1981年のアルバム曲『雪』
この曲は、中島みゆきが亡き父親のことを歌った曲だと言われている。
中島みゆきの父親がどんな人物だったのか、歌詞と照らし合わせながらみていこう。
また、この曲は、演歌歌手の坂本冬美によってカバーされているが、歌うまでにずいぶん葛藤があったようだ。
この記事は、
- 『雪』にみる中島みゆきの父親像
- 坂本冬美が『雪』を歌うまでの葛藤
について書いてます!
中島みゆき『雪』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 萩田光雄
『雪』にみる中島みゆきの父親像
『雪』は、中島みゆきが亡き父親を思い書いた曲だと言われている。
1977年に発表された『まつりばやし』に次ぐ父親ソング。
一体どんな父親だったのか、これまでのコンサートでのMCや書籍で明かされた父親像と照らし合わせながら歌詞をみていこう。
雪の季節に亡くなった父親
雪 気がつけばいつしか
なぜ こんな夜に降るの
いま あの人の命が
永い別れ 私に告げました
(『雪』より)
父親が倒れたのは、中島みゆきがレコードデビューを目前に控えた1975年の9月のこと。
脳溢血で昏睡状態に陥った父親は、そのまま意識が戻らず、年をまたいだ1月に息を引き取った。
「1978年・秋のツアー」の中で、中島みゆきはその日のことを語っている。
人前で泣くことが嫌だった中島みゆきは、父親が死んでも泣かなかった。
出棺する時も泣かず、雪降る中、火葬場から煙が上がっていくのをただ黙って見つめていたという。
父親の影響を強く受けた中島みゆき
あの人が教えるとおり
歩いてくはずだった私は
雪で足跡が見えない
立ちすくむ あなたを呼びながら
(『雪』より)
この歌詞にあるように、中島みゆきは父親の教えに強く影響されている。
「刀で切った傷は薬をつければ治せるけれど、言葉で切った傷は薬では治せないんだよ」
これは父親が幼少期の中島みゆきへ向けた言葉だ。
「言葉」を重んじてきた中島みゆきの歌のスタイルを見れば、この父親の言葉がいかに影響を与えてきたかが分かるだろう。
中島みゆきは、父親が亡くなった後も心の中で彼と対話していた。
著書「ジャパニーズ・スマイル」には、ふと父親の顔を思い出す瞬間があることが記述されている。
幼い頃の記憶を辿れば、産婦人科医の父親が帰宅後に見せる顔は様々だったという。
笑顔であることもあれば、不機嫌なときもあった。
幼心に、彼の胸の内を推し量ることはできなかったものの、大人になった今、その頃の父親の表情を、自分に重ねることがあるという。
帰宅したばかりの自分の顔が、あの時の父親みたいな顔をしているのではないか?
父親はこんな時どう思っていたのだろうか?
今もなお、かつての父親に教えを乞うのであった。
坂本冬美がカバー
2015年に開催された「中島みゆき RESPECT LIVE『歌縁』(うたえにし)」に坂本冬美が出演し、『雪』を歌った。
この曲を歌うに至ったいきさつを、2016年1月17日放送の「中島みゆき名曲集~豪華トリビュートライブ&貴重映像~」(NHK BSプレミアム)の中で語っている。
それは、ある1人のファンから送られたCDが始まりだった。
「ぜひ、坂本冬美に歌って欲しい」と渡された曲が、この『雪』だったのだ。
だが、坂本は初め気が乗らなかったという。
別れの辛さを経験してきた坂本にとって、この曲を歌うにはかなりの抵抗があったからだ。
だが、時間が少しずつ坂本の気持ちを変えていった。
「もう少し私が若かったら歌えなかったかもしれませんけど、ある程度歳も重ねてきて、いろんな別れも経験してきて、いい思い出として振り返ることができるそんな歳になったのかなって」
『雪』のみんなの感想
そういや、中島みゆきの「雪」、普通に恋人のことなのかと思ってたのに、父親のことだったというのはわりと衝撃だった。
— わんだ (@wondaba) January 6, 2022
雪が降っているので、中島みゆきさんの「雪」をぼそぼそ歌いながら家事をする。
テンション上がらないけど、雪が降ってるときは、この歌を歌ってきたから(笑)#中島みゆき#雪
— かしす (@dangomusimami) January 28, 2021
雪、中島みゆきさんのお歌悲しみの極みを唄われている、これを拝聴すると雪の深々と降る光景も相俟って悲しみの極みに達して深い悲しみを一緒に分かちあいたいそのように気持ちも気分になってくるような悲しみの深さを唄われていて辛さの中のお歌で悲しみと歌の素晴らしさ悲しく寂しさいっぱいのお声
— 渡邉 たかし (@mstmusashi2531) December 5, 2020
『雪』はこんな曲
命のはかなさを、すぐに解けてなくなる雪と重ねている。
大切な命を失った悲しみや後悔が、終盤、激しいうねりとなっていく。
あの人が旅立つ前に
私が投げつけたわがままは
いつかつぐなうはずでした
抱いたまま 消えてしまうなんて
(『雪』より)
本人映像
『夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』
1991年上演。中国の故事「邯鄲の夢」をモチーフに、クリスマスの夜に見た夢の中で、真実の愛に気づいていく女の姿が描かれている。
幼い子から老婆までを中島みゆき1人が演じている。
待ちわびた愛を手に入れることができず、歳だけとってしまった老婆の立場から『雪』が歌われている。
『雪』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『臨月』
1981年リリースのオリジナルアルバム。
- セールス40万枚のヒット曲『ひとり上手』
- 亡き父親を歌った『雪』
を含む全9曲。
【収録曲】
『あした天気になれ』『あなたが海を見ているうちに』『あわせ鏡』『ひとり上手』『雪』『バス通り』『友情』『成人世代』『夜曲』
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