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中島みゆきの転換期となったアルバム『グッバイガール』|曲解説&みんなの感想

グッバイ

1988年11月16日に発売された16作目のオリジナルアルバム
『グッバイガール』
についてみていこう。

アルバム『グッバイガール』の特徴

 

アルバム『グッバイガール』(レコチョク試聴あり)

瀬尾一三と組んで初めて生まれたアルバム

1980年代半ばから中島みゆきは新たな音楽の可能性を模索し始める。

この時期のことを後に中島みゆきは「御乱心の時代」と呼んだが、瀬尾一三と出会い、方向性が定まったことにより、この時代は終焉を迎える。

瀬尾一三と初めてタッグを組んで生み出されたのがこの『グッバイガール』であり、中島みゆきの新たな出発点となったアルバムである。

このアルバムに先だって1988年10月21日に発売されたシングル『涙 -Made in tears-』の編曲を瀬尾一三が手がけるが、この出来が素晴らしかったため、ついでにアルバムもどうですか?という話へ転がったという。

素人の耳で聴いても、このアルバムから中島みゆきの音楽が変わったことが体感できるだろう。

『グッバイガール』は入っていない

『グッバイガール』という曲が1989年3月15日に発売されたシングル『あした』のB面に収録されているが、このアルバムの中には入っていない。

このアルバムを制作中の段階ではすでに『グッバイガール』という曲はあったという。

アルバム『グッバイガール』のみんなの感想

曲解説

『野ウサギのように』

『野ウサギのように』(レコチョク試聴あり)

アルバム発売の翌年の1989年春のツアータイトル曲。

1995年から全て歌われる曲がオリジナルで揃えられてずいぶん久しかったが、2019年の『夜会VOL.20 リトル・トーキョー』の中で実に25年ぶりに歌われた既存曲がこの『野ウサギのように』だ。

夏には茶色だった毛が冬は白く変わるという野兎の特性を活かした曲になっている。

編曲を手がけた瀬尾一三もバックコーラスで参加している。

歌詞解釈

男の甘いコトバにすぐにほだされてしまう女。

男におだてられれば髪の毛の色もすぐに変えてしまい、まるで野ウサギのよう。

「思いも寄らぬ女になって
 変わったねって 哄われるだけ」

その気もないコトバを真に受けて痛い目に合う性分なのか。

『ふらふら』

『ふらふら』(レコチョク試聴あり)

中島みゆき曰く飲んだくれ3部作の1つ。

ちなみにこの3部作の他の曲は『テキーラを飲みほして』『生まれた時から』

歌詞解釈

好きな男がお気に入りの隠れ家だというバーにやってきて待ち伏せするも男はいつまで経っても現れない。

周りの客は事情を知っているらしく、男は来ないよと1人が教えてあげる。

だが女は、「大きなお世話」と飲んだくれるのである。

『MEGAMI』

『MEGAMI』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきが1994~1997年までDJを務めた「中島みゆき お時間拝借」(TOKYO FM)。

ナレーションを務めていた(中島みゆき曰く「仕草だけ田村正和」の)大橋俊夫アナウンサーがお気に入りだった曲で、番組内でリクエストしたこともあった。

疲れた心に沁みる優しい歌声である。

歌詞解釈

「苦いグラスに溺れてるおまえを
 今夜もひとりひろってゆこう」

『ふらふら』といい後で紹介する『涙 -Made in tears-』といい、やけに悲しい酒が登場するこのアルバムだが、こちらの曲はちゃんとその悲しみを抱きとめてくれる受け皿がある。

「MEGAMI 受け入れる性
 MEGAMI 暖める性
 みかえり無用の 笑みをあげよう」

『気にしないで』

『気にしないで』(レコチョク試聴あり)

突然、恋敵の女が自分ちに乗り込んできて、男の居場所を問われるという実に苦いシチュエーション。

表と裏の気持ちをサウンドや声色を変えて歌い分けているところを聴くと、中島みゆきと瀬尾一三が、もうこの頃から息がピッタリ合っていたと感じざるを得ない。

歌詞解釈

恋敵の女がとつぜん自分の部屋に乗り込んで来たら冷静でいられなくなりそうだが、この歌の主人公の女は違う。

男を取り返しにきた女を優しくなだめる。

「気にしないで待ってなさいな
 こんなところへ来るものじゃないわ
 ここはあの人の愛の巣じゃない」

もう男の気持ちは自分にはない悟っている。

諦めの境地に至ると人は恋敵にすら優しくなれるのだろうか。

『十二月』

『十二月』(レコチョク試聴あり)

あまりにも描写が過激だとレコード会社に言われて歌詞の変更を余儀なくされた曲。

問題部分である2番の歌詞が省略された形で収録された。
この2番の歌詞は、後にコンサートや夜会の中でひそかに歌われている。

だが、この2番を抜きにしたとしても歌詞はのっけから「自殺する若い女が―」とパンチが効いている。

12月に置き去りにされた女性の孤独を描いたこの曲を異色のクリスマスソングと捉える人もいる。

とはいえ、12月にうっかり聴くべき曲ではないかも。

歌詞解釈

この歌はクリスマスという特別な日に実は愛されていなかったと気づいてしまう女が描かれている。

クリスマスやら大晦日やら楽しいイベントばかりの12月であるが、切りとり方次第では、

「何万人の女たちが あたしはちがうと思いながら
 何万人の女たちと 同じと気がついてしまう月」

なのだ。

救急車
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『たとえ世界が空から落ちても』

『たとえ世界が空から落ちても』(レコチョク試聴あり)

イントロから世紀末感が漂う。

しかし、世界が空から落ちるという発想はどうやって生まれるのだろう。

歌詞解釈

やさしくされるならば、どんなことだってするし、嘘つきだろうと殺し屋だろうと好き。

愛には、そんな風に言わしめてしまう魔力がある。

「たとえ世界が空から落ちても
 あたしは あの人をかばう」

ものすごい覚悟である。

『愛よりも』

『愛よりも』(レコチョク試聴あり)

哀愁漂う歌謡曲のような曲調で、歌う世界もまた退廃的。

「傷をつけなさい 春を売りなさい」

この曲もまた過激なコトバがちょくちょく出てきて、中島みゆきの尖った一面が顔を覗かせている。

歌詞解釈

まるで、前曲『たとえ世界が空から落ちても』のアンチテーゼのような曲。

「人よ信じるな けして信じるな」

形のない愛について懐疑的であれと歌っている。

でなければ、行き着く先は破滅。

「愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われて
 愛さえも夢さえも 粉々になるよ」

『涙 -Made in tears-』

『涙 -Made in tears-』(レコチョク試聴あり)

前川清に提供された曲のセルフカバー。

前川清の方は『涙』というタイトルで1988年2月21日にリリースしているが、その8カ月後に中島みゆきもこの曲をシングルリリースしている。

瀬尾一三との初タッグ作品。

歌詞解釈

女がけばい茶店の隅っこでシェリーを飲みながら男のことを思っている。

失恋の歌であるが、主人公の女は、

「男運は 悪くなかった
 あんないい人 いやしないもの」

と男と出会ったことを幸運だったと振り返っている。

恋の終りはこういう心持ちでありたい。

涙
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『吹雪』

『吹雪』(レコチョク試聴あり)

この曲は原発の反対運動がモチーフになった曲。

中島みゆきが育った故郷の北海道の岩内町からは湾越しに原発が建設され、岩内町でも反対運動が起きた。

歌詞解釈

抽象的な歌詞が多いが、

「恐ろしいものの形を ノートに描いてみなさい
 そこに描けないものが 君たちを殺すだろう」

ところどころで放射能のコトを言っているかのようにも取れる。

反対運動は声があがっているうちはいいが、それが一過性のブームに終わってしまう危険があるとこの歌は警告している。

「疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて
 静かになる火が来たら 予定どおりに雪が降る」

吹雪
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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。