードをインタビューで語っているのでみていこう。
この記事は、
- 『とろ』は中島みゆきのあだ名だった
- 中島みゆきの幼少期のエピソード
- LAのミュージシャンが黙りこんだ歌唱法
について書いてます!
中島みゆき『とろ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「とろ」とは中島みゆきのあだ名だった
2006年の産経新聞東京朝刊のインタビューで、中島みゆきは、「とろ」のモデルが自分自身であることを明かしている。
「幼稚園から中学までずっと呼ばれていたあだ名です」
CDの英訳歌詞カードには、この曲のタイトルが「too slow」と訳されている。
つまり、「とろ」とは「とろい」という形容詞に由来したあだ名なのだ。
とろ、何とかならないか
考え考え日が暮れる
(『とろ』より)
不名誉なあだ名を曲にするというところに、中島みゆきの捨て身の覚悟が窺える。
「今回はストレート、飾りなしを念頭に置きましたので。今までだったら、「ちょっと恥ずかしくて出せません、縁談に差し支えるから」というのもかなぐり捨てた。いいのもう、って」
中島みゆきの幼少期のエピソード
何かやりたかったかなんて
今日も置き去りで24時
間に合わない宿題が
またひとつ積み上がる
(『とろ』より)
中島みゆきはそんなに「とろ」かったのか?
まだデビュー間もない1976年に出演したラジオ番組「ポプコンアウトアンドイン」で、中島みゆきは、自身の幼少期を振り返っている。
「幼稚園から帰ってきたときにね、角曲がって帰ってる姿が見えるところから家まで2時間かかるの」
家がすぐそこにあるという距離にありながら、そこから空を眺めたり、地面に転がってる石を見たりして、2時間かけてゆっくりと家へ帰っていくのだ。
「なんにも考えずに空を見てるからね。何かを考えると疲れるからね」
のんびりしたこの性格のおかげで、友達付き合いには苦労していたようだ。
どう声を掛けたらいいのか分からず、「また、断られたらどうしよう?」という不安の方が勝って、輪の中に入っていけなかったことがよくあったという。
こすぎじゅんいちの著書「魔女伝説 中島みゆき」(集英社文庫)の中で、中島みゆきの言葉が引用されている。
「小さい時から、何をしてもすごく遅いんですね。だから、急がないと、みんな先に行ってしまうという強迫観念がすごくあるんです」
この考えは、『とろ』の歌詞に反映されている。
間に合わないって気持ち
あなたにはわかるかい
追いつかないって気持ち
あなたにはわかるかい
(『とろ』より)
独特の歌唱法とアレンジ
幼い子が歌ったようなその歌唱法も『とろ』の魅力の1つ。
2007年「ダ・ヴィンチ」1月号のインタビューでは、レコーディング中、LAのミュージシャンが顎が外れるほど口を開けて驚いていたと語っている。
歌い終えた後、キーボード担当のジョン・ギルティンからは「新しい声をゲットしたんだね」と声を掛けられたという。
また、アレンジもユーモラス。
「ラジオ瀬尾さん」の中で、「「みんなのうた」(NHK教育)みたいでしょ?」と瀬尾一三が発言しているところから、その路線を狙ったサウンドであることが分かる。
瀬尾がこの一風変わった曲を初めてデモテープで聴いたとき、目がテンになったらしい。
だが、曲中に瀬尾一三のコーラスが入ったとき、今度は中島みゆきの目がテンになったという。
『とろ』はこんな曲
周りのペースに合わせられない自分の性格に悩む女の子。
微笑ましいほどユーモラスなタッチの仕上がりになっている。
間に合わない宿題が
またひとつ積み上がる
とろ、何とかならないか
考え考え日が暮れる
(『とろ』より)
『とろ』のみんなの感想
中島みゆきの「とろ」って曲、分かりやすい言葉だけを使った歌詞でワイの日常を歌ってるからめっちゃ聴きたくなる時と、受け止められなくて飛ばしたくなる時とで感情が綺麗に真っ二つに分かれる
— romuska (@ssromuska) May 17, 2022
中島みゆきのとろを聴いているがヤバ。私じゃん
— TPFに向けて早く寝るモチペン17🌏🐧 (@mocchirizoc) April 26, 2022
中島みゆきさんの「とろ」という曲、共感しかない
— くろ海 (@usb_cd_floppy) January 9, 2022
『とろ』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『ララバイSINGER』
2006年リリースのオリジナルアルバム。
- 岩崎宏美へ提供した『ただ・愛のためにだけ』
- TOKIOへ提供した『宙船(そらふね)』
- 華原朋美へ提供した『あのさよならにさよならを』
- 工藤静香へ提供した『Clāvis -鍵-』
- 幼少期の自分を歌った『とろ』
- デビューシングル『アザミ嬢のララバイ』へのオマージュ曲『ララバイSINGER』
を含む全12曲。
【収録曲】
『桜らららら』『ただ・愛のためにだけ』『宙船(そらふね)』『あのさよならにさよならを』『Clāvis -鍵-』『水』『あなたでなければ』『五月の陽ざし』『とろ』『お月さまほしい』『重き荷を負いて』『ララバイSINGER』
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