中島みゆきが薬師丸ひろ子へ提供した『空港日誌』の裏話

空港

1988年10月21日に発売されたシングルのB面曲、
『空港日誌』
をみていこう。

中島みゆき『空港日誌』

 

『空港日誌』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

収録アルバム

『Singles II』

『Singles II』(レコチョク試聴あり)

1994年4月21日に発売された中島みゆきのシングルコレクション第2弾。

1987年の『御機嫌如何』から1993年の『時代』までの計10枚のシングル曲を収録した全20曲の2枚組アルバム。

フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌でミリオンヒットを記録した『浅い眠り』や命の尊さを歌った『誕生』前川清へ提供した『涙 -Made in tears-』など、音楽を模索していた「御乱心の時代」が明けて新たなステージを踏み出した頃の中島みゆきを聴くことができる。

『涙 -Made in tears-』のB面曲

『空港日誌』は1988年10月21日に発売された中島みゆきのシングル『涙 -Made in tears-』のB面に収録されている。

A面の『涙 -Made in tears-』は演歌歌手の前川清に提供された曲で、B面の『空港日誌』薬師丸ひろ子に提供された曲。

AB面共にセルフカバー曲がシングルリリースされるケースは中島みゆきのシングルの中ではこれのみ。

涙
中島みゆき『涙 -Made in tears-』は前川清への提供曲|瀬尾一三との初タッグ曲1988年10月21日に発売されたシングル 『涙 -Made in tears-』 をみていこう。 中島みゆき『涙 -Made i...

薬師丸ひろ子へ提供した曲

『空港日誌』薬師丸ひろ子に提供された曲である。

薬師丸ひろ子『空港日誌』(レコチョク試聴あり)

1987年7月6日にリリースされた薬師丸ひろ子のアルバム『星紀行』のために中島みゆきが『空港日誌』『未完成』を書き下ろした。

オファを受けたときの中島みゆき

薬師丸ひろ子サイドから曲のオファを受けたのはちょうどライブアルバム『歌暦』を完成させ次の仕事まで時間を持て余していたときだった。

1987年7月4日FM東京で放送された「ウィークエンドファンタジー」にゲスト出演した中島みゆきは、薬師丸ひろ子との対談の中でこの時のことを振り返っている。

薬師丸ひろ子という名前を聞いて、本当に自分でよいのかと戸惑いがあったが、改めて薬師丸ひろ子の歌声を聴き、透き通った声の中にも毒っ気を感じられたため、「これはイケる」とオファを引き受けたという。

薬師丸ひろ子だから生まれた『空港日誌』

1987年7月4日FM東京で放送された「ウィークエンドファンタジー」の中で中島みゆきは、『空港日誌』が生まれた経緯も語っている。

薬師丸ひろ子の歌声はどこかすると夢の国のような世界を作りあげてしまう。

そう思った中島みゆきは、現実に寄せるために、歌の中に日常を持たせ、薬師丸ひろ子の持つ「毒」を活かそうと考えた。

歌詞の中に登場する「広島空港」はその意図を含んだワード。

ツアーでよく利用する空港は、中島みゆきにとっての日常の場所なのだ。

ちなみにこの空港は現在「広島西飛行場」と名前を変えている。

マイク
中島みゆきと薬師丸ひろ子の対談|FM東京「ウィークエンドファンタジー」(1987年7月4日放送)1987年7月4日FM東京で放送された「ウィークエンドファンタジー」に中島みゆきがゲスト出演している。 薬師丸ひろ子との対談をまと...

薬師丸ひろ子版と中島みゆき版では歌詞が違う

『空港日誌』の歌詞は薬師丸ひろ子版と中島みゆき版では一部が違う。

(薬師丸ひろ子)「風が強くて飛行機は降りない」→(中島みゆき)「風が強くてYSは降りない」

(薬師丸ひろ子)「安い女と嘲笑(わら)えばいいわ」→(中島みゆき)「安い女と嘲笑(わら)うがいいわ」

(薬師丸ひろ子)「青空のなかに翼の音を探して 風の中毎日耳をすましてみるけど」→(中島みゆき)「羽田へと向かう道にさえ乗っていない そんなこと百もわかりきってるけど、でも」

歌詞解釈

『空港日誌』には男女のすれ違いが描かれているものの、その背景や関係性などにはほとんど触れられていない。

そのため、様々な解釈が飛び交っている。

この男女が不倫関係にあるという最も多い解釈に基づいていけば以下の通り。

「あなたの心が疲れていた頃へ
 もう一度呼び出す広島空港」

広島は2人が密会する場所らしい。

後の歌詞にも、その根拠となる部分がある。

「あの日にあなたが博多にいたという
 愛のアリバイを壊してあげたい」

男の方はおそらく妻帯者なのではないだろうか。

出張か何かで博多に出掛けると妻に嘘をついて広島で女と密会を重ねていたのだろう。

だが、ここにきて2人の関係が途絶えそうになるのを女は予感したのだろう。

「写真ひとつで幸せはたじろぐ
 安い女と嘲笑(わら)うがいいわ」

「写真」とは広島で撮った2人の仲睦まじげなツーショットだろうか。

その1枚で簡単に夫婦生活を壊すことができる。

どうせ別れるなら爪痕を残したい。

そんな女心が感じられる。

だが、その仕打ちも叶わない。

男は飛行機に乗っていなかったことがスチュワーデスによって告げられるのだ。

「今夜の乗客は9人
 乳飲み子が1人 女性が2人
 あとは常連客
 尋ねられた名前はありません」

歌詞にある「YS」とは戦後初の国産旅客機「YS-11」のこと。

5~60人程しか載せることしかできないうえ、この日の乗客が9人という具合なので、スチュワーデスはおそらく数少ない常連客である男のことをよく知っているのだろう。

「ふっと秘密を話したくなるから
 冷たい声で事実を告げて」

事務的に空港日誌に書かれてることしか伝えることができないのだ。

『空港日誌』のみんなの感想

『空港日誌』はこんな時に聴こう

空港のラウンジで搭乗を待つ間、『空港日誌』を聴いて主人公になりきってみよう。

『空港日誌』はサブスク(定額制)でも聴ける

2020年1月8日よりついにサブスクリプション(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。

『Amazon Music Unlimited』に登録すれば、月額980円(プライム会員は月額780円)で中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題。
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)

もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。

その数、6500万曲以上

30日間の無料お試し期間があるので、ぜひ一度試していただきたい。

『Amazon Music Unlimited』の公式サイトはコチラ。

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サブスク配信『Amazon Music Unlimited』で聴ける中島みゆきの曲は?2020年1月8日よりついにサブスク(定額制)配信で中島みゆきの曲を聴けるようになった。 音楽配信サービス『Amazon Musi...
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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。