1980年の中島みゆきのアルバム曲『エレーン』
この曲は、中島みゆきが実際に出逢った娼婦をモデルにして書かれた曲である。
コンサートでの発言や、この娼婦をモデルにして書き下ろした小説をもとに、中島みゆきとこの娼婦の関係に迫ってみたい。
この記事は、
- 『エレーン』に登場する娼婦と中島みゆきの関係
- 『エレーン』を聴いてしまった倉本聰と谷山浩子
について書いてます!
中島みゆき『エレーン』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
「エレーン」は中島みゆきが出逢った娼婦
1987年のコンサートツアー「Tour Special SUPPIN VOL.1」の中で、『エレーン』が実話を基に作られた曲であることを明かした。
これについては、中島みゆきの著書「女歌」(新潮社)の「街の女」というエピソードの中でも描かれている。
外国人が多く住むマンションで暮らしていた中島みゆきは、酔っ払いに絡まれている外国人女性を救ってあげたことがきっかけで、彼女と交流するようになる。
外国人女性の名は、ヘレン。
『エレーン』のモデルだ。
だが、ある日、ヘレンは何者かによって殺害され、裸の状態でゴミ捨て場に遺棄された。
「女歌」の中では、
- 「顔面を殴り潰されている」
- 「人工妊娠中絶の経験があり」
- 「顔に整形の跡」
という生々しい記述がある。
この事件は、新聞に数行書かれたのみで、警察の調べも空しく迷宮入りとなってしまった。
歌詞に出てくる「ドレス」とは?
風にとけてったおまえが残していったものといえば
おそらく誰も着そうにもない
安い生地のドレスが鞄にひとつと
(『エレーン』より)
歌詞の中にある「ドレス」は、「女歌」(新潮社)の中にも登場している。
ヘレンが、中島みゆきに自分のドレスを勧めるくだりがある。
「自分には似合わない」とやんわり断ったそのドレスが、ヘレンの死後、売り物にならないまがい物だと明らかになる。
『夜会VOL.8 問う女』のモチーフ?
『エレーン』にまつわるこの実話は、『夜会VOL.8 問う女』のモチーフにもなったのではないかと、一部のファンの間で囁かれている。
『夜会VOL.8 問う女』は、地方のアナウンサーが1人の外国人娼婦との出会いを通して、言葉の大切さに気づいていくストーリー。
「女歌」(新潮社)では、ヘレンが中島みゆきの「みゆき」を「みゅ」と発音し、中島みゆきに正されるくだりがあるが、『夜会VOL.8 問う女』にも似たシーンがある。
娼婦が、アナウンサーの名前である「まりあ」を「まり」と発音し、やはりここでも正されるのだ。
『エレーン』にしんどい思いをした倉本聰
とあるテレビ番組に出演した脚本家・倉本聰が、富良野の冬の厳しさからうつ病を発症したエピソードを語っている。
この頃、倉本のもとへ届けられたのが中島みゆきの新作の曲。
曲のタイトルは明かさなかったものの、「生きていてもいいですか~」という歌詞があり、よけいメンタルに追い打ちかけられたと笑い話にしている。
どうやら、『エレーン』の以下の歌詞のことを言っているようだ。
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから 誰も問えない
(『エレーン』より)
『エレーン』に泣かされた谷山浩子
中島みゆきと古くからの友人である谷山浩子。
ヤマハミュージック発行のフリーペーパーの「心に響くこの1曲」のコーナーで、谷山は『エレーン』を挙げ、以下のようにコメントしている。
「若い頃、この歌は、何度きいても必ず同じところでボロ泣きできる歌でした。引き出しの裏から小銭が出てくるところ」
『エレーン』はこんな曲
遺品から、亡くなったエレーンの淋しい気持ちに思いを馳せる。
エレーンの死は、生きることが何なのかを、自らへ問うきっかけを作った。
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから 誰も問えない
(『エレーン』より)
『エレーン』のみんなの感想
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから 誰も問えない中島みゆきの「エレーン」のサビ。
最近、この歌詞の意味について深く考える…。🤔— 籠り人 (@1eXLQVicacJO4cY) February 17, 2021
中島みゆきのエレーン…自分は女性でも、日本人から見た外国人でも、娼婦でもないけど…とてつもなく胸をえぐられるような気がするのは何故か…。
— たこ (@katamichihell) January 20, 2021
今ふと思ったけど、中島みゆきの衝撃曲「エレーン」もシャンソンを意識して作られた曲ではないのかな、今まで思ったことなかったけど。 #musicj
— アンパンマン号 (@daisensei2) November 11, 2021
本人映像
『夜会VOL.4 金環蝕』
1992年上演。天文学と古典がクロスした斬新なストーリー。
天岩戸へと隠れてしまった天照大神と、それを舞いと歌で励まそうとするアメノウズメ。
加え、天体を観測する天文学者の3役を中島みゆきが演じている。
『エレーン』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『生きていてもいいですか』
1980年リリースのオリジナルアルバム。
- 伝説の最恐ソング『うらみ・ます』
- 写真家の田村仁がモデルになった『蕎麦屋』
- 中島みゆきが出会った娼婦がモデルになった『エレーン』
を含む全8曲。
【収録曲】
『うらみ・ます』『泣きたい夜に』『キツネ狩りの歌』『蕎麦屋』『船を出すのなら九月』『(無題)』『エレーン』『異国』
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