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中島みゆきとデーモン小暮の対談|1988年放送「デーモン小暮のオールナイトニッポン」より

アダムの林檎

1988年2月22日放送の「デーモン小暮のオールナイトニッポン」に中島みゆきがゲスト出演している。

「中島みゆきのオールナイトニッポン」が終り、約1年ぶりに古巣を訪ねている。
1年ぶりのニッポン放送界隈の反応や、「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回の裏話。
そして、この年リリースされたアルバム『中島みゆき』についても少しだけ触れられている。

2人の対談をみていこう。
(※部分的に編集しています)

この記事は、

  • この日(2月23日)は中島みゆきの誕生日
  • 1年ぶりに中島みゆきを迎え入れたニッポン放送の様子
  • 中島みゆき愛用の目覚ましは聖飢魔Ⅱの曲
  • 「中島みゆきオールナイトニッポン」の最終回秘話

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

デーモン小暮になりすました中島みゆき

みゆき「どんな声をしてるのか? デーモン小暮さんの声ってああいう声なのねと今まで1年間ずっと騙されてきたあなた。これが本当のデーモンの声よ」

冒頭からデーモン小暮になりすました中島みゆきの声。
1987年、中島みゆきは自身の番組「中島みゆきのオールナイトニッポン」に幕を下ろし、約1年ぶりにニッポン放送のマイクの前に座っていた。
1年を経てどう変わった自分をリスナーに見せたら良いのか、色々と考えていたようだ。

みゆき「「ウッフン、お色気放送みたいなのはどうかしら?」っていろいろ思ったんだけど、あんまり変わんなかったみたい(笑)」

1年ぶりに中島みゆきを迎え入れたニッポン放送の様子

デーモン小暮は、この日、ニッポン放送に入ってきた時、いつにない違和感を感じていた。
いつもなら、ジャニーズ系の追っかけが建物の前に詰めかけていて、デーモン小暮など眼中にないという感じなのだが、この日は違った。
「デ~モ~ン!」という、いつもならないはずの声援。

今日に限って、デーモン小暮は、気分良くいっしょに記念撮影をしていたが、後でその声援を送る集団が、中島みゆきの信奉者だったことに気づく。

デーモン「じゃ、もう1回居間から中島みゆきと2人で下りて、記念写真を撮って、あいつらにサービスしてこよっかな」

そんなサプライズを企てようとしたデーモン小暮だったが、すぐに番組ディレクターの入江太乃士によって止められる。
入江は、「中島みゆきのオールナイトニッポン」のディレクターも務めていたため、中島みゆきがファンの前に現れると、どういう事態になるか分かっていた。
「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回には、ニッポン放送の前に1000人近くの人が集まったというが、この時、入江は警察から呼び出しをくらっていたのだ。

今回もニッポン放送の前で群れなす中島みゆきの信奉者たち。
だが、中島みゆきは、彼らが自分のファンだとは思わなかったという。

みゆき「私、てっきり光GENJIさんのファンの人かと思ってた」

当時、月曜日の21時代に、ニッポン放送では、光GENJIの番組「GENJI GENKI爆発」が放送されていた。
毎週月曜日の夜は、大勢のファンがニッポン放送前に集まっていたようだ。

みゆき「さっき、ここの玄関入ってきたときに、シ~ンってなんか真空状態が一呼吸あった後で「あ、みゆきだ!」ってのがあったから」

彼らの目当ては飽くまで光GENJIであって、ついでに中島みゆきに気づいたという印象を受けたという。
ここで、デーモン小暮が、生放送という番組の特性を活かし、面白い試みをする。

デーモン「ニッポン放送の下にいる連中の中で、中島みゆきのファンは手を挙げろ!」

窓の外を見て、手を挙げた人を数えていくデーモン小暮のマネージャーとヤマハの関係者たち。
デーモン小暮は、彼らを「日本野鳥の会のみなさん」と揶揄する。

中島みゆきの誕生日を祝うデーモン小暮

デーモン「中島みゆきを迎えるにあたって、1曲、みゆき嬢にプレゼントをしたいと思う!」

そう言ってデーモン小暮が弾き語りしたのは、

デーモン「ハッピバ~スデ~みゆき~」

日付が変わって2月23日は、中島みゆきの36歳の誕生日。
独特のイントロは早稲田大学の校歌をアレンジしたものらしい。

デーモン「早稲田大学風応援歌風ハッピバースデーってのは吾輩が考えた宴会芸なんだけど」

実は、デーモン小暮は、「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回に出演している。

デーモン「去年より今年の方が若い!」
みゆき「気楽だからよぉ」

DJだった頃と比べたら、進行のことを考えずに済むだけ気楽に構えられているということらしい。

『毒をんな』で踊るカラオケパブ

ここでリスナーからのハガキを紹介。

中島みゆきさんの歌に、『毒をんな』という作品がありますね。

詞を読むと、なんとも可哀想な女性の歌ですが、名古屋の某カラオケパブ「おしゃれ貴族」では、ショータイムにこの歌に合わせ、ゴムのお面をつけ黒いマントを被って、20歳前の男の子が8人くらいで踊ります。

ハッキリ言って不気味で怖いです。

この踊る男の子を、中島みゆきはニューハーフではないかと推測する。

みゆき「オカマさんに結構歌いやすいって言われるの、私の曲って」

⇒『毒をんな』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきの愛用の目覚ましは聖飢魔Ⅱの曲

もう1通、ハガキを紹介。

かなり前にラジオで聞いた話ですが、なんでもその当時みゆきさんは朝の目覚めの曲にな、な、な~んと、聖飢魔Ⅱの『アダムの林檎』を聴いていたそうです。

目を覚ますには、あのうるさい曲調が一発で目が覚めるとか、覚めないとか。

⇒聖飢魔Ⅱ『アダムの林檎』(レコチョク試聴あり)

みゆき「そういう話したことありました」

聖飢魔Ⅱとは、デーモン小暮がボーカルを務めるヘヴィメタルバンドだ。

デーモン「今は使っていない?」
みゆき「今は美容のことも考えたいから、あんまりビックリして起きるとシワ出ちゃうしハハハ!」

今は、静かに鳴る目覚まし時計を使っているようだ。

デーモン「どういう目覚まし?」
みゆき「プルプルプルっていう」

その目覚ましからはコードが出ていて、時間になると振動する珍しい仕掛けになっている。

みゆき「普通の目覚ましじゃ、もう目が覚めないの。「びっくりさせてみろよ起きないから」って感じがするの。「びっくりなんかさせないぞお」ってシ~ンって鳴ると、逆に目が覚めんの」

中島みゆきへの貢物は気持ち

ニッポン放送の前にいる中島みゆきのファンの数の集計結果が出たようだ。
その数、300~500人。
深夜1時以降という時間帯を考えると相当な数である。

みゆき「ザル持って出て行くといいかもね(笑)」

どうやらファンからの貢物を収集しようという魂胆らしい。
ところで、中島みゆきは、これまでにファンからどんな貢物を貰ってきたのだろう?

みゆき「どっちかというと、ウチのリスナーの人は気持ちをくださる人の方が多かったアハハハハ!」
デーモン「気持ちと現物、どっちがいい?」
みゆき「気持ちってなかなか伝わりにくいからアハハハハ!」
デーモン「最近、吾輩は、気持ちの方が嬉しいってのがしばしばあるんだけども(笑)」

男性への貢物としては、2月14日のバレンタインデーは避けられない。
特に、この日のジャニーズ事務所は大わらわらしい。

デーモン「4tトラックに20台っていう世界で」
みゆき「みんな糖尿病になっちゃうんじゃない? アハハハ!」
デーモン「ホワイトデーにはインシュリン贈ればいんだな(笑)」

「中島みゆきのオールナイトニッポン」最終回裏話

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回以来、ほとんどラジオの出演がなかったという中島みゆき。
最終回の放送を終えた後のことについて、中島みゆき視点で語ってもらった。

あの日、ニッポン放送を出ると、前には赤じゅうたんが敷かれていた。
関係者からこのように伝えられていた。

「これが大変だったんですよ。ニッポン放送の最大の誠意を込めて赤いじゅうたん敷きましたから。だからマイクの前で挨拶するんですよ」

みゆき「カッコよく挨拶するんだなァと思って下行ったら、私の前に入江太乃士がもっと目立って喋ってたの(笑)」
デーモン「アハハハハ!」
みゆき「じゅうぶん盛り上がり切ってたのね(笑)」

そんな中、中島みゆきは、マイクの前に立ち、最後の挨拶を始めた。
この時のことを以下のように振り返る。

みゆき「もっと喋ろうかなァと思ったら、目の前にね、帰りの車が出てきたの。あれ?と思ったら、運ばれてたの(笑)」

その車は、最終回の日に似つかわしいリムジン。

みゆき「リムジンの場合は、タクシーと違って足もと広いから椅子が後ろの方にあんのね。それ分かんなくて、足もとにあるとこに座ろうとして「どうして椅子ないのかなあ」ってアハハハハ!」

ニューアルバム『中島みゆき』のタイトル

この年、3月にリリースする中島みゆきのニューアルバム『中島みゆき』へ話題が及ぶ。
「産休」と称して、ライブ活動を中止してこのアルバムの制作に専念していたのだ。

デーモン「これはまた、どうしてこんなタイトルに?」
みゆき「他が浮かばなかったの(笑)産んでみたら自分だったってのは、けっこう怖いね」
デーモン「どういうアルバムなのだ?」
みゆき「音楽雑誌のインタビューの時には、「けっこうめざましいこと言わなきゃ」と思うんだけど、とっさに考えると、「あんまり考えてなかったな」って……こういうこと言っちゃいけないわよね?(笑)」
デーモン「いいよいいよ、そういうもんなんだよな」
みゆき「LPできちゃってからさ、「どういうつもりだったって言おうか」と思うのアハハハハ!」
デーモン「後でつじつま合わせてるだけ、みたいな?(笑)」
みゆき「うん(笑)」

ここで、このアルバムから1曲『ミュージシャン』をかける。
中島みゆき曰く、「ミュージシャン」というタイトルの曲ではあるが、色んな職種の人たちがこの曲を自分のに置き換えて聴いているんだとか。

⇒『ミュージシャン』(レコチョク試聴あり)

中島みゆきへのプレゼントは母子手帳

いよいよお別れの時間。

みゆき「私、実はもっと上品にするはずだったのにぃ~」

1年後の誕生日も、「デーモン小暮のオールナイトニッポン」の放送日にあたるということで、密かにリベンジを考える中島みゆきであった。
最後に、アルバム『中島みゆき』を出産したお祝いに、番組からプレゼントがあるようだ。

デーモン「出産祝いということで、やはりこれが必要なんじゃないかと思って。ハイ、母子手帳」
みゆき「え~!? どうしてコレ手に入ったんですか!?(笑)」
デーモン「入江太乃士ディレクターが、どっかから調達してきたんだけども」
みゆき「私これ欲しかったの! コレ持ってるとね、給付を受けられるものとかあんの!(笑) せこい、アハハハハ!」

『中島みゆき』

1988年リリースのオリジナルアルバム。

  • 椎名和夫作曲の『湾岸24時』
  • 郵政省「かもめ~る」のCMソング『御機嫌如何』
  • 甲斐よしひろ作曲の『仮面』

を含む全9曲。

【収録曲】
『湾岸24時』『御機嫌如何』『土用波』『泥は降りしきる』『ミュージシャン』『黄色い犬』『仮面』『クレンジング クリーム』『ローリング』

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