1998年11月23日放送の「筑紫哲也のニュース23」(TBS系)に中島みゆきが出演し、筑紫哲也と対談している。
「夜会」をスタートさせて10年という節目を迎え、その心境を語っている。
この記事は、
- 「夜会」10年目にして中島みゆきが思うこと
- 「夜会VOL.10 海嘯」について
について書いてます!
10年目を迎えた「夜会」
10年目の決断
みゆき「お久しぶりです」
1993年11月10日にも、中島みゆきは同番組に出演し、筑紫哲也と対談している。
面と向かってというのは久しぶりだが、筑紫は「夜会」に毎年足を運んで中島みゆきを遠くから見つめていた。
さて、「夜会」は、「夜会VOL.10 海嘯」を以って10年目を迎えた。
毎年恒例の風物詩だったが、10年目を機に、不定期公演にすることに決定したのだ。
みゆき「もうちょっと1作品に時間をかけながらゆっくり続けていきたいと思いまして」
全曲書き下ろしへとスタイルを変えた理由
初期の「夜会」は、すでに発表されていた楽曲を劇中に用いていた。
だが、1995年の「夜会VOL.7 2/2」以降、劇中の曲が全て「夜会」のために書き下ろされるようになった。
どういった狙いがあったのだろうか?
みゆき「結局、私がやりたかったことはコンサートなんじゃないかな」
未発表の曲をコンサートで歌えないものか?
それができる場が、この「夜会」だったのだ。
「夜会」は言葉の実験劇場
中島みゆきは、この「夜会」を舞台でもないコンサートでもない「言葉の実験劇場」という理念のもとに行ってきた。
10年を経て、その思いは深まる一方のようだ。
みゆき「会話の「言葉」ではできないのに、歌の「言葉」でできることは何なのか? 言葉を使えば使うほど伝わらなかったり、言葉を使わないのに伝わったり」
そんな空虚とも思える言葉に時に葛藤することもある。
みゆき「せっかく人間に与えられた言葉なら、「人間でよかった」と思える使い道を模索したいんです」
「夜会VOL.10 海嘯」について
「海嘯」の意味
海嘯(かいしょう)…「海鳴り」
みゆき「読めないとたくさんお問い合わせいただきました(笑)。海から聞こえてくる何の音ともつかない色んな声という意味でして」
「夜会VOL.10 海嘯」の音楽リハーサルの模様
番組のカメラは、「夜会VOL.10 海嘯」の音楽リハーサルの風景を追っていた。
みゆき「おはようございま~す!」
大きな声で挨拶し、スタジオ入りする中島みゆき。
大勢いるミュージシャンや役者らの中で、飛び抜けて明るい。
みゆき「〇〇ちゃん、今日おしゃれね」
リップサービスも怠らない。
「夜会」は日本でもトップクラスのミュージシャンがバック演奏を務めている。
夢はきっと叶う ひとつだけきっと叶う
そのために何もかも 失ってもかまわない
それほどまでの夢なら叶う
一生にひとつだけ
(『夢の代わりに』より)
リハーサルで歌う中島みゆきの貴重映像だ。
画面は切り替わり、カメラは会場となるシアターコクーンを映す。
ちょうどセットが組まれているところだ。
大掛かりなセットは、舞台の床を外すところから始まる。
「夜会」10年目にして中島みゆきが思うこと
歌以外の突破口
「夜会」を10年やってきて中島みゆきは、大きな変化を感じていた。
それは、「夜会」を通じて、色んな職業に携わる人たちと出会うことができるようになったということ。
これらの出会いのおかげで、歌の方で解決しなくても、各々の職種の視点から突破口を見出すことができるようになった。
散らかった楽屋
この10年、「夜会」の台本を書くために搔き集めてきた資料で楽屋が埋まっている状態だという。
これをどう整理しようと考えたとき、「整理するのは、あの世へ行ってからでいいや」と今は放棄している。
再び、「夜会VOL.10 海嘯」の音楽リハーサルの模様
シアターコクーンでの練習風景が映し出される。
観客席から舞台の芝居をチェックするのも、中島みゆきの大切な仕事だ。
「夜会」では、中島みゆきは、音楽だけでなく、脚本家、そして演出家として芝居にも注文をつけたりもする。
世の中の中島みゆきの解釈
世の中のインテリと言われる人々が、中島みゆきの歌詞を巡って様々な解釈をしている。
中島みゆきは、このことについてどう感じているのだろうか?
みゆき「へぇ、この曲にそんな意味がったのか!」
彼らの解釈は、中島みゆきにとっても意外な気づきだったりする。
筑紫哲也もまた、「どうしてこの女子(おなご)にこんなことが分かるんだ」と、中島みゆきの書く歌詞に圧倒されることがあるという。
みゆき「自分でもよく分かっていないんだと思います」
中島みゆきは、子供の頃から物事を考えるのが遅く、当意即妙型の人間に憧れていたという。
だが、筑紫は、中島みゆきが決して鈍感でないことを知っている。
アジアに目を向けなければならないと筑紫が思いついた時には、すでに中島みゆきは『EAST ASIA』の曲を発表していた。
時代の先を読む嗅覚にすぐれているから為せる業なのだ。
みゆき「いえいえ。どんなに時代が動いても、根本のとこで動かないもの、動いてはならないもの、なのに動いてしまうものを見るスピードしか自分にはないです」
動体視力はないが、定点観測が得意。
中島みゆきは、そう自分を分析する。
『夜会VOL.10 海嘯』
1998年上演。アメリカでレストランを経営する女は、命を懸けても果たしたい復讐があった。
その復讐のために日本行きの便に乗ったが、持病の結核が悪化し、ハワイへと緊急着陸。
収容された療養所の人々との交流を通して、自分の生き方を見つめ直していく。
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