アルバム

中島みゆきのアルバム『相聞』の全曲解説&みんなの感想

月

2017年11月22日に発売された42作目のオリジナルアルバム
『相聞』
をみていこう。

『相聞』の特徴

 

『相聞』(レコチョク試聴あり)

2017年放送のテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」の主題歌『慕情』を中心にして生まれたアルバム。

中島みゆきによると、『慕情』のためのアルバム」であり、『慕情』を書き始める時にはもうすでに収録曲の構想はできあがっていたという。

タイトルの「相聞」は「慕情」と同じ「恋心」を意味するのだそう。

『相聞』のみんなの感想

曲解説

『秘密の花園』

『秘密の花園』(レコチョク試聴あり)

2017年11月12日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン月イチ」の中でこの曲について、

「ライブで歌えないかもしんない」

と語っている。

「秘密の花園」というタイトルが示すように不思議な森で道に迷ってしまったような世界を演出するために、レコーディング時は演奏前のカウントに合わせないように敢えて出だしを歌ったという。

その結果、ミュージシャンが混乱。

「歌聴いたらダメよ」

と、中島みゆきが異例の注文をすることに。

中島みゆき曰く、「拍に合わせて聞くと実に気持ち悪い歌」とのこと。

歌詞解釈

花園全体が示し合わせて秘密を共有している。

エコーの効いた中島みゆきの歌声がさらに秘密を深めている。

「美しい風たちと 美しい水たちと
 秘密が秘密に そっと寄り添って
 もの言わぬ森たちと もの言わぬ空たちと
 そこでは時計が黙り込んでいる」

『小春日和』

『小春日和』(レコチョク試聴あり)

日本酒が合いそうな和風な曲。

しみじみとした語り口が、情感に訴えてくる。

「小春日和」とは11月から12月にかけての、春を思わせ穏やかな陽気のこと。

春と見せかけようとする暖かさを「嘘のぬくもり」とみている。

歌詞解釈

心が冬へ入っていく前に、小春日和の中でつかの間、一息つこうとしている。

嘘のぬくもりで暖をとろうとする主人公の寂しさが伝わってくる。

「二度と誰をも泣かせない 誓うために訪ねて来ただけよ
 小春日和を探しています 小春日和を探しています
 嘘のぬくもり探しています」

『マンハッタン ナイト ライン』

『マンハッタン ナイト ライン』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきが仕事で何度も行っているところだという。

こちらは、先ほどの『小春日和』とは打って変わって都会的な洗練されたサウンドとメロディ。

歌詞解釈

人で賑わうマンハッタン。

活気ある街ではあるが、先へ先へと急ぎすぎるあまり、油断すると置いてけぼりをくらってしまう。

実は孤独を感じやすい街なのだ。

「マンハッタンナイトライン マンハッタンナイトライン
 あの人がいないなら意味がない
 マンハッタンナイトライン マンハッタンナイトライン
 置き去りの夜景にくるまっても」

『人生の素人(しろうと)』

『人生の素人(しろうと)』(レコチョク試聴あり)

テレビ朝日系「やすらぎの郷」には『慕情』『人生の素人(しろうと)』の両方を差出し、どちらを使うかは脚本家倉本聰に委ねた。

その結果、こちらの曲は劇中歌として使われた。

「こんな場面で使われるのか」と、中島みゆきもビックリしていたようだ。

今回のCDにも英訳の歌詞カードがつけられているが、この曲の中にある「いつか旅立つ日のために」という歌詞は、納得いくまでディスカッションが重ねられたようだ。

いつか旅立つ、どこへ旅立つ、行って帰る旅なのか、戻ってくる旅なのか、戻ってこない旅なのか。

その結果、「departure」という英訳へ行きついた。

「出発」という意味である。

歌詞解釈

これから先の人生へ踏み出すには過去の思い出は必要か?

ドラマの内容に重ねると、また深い味わいがある。

いくつになっても我々は人生の素人なのだ。

「思い出は要(い)りますか 思い出は要(い)りませんか
 いつか旅立つ日のために
 憧れは要(い)りますか 憧れは要(い)りませんか
 いつか旅立つ日のために
 皆、 人生は素人(しろうと)につき」

『移動性低気圧』

『移動性低気圧』(レコチョク試聴あり)

なんだか大瀧詠一のサウンドを思わせる懐かしく爽やかなサウンドとメロディ。

「ワシらの世代の恋歌ですからね」

と中島みゆきは語っているが、もちろんそんなことなく、若い世代もくすぐられること間違いない。

「わからん」ってとこがカワイイ。

歌詞解釈

この曲では、女は低気圧で男は高気圧だという。

違う2つであるが、切ない恋を抱いているということに関しては共通している。

「女の心は低気圧 予測のつかない低気圧
 予測がつくのは 昨日(きのう)へ戻れないことだけ」

『月の夜に』

『月の夜に』(レコチョク試聴あり)

一転して渋い曲。

中島みゆきの描く夜は実に美しい。

静寂の闇に、月、水面を上品に配しているところなんか、日本人の美的センスに訴えかけてくる情景だ。

抽象的な歌詞ではあるが、瀬尾一三とのディスカッションでは、月がどこにあるかという具体的な情景が伝えられたという。

「前方にあって下に海が広がっていて、そこに道が映ってる、見えた?とか(笑)」

歌詞解釈

抽象的な歌詞なためにいかようにも取れるのであるが、

「朝になれば あの人は何もかも元のとおり
 私を知らぬ人になり 穏(おだ)やかに暮らすだろう」

という歌詞について、中島みゆきは田家秀樹との対談でこのように語っている。

「これは“私”と出会う前の生活ということですね。
 私なんかと出会わなきゃ良かったのにね、私を知らぬ人になる。
 家出する時に、私を忘れてください、と言って去るわけです」

『ねこちぐら』

『ねこちぐら』(レコチョク試聴あり)

「ねこちぐら」とはいったい何なのか?

2017年11月12日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン月イチ」の中で、中島みゆきがこのねこちぐらについて詳しく説明している。

「藁で編んだ入口のとこがチビっと開いてるコタツのちっちゃいのみたいな。
 あれ評判いいらしいですよ。
 作る人がたくさんいないので、予約製作販売なんですけども、順番待ちなんですって」

予想以上にねこちぐら通であった。

この猫をあやすような優しい歌声にも注目してほしい。

歌詞解釈

「ねこちぐら」という間の抜けたような響きに騙されてはいけない。

ねこちぐらに入ってしまったきり出てこない猫、それをどうすることもできないでいる主人公の、通い合わない気持ちがなんとも切ない。

「気まぐれだから 忘れんぼだから
 かまわないでおいて 何もいらない
 ねこちぐらに入ったまま
 私の心 出て来なくなった」

『アリア -Air-』

『アリア -Air-』(レコチョク試聴あり)

平原綾香に提供した楽曲。

レコーディングにも同席した中島みゆきだが、平原綾香の圧倒的な歌唱力に彼女の歌い方をそのまま尊重して、委ねたという。

歌詞解釈

「アリア」とは1人で独唱するパートであるが、それであっても、1人で歌うだけでは歌は成立することはなく、誰かの耳に届いたときに初めて生まれるのだ。

この曲もまた、アルバムのテーマである「相聞」を色濃く反映していると中島みゆきは語る。

「1人では歌は歌えない 受けとめられて産まれる
 響きあう波を探して
 アリア 人は誰も 自由になりたかった」

波
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『希(ねが)い』

『希(ねが)い』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきによると、この曲はこのアルバムの中の「闇鍋」という位置づけらしい。

「強く希えば叶(かな)うだなんて 子供に嘘はいけませんね」

という歌詞は、強く願えば夢は叶うと子どもへ教えがちな社会からの反感を覚悟したという。

レコーディングでは、最初、ゆったりと平和的な伴奏であったが、「切羽詰まってください」という指示で、このような激しいタッチの曲に仕上がった。

歌詞解釈

世の中、欲にまみれた希(ねが)いばかりが叶っていく。

叶うことなく留まっている多くのささやかな希いに、慈愛の目を向けている。

「ねがい」という甘い響きのコトバであるが、その裏にある容赦ない現実をあからさまにしている。

「希いよ届け あの人の希い
 私のすべての希いと引き替えに
 希いよ届け あの人の希い
 私のすべての未来と引き替えにただひとつ」

『慕情』

『慕情』(レコチョク試聴あり)

今回のこのアルバムはこの曲から組み立てられていった。

『慕情』は2017年に放送されたテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」の主題歌として中島みゆきが書き下ろした曲。

中島みゆきは、全てのドラマの台本に目を通し、どの展開においても合う形の曲に仕上がった。

週間オリコンチャート8位を記録した。

歌詞解釈

生活に追われて一番大切なことを後回しにしがちなのは、長い連れ添う夫婦にはありうることなのかもしれない。

出会いから、死別、その後1人を生きる時間など、人生について色々思わせてくれる曲だ。

「生き残る歳月 ひとりで歩けるかな
 生き残らない歳月 ひとりで歩けるかな」

「もいちどはじめから もしもあなたと歩きだせるなら
 もいちどはじめから ただあなたに尽くしたい」

慕情
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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。