1995年の中島みゆきのアルバム曲『生きてゆくおまえ』
映画音楽で流れてきそうな雄大なサウンドに乗せて歌われる10分54秒の超大作。
伴奏には60人以上のオーケストラが集められ、同時演奏されている。
ライブ感のあるレコーディングの様子がインタビューの中で語られた。
この記事は、
- 60人以上のオーケストラ編成で演奏された『生きてゆくおまえ』
- 『生きてゆくおまえ』の歌詞の内容は「夜会VOL.6 シャングリラ」の物語を反映
について書いてます!
中島みゆき『生きてゆくおまえ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 David Campbell
60人以上のオーケストラ編成で演奏
『生きてゆくおまえ』のレコーディングは、方々のコンサートのバンドマスターをかき集めた60人以上のオーケストラ編成で行われた。
1995年「FMSTATION」10月22日号のインタビューの中で、当時を振り返っている。
通常のスタジオでは60人以上を収容できないため、レコーディングはコロンビア映画の撮影所内にある映画サウンドトラックの録音スタジオで行われた。
スタジオ内にあるスクリーンには、通常、映画のシーンが映し出され、それに合わせてオーケストラが演奏できるようになっている。
だが、中島みゆきの場合、映すモノがなかったため、代わりに中島みゆきの顔が映し出された。
「そんなもん映さんでもいい!」と、本人はずいぶん当惑していたようだ。
この時のオーケストラの様子を、中島みゆきは以下のように述べている。
「息を吸うタイミングをちゃんと聴いてて、どう歌おうとしているかを聴いて、次の音を出す準備をしてる」
レコーディングは、歌と演奏の同時録音で行われた。
生の息づかいを聞きながら、それを演奏に反映させていくというのは、このレコーディングスタイルでなければ不可能。
「「こう息を吸った」ということは「次にこのタイミングで声を出すぞ」と感じて、60人が一気に弾くわけですから。波がゴーっと動いている感じでした」
なお、アメリカにおいてもこの同時録音というのは珍しいようだ。
1995年「GB」12月号のインタビューによると、ロサンゼルスのスタッフから「この形で録音できるシンガーは、フランク・シナトラくらいなものだ」と言われたという。
編曲はDavid Campbell
1989年以来、ほとんどの中島みゆきの楽曲編曲を手掛けているのは瀬尾一三だ。
だが、ストリングス編成の場合、David Campbellが編曲を手掛けることが多い。
『生きてゆくおまえ』もそのケースである。
1995年「FMSTATION」10月22日号のインタビューの中で、中島みゆきはDavid Campbellについて語っている。
David Campbellには、レコーディングの前に英訳した歌詞とデモテープが渡される。
歌詞の裏に込めた皮肉をもちゃんと読み取り、メロディのうねりや歌から、微妙な気持ちのニュアンスも感じ取ってくれるんだとか。
「夜会VOL.6 シャングリラ」の物語を反映
『生きてゆくおまえ』は、1994年に上演された「夜会VOL.6 シャングリラ」のために書き下ろされた曲だ。
でも私の腕の中おまえはやせていった
あんな悲しいことはない おまえが泣かなくなる
弱かった私のせい 飲ませる乳が出ない
ミルクに替える着物も尽きて
おまえが泣かなくなる
(『生きてゆくおまえ』より)
物語の種明かしを担う重要な曲ゆえに、ストーリー性が色濃く出ている。
『生きてゆくおまえ』はこんな曲
娘との思い出を懐かしく振り返りながら、これから生きてゆく娘の幸せを願う親の愛が描かれている。
きっと愛をみつけてよ
本当の愛をみつけてよ
生きてゆくおまえ
(『生きてゆくおまえ』より)
『生きてゆくおまえ』のみんなの感想
中島みゆきさんをシャッフルで聴いていたら、
生きてゆくおまえ、
が流れた
みゆきさんにこの曲のタイトルで祝われた気がして嬉しい。
今日は俺の誕生日
— あらま🌙ことなり (@miara0511) May 10, 2021
( ‘ω’ )中島みゆきさんの「生きてゆくおまえ」をスピーカーから出してるけどヤバイ、涙腺決壊しそう
— まりも (@146t) August 25, 2013
夜会VOL.6「シャングリラ」を観る。他の夜会作品でも感じたが最後が良い。最後の最後にいつも圧倒される。メンバー紹介もおしゃれ。会場をあとにするお客さんが帰り道に脳内でリフレインする曲を意識して構成されているかのよう。スタンドマイクの前で「生きてゆくおまえ」を再び歌って止めを刺した。
— kawaitomoko (@kawaitomoko54) June 4, 2018
本人映像
『夜会VOL.6 シャングリラ』
1994年上演。母親を騙し大富豪のもとへ嫁いでいった女の居所を突き止めたメイ。
メイドを装い女が暮らすシャングリラへと乗り込んでいく。
「夜会」初の完全オリジナルストーリー。
『生きてゆくおまえ』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『10 WINGS』
1995年リリースのオリジナルアルバム。
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』のリメイク
- パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』のリメイク
- 世良公則とのデュエット『ふたりは』
を含む全10曲。
【収録曲】
『二隻の舟』『思い出させてあげる』『泣かないでアマテラス』『Maybe』『ふたりは』『DIAMOND CAGE』『I love him』『子守歌』『生きてゆくおまえ』『人待ち歌』
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