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中島みゆきにとってのコンサートとは?|1986年6月13日NHK-FM「サウンド・ストリート」放送分

夏休み

1986年6月13日にNHK-FMで放送された「サウンド・ストリート」に中島みゆきがゲスト出演していたので、その模様をまとめてみた。

なぜか恨み節の中島みゆき

冒頭1曲目は、『ホームにて』

『ホームにて』(レコチョク試聴あり)

司会は音楽評論家の平山雄一

平山「こんばんわ」

みゆき「こんばんわ。
どうして私なの?
中島です」

中島みゆきの口調がどうも恨み節。

13日の金曜日という不吉な日に、この番組へ招待されたことが不満のようだ。

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1986年のコンサートについて

中島みゆきは、この年の6月2日に全国ツアー「五番目の季節」を終えたばかりだが、平山雄一は、このコンサートに5回ほど足を運んだらしく、音楽評論家として「歌に入りやすいコンサートだった」と評した。

平山「ツアーの組み立てについて、なにか心境の変化があったんですか?」

みゆき「中島みゆきのコンサートっていうとギター1本でスポットライト1本で『うらみ・ます』歌ってりゃそれで充分ってのがあるでしょ?(笑)
それが中島みゆきのコンサートなんだって観る前からお客さんが準備して来るようになった時代があったワケよね。
それもいいんだけどね、1つの安定したやり方だから。
それを観たいと思ってくるお客さんがいれば、こっちもやりやすいから。
でも、それってお互いに分かり切ってる約束の上での出来事みたいなもんでしょ?
それを崩すって方向を1つやってみたかったんだよね」

この時期、中島みゆきは音楽の方向性を模索するいわゆる「御乱心の時代」の只中にいた。

コンサートの場においてもその試みが行われていたのである。

ツアーの最後を沖縄で迎えた中島みゆきだったが、6月2日のこの公演を終えて夏休みに入ったのかと思いきや、どうやらレコーディングの仕事が残っていてそれどころではなかったようだ。

平山「泳いだりはしてきたんですか?」

みゆき「泳げないの」

6月2日と言えば沖縄は梅雨の時期だが、ちょうど中島みゆきが滞在していたときは空梅雨だった。

爽やかな風を満喫したようだ。

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『あたいの夏休み』について

つづいてかけた曲は、当時のニューシングル『あたいの夏休み』

『あたいの夏休み』(レコチョク試聴あり)

平山には、この独特のメロディに具体性を伴ったキツい歌詞という組み合わせが斬新だったようだ。

みゆき「これ、そのうちLPに入れようかと思ってた曲だったんだけどね。
スティービーさんが来た時に、「もうひとつノリのいい曲やろうか」って話になって、「じゃこんなのやろうか」と、その時に録ったんだよね。
そのうちLPにって思ってたんだけど、なんやかんや足したりとかあちゃこちゃやってた時に、「シングルにしちゃおっか」ってことになってね」

スティービーとは、世界的に有名なスティービー・ワンダーのことである。

中島みゆきが1985年にリリースした『つめたい別れ』では、このスティービー・ワンダーが飛び入りでハーモニカ―を吹いたのだった。

そして、つづくこの『あたいの夏休み』にもシンセサイザーとして参加している。

平山曰く、たいてい尖った曲というのはLPには入れやすいがシングルには出しにくいという傾向がある。

その点、今回のシングルリリースは平山の目には思い切ったように映る。

みゆき「いわゆる夏の曲ってここ数年のパターンってのがあるでしょ?
「夏だわ~」っていう(笑)
ああいう夏じゃなくたっていいんじゃないかなって。
鬱陶しい夏なら任せて。
爽やかだけが夏じゃないぞってね(笑)」

「短パンを穿いた付け焼刃レディたちが
 腕を組んでチンピラにぶらさがって歩く
 ここは別荘地 盛り場じゃないのよと
 レースのカーテンの陰 囁く声」
(『あたいの夏休み』より)

平山「浮ついて夏休みを過ごしている女の子たちを責めてるワケじゃないんだよね、この歌詞をみるとね」

みゆき「女の子たちのことじゃなくて、それは、彼女たちのことでもあり私のことでもあるから、一概に責められないけど、一概に他人事として無視もできないっていう。
昔思ってたのはね、自分の「幸福」ってのは何だろうなって考えたときにね、「他人のことは知らん、自分が嬉しいと思える」ってことが幸せだと思ったんですよね。
また別な時には、自分の幸せって何だろうって思ったら、「他人が不幸になることだ」と思ったのね。
今思ってんのはね、自分の幸福ってのは、「他人が幸福なこと」だと思ってる。
他人の幸福を幸福と思えることが一番の幸福だと今自分は思っているワケね。
そりゃ簡単には思えないよ。
私、ものすごい嫉妬深いしね。
ともすれば他人の幸福の方がよっぽど幸福に思える時もいっぱいあるけど、それを自分の幸福に思えるってのは何なのかなって。
意志の力だけで持ってこうってするときはまだ幸福じゃないんだろうね。
まだ完璧にそこまで行けるわけじゃないからね、そのへんで揺れちゃったりするじゃない?
だから、こういう屈折した夏休みになっちゃうんだなコレが(笑)」

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中島みゆきがコンサートをやる理由

中島みゆきは時々、自分がなんでコンサートをやっているのだろうと考える時があるらしい。

月給制なので、コンサートをやったからといって特別に中島みゆきの懐に金が入るワケじゃない。

それに加え、精神的なプレッシャー、肉体的疲労、そのような負の要素を背負いつつもなぜ自分はコンサートをやっているのか?

その疑問を突き詰めて考えていったとき、出てきた答えはこうだった、

みゆき「お客さまに楽しんでもらうとかね、そういう精神はないのね私。
ただね、真剣勝負したいのね。
道場荒しに似てる気分ね(笑)
自分は師範になったから模範技を見せてあげるためにみんなのところに人集めて行くんですよってワケじゃないし。
もしかしたら向こうでメッタ斬りになるかもしんないけど、お客さんも真剣持ってくるんだろうから、こっちも真剣磨いていくっていう、他流試合をしに行くんだなと思うのね」

コンサートをやらなければ堕落する。

それは面白さとか楽しさとはまた別のやりがいがあるようだ。

ラストは『月の赤ん坊』

ここで平山が最近中島みゆきのLPで聴いて衝撃を受けたという曲、『月の赤ん坊』をかけることに。

いつかライブで聴いてみたいという平山に対し、中島みゆきはその難しさを語る。

みゆき「いや~できるかなぁ。
あれ力いっぱい歌ったらヤダもんね。
コンサートだったらつい力入っちゃうもん」

どうやら2人の会話を聞くと、『月の赤ん坊』はデモテープの時点ではだいぶ印象の違う曲だったようだ。

アルバムには採用されなかったデモテープでの歌い方を、コンサートで聴けるかもしれない。

平山はそんなことを期待しているのだ。

平山「すごく不思議な曲でね、優しさとか強さとか暗いとかそんなもんでは語れない中島みゆきを発見した曲です」

ということで、

『月の赤ん坊』(レコチョク試聴あり)

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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。