ラジオ

中島みゆきと沢田研二の対談(「中島みゆきのオールナイトニッポン」1986年6月23日放送分)

金のシャチホコ

1986年6月23日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」沢田研二がゲスト出演した。

その模様をかいつまんでまとめてみた。

中島みゆきのクセとは?

上柳昌彦のフリートークの中で出た「みゆきさんクセとかあんのかな?」という疑問に自身のクセについて語る中島みゆき。

みゆき「椅子に座ったときなんかね、膝から下をぷらぷらさせてんのはありますね」

沢田研二、入場!

沢田研二を迎え入れる前に、まず沢田が所属するレコード会社TOSHIBAから同行してきた付き人の紹介をする。

みゆき「東芝の宣伝の方がですね、でっかいカバン提げて、その中にチラシですとか、飴とか、お寿司ですとか、詰め込んで」

レコード会社に勤める人間の苦労に触れる中島みゆき。

リスナーからのハガキを読み上げた後でつづいては「変な食べもの」のコーナー。

あれ? 沢田研二はまだ? と思いきやこのコーナーに参加する形で登場。

沢田「こんばんは、沢田です」

みゆき「やったね~、いいだろいいだろ(笑)」

沢田研二とは、ザ・タイガースPYGでボーカルを務め、ジュリーという愛称で人気を得ていた国民的スターだ。

中島みゆきが浮かれる気持ちも分かる。

みゆき「沢田さんとお呼びしたらいいですか? ジュリーさん?」

沢田「何でもいいです(笑)」

いちご大福にショックを受けた沢田研二

みゆき「沢田さんがいちご大福を食べたことがあるということでして」

沢田「そう」

どういうことだろう?

「いちご大福を食べたことがない」だったらまだ話題として格好がつくだろうが、いちご大福食べることがこの時代は珍しいことだったのだろうか?

調べてみたら、いちご大福は、昭和後期に考案された和菓子のようで、1987年のTBS「ザ・ベストテン」では司会の黒柳徹子が、「近頃いちご大福って物が登場したんですが」と物珍しい食べものとして紹介している。

今や定番の和菓子の1つであるが、わりと誕生したのは最近だったのだ。

沢田「NHKの楽屋でね、「大福たべますか?」って言われて、甘いもん食べると太るからなあと思って、でも、断ると嫌われるかなあと思って(笑)」

結局、その大福をいただくことにし、ガブッと噛んでみた。

するとどうだろ、

沢田「想像もつかない香りがしちゃったのね、ブワッて。
   なんだコレ!?って1人で騒いでたら、「いちご大福です」って冷静に言われちゃって。
   「これ本当にいちごなの?」って言ったら「いま流行ってんですよ、東京のどこそこで売ってます、並んでます、予約しないと買えません」って」

これが、沢田研二といちご大福の最初の出逢いだった。

「餡といちごは合う」

まるで今手もとにいちご大福があるかのように語る沢田を中島みゆきが興味深そうに実況する、

みゆき「手に持った時の回想シーンが目の前で出てるワケですよ。
    沢田さんの目が寄ってるんです(笑)
    いちご大福見た時の目になってるんです(笑)」

沢田「フフフ」

沢田研二と中島みゆきの梅干し事情

いちご大福に便乗する形で、「こんな大福はいかがでしょう?」というリスナーからの提案を読み上げる中島みゆき。

さくらんぼ大福。

マスカット大福。

梅干し大福。

みゆき「よしてくれよ~(笑)」

この梅干し大福にちなんで、中島みゆきは沢田家のおにぎり事情について問う、

みゆき「おにぎりの中に梅干し入れますよね。
    種入ったままですか?
    取りますか?」

沢田「僕、子どもの時は梅干しとかなかった。
   何にも入れない。
   ご飯握って、海苔だけ」

あとは卵焼きが添えてある程度なんだとか。

一方、中島みゆきの方はというと、

みゆき「ウチの方は、そそっかしいですからね、種を呑み込むと悪いってんで、取ってあるもんだといつも思ってたんですよ。
    で、よそ様行くと、わりと種の入ったおにぎりが多くてね、よく前歯でガシンと痛ぇと思いましたもんね」

沢田「種の中がおいしいんだよね」

みゆき「そそそナッツみたいなのが入ってて」

沢田「種を割って、口ん中でウマいこと皮をむいて、皮だけ出して、また種のとこの一番固いとこあって」

みゆき「胚ってとこですね」

沢田「そこを最後まで残すんだけど、失敗して歯の間に挟まっちゃってね(笑)」

みゆき「アハハハ!」

マイクについた山口百恵の口紅に中島みゆきムフフ

話題は歯の話へ。

みゆき「本番前に焼きそばとか避けます?
    青のりついちゃまずいですよね?」

沢田「よくテレビ局なんかで使いまわしのマイクあったりするじゃない?
   ふっと見ると口紅ついたりなんかね、青のりとかね(笑)」

みゆき「いや~!(笑)」

沢田「汚いね~(笑)
   これから自前のマイク持っていこうって思っちゃうよね」

だが、中島みゆきも似たような経験があった。

以前、中島みゆきは、山口百恵と同じPA(音響機器オペレーター)の人と活動していて、音響を使いまわしていたことがあったという。

みゆき「パッと見ると、口紅がついてた時なんか逆に(嬉しい悲鳴)うわ~! 山口百恵と間接キッスだぜ~、女同士でちっとも嬉しかないなとか(笑)」

沢田研二の散髪屋でのひとり上手

つづいては「ひとり上手」のコーナー。

乱れたヘアスタイルと格闘した結果学校に遅刻してしまったというリスナーのハガキにちなんで、沢田研二が散髪屋でのエピソードをひとつ。

沢田「散髪屋とか行くと必ず切りたがるから、1ミリにしてって言っても1センチ切るからね」

注文通りにはいかない不満を笑いながら漏らす沢田だが、不満は髪型だけではない。

沢田「眉毛と眉毛の間ね。
   ちょうど鼻の一番上んとこ。
   剃らないのが流行ってた頃にね、ついつい言いそびれちゃったら、剃りやがってさ。
   何も言えなかった、気が弱くて」

みゆき「アハハハ!」

浅川マキについて

ここで沢田研二が6月25日にリリースするというアルバム『CO-CoLO 1 〜夜のみだらな鳥達〜』の告知。

このアルバムに収録されている『あの女(ひと)』『幻影(イリュージョン)』の作詞を浅川マキが手掛けていることに中島みゆきは驚いた。

中島みゆきは浅川マキと面識があった。

みゆき「カメラマンがね、浅川さんをずっと撮ってきた人なんですよね。
田村仁というのが。
時たま、カメラマンを介して浅川さんに会うことがあるんで。
一般にレコードから見られる暗いイメージだけじゃなくて、カワイイ感じの人だなあって内心思うこともあるんだけれども」

沢田もまた浅川マキと会っていた。

「私恥ずかしいわ」と沢田に会うことを拒みながらも、「え~どうしよ~」と戸惑いながらガッツリ沢田と30分間話したことがあったそう。

中島みゆきが初めて沢田研二と出会った時のこと

みゆき「沢田さんと言えばですね天下の二枚目。
    神秘の二枚目としてですね、日本のポップスをですね、席巻してきた人であります」

そんな中島みゆきが初めて沢田研二と会ったのは、数年前に大阪のラジオ番組のゲストとしてだった。

みゆき「金のシャチホコがそこに立ってるって具合にですね。
緊張してしまいまして(笑)」

沢田「アハハハ!」

みゆき「オクターブも声が上がっちゃいまして、何しゃべったか覚えてないって感じでした」

今、このように沢田を前にしゃべりまくっているのは、黙ってしまえば責任者が始末書かかなければならないからだという中島。

みゆき「家に帰って布団かぶって10分くらい経つと、うお~!って知り合いに電話すんですよ、きっと(笑)」

中島みゆきにとってスーパースターの沢田研二だが、スターに似つかわしくないそのギャップにも惹かれていた。

みゆき「この方が、天下の二枚目が、ニラ納豆豆腐っていう話になっちゃうワケ。
    分かんないぞ、人間は分かんないもんだぞ(笑)」

どうやら沢田は鍋にニラと納豆と豆腐を味噌を入れて煮込むという試みを行ったらしい。

その結果、

沢田「このスタジオ中が雑巾臭くなる」

みゆき「それでは、もう一曲ね、沢田さんの曲をおわかれに聴くことにして」

まさかこのネタを最後におわかれだなんて。

曲は、沢田研二の『無宿(むしゅく)』

沢田研二『無宿』 (レコチョク試聴あり)

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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。