中島みゆき『涙 -Made in tears-』は前川清への提供曲|瀬尾一三との初タッグ曲

1988年10月21日に発売されたシングル
『涙 -Made in tears-』
をみていこう。

中島みゆき『涙 -Made in tears-』

 

『涙 -Made in tears-』(レコチョク)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

収録アルバム

『グッバイガール』

『グッバイガール』(レコチョク)

1988年11月16日に発売された16作目のオリジナルアルバム。

瀬尾一三とのタッグで初めて制作されたアルバム。

『MEGAMI』『涙 -Made in tears-』を含む全9曲。

グッバイ
中島みゆきの転換期となったアルバム『グッバイガール』|曲解説&みんなの感想1988年11月16日に発売された16作目のオリジナルアルバム 『グッバイガール』 についてみていこう。 アルバム『グッバイガール...

『Singles II』

『Singles II』(レコチョク)

1994年に4月21日に発売されたシングルコレクションアルバム第2弾。

1987年の『御機嫌如何』から1993年の『時代』までのシングル曲を収めた全20曲。

『最後の女神』『浅い眠り』『誕生』『Maybe』『with』『あした』『涙 -Made in tears-』など名曲ばかりが揃っている。

レコード
中島みゆき『 Singles II 』の全曲解説&みんなの感想|中島みゆきのシングルコレクション第2弾1994年4月21日に発売された中島みゆきのシングルコレクションアルバム第2弾 『Singles II』 をみていこう。 中島みゆ...

『中島みゆき BEST SELECTION II』

1989年4月1日に発売されたベストアルバム。

こちらはすでに廃盤になっている。

『時代』『春なのに』『やまねこ』『黄砂に吹かれて』『Maybe』『歌姫』など、他のベスト盤には見られない名曲のラインナップなので、復刻版を願うばかりである。

前川清に提供した曲

『涙 -Made in tears-』は、もともとは前川清に提供した曲。

前川清版は、『涙』というタイトルで、1988年2月21日にシングルリリースされたが、その後、中島みゆきがセルフカバーして同年10月21日にコチラもシングルでリリースされた。

中島みゆきにとって、セルフカバーという形でのシングル曲(A面)はコレが初めて。

後のシングル曲においても見られないレアなケースだ。

また、B面の『空港日誌』も、薬師丸ひろ子に提供された曲のセルフカバー。

なお、前川清のレコーディングには、中島みゆきも立ち会っており、この時が2人の初対面。

中島は、前川の歌を聴いて、「へぇ、こんな風になるんだ」と感想を述べたそうな。

瀬尾一三とのタッグ初作品

この曲は中島みゆきが瀬尾一三と初タッグを組んだ記念すべき作品である。

瀬尾一三とは?

瀬尾一三は、1988年以来、中島みゆきの楽曲の編曲を手掛けているアレンジャーだ。

中島みゆきが音楽性を模索して試行錯誤していた「御乱心の時代」は、瀬尾一三の登場により終焉を迎えた。

『浅い眠り』『空と君のあいだに』『地上の星』など1990年代以降のヒット曲ももちろんこの瀬尾一三が手掛けている。

中島みゆきにとって瀬尾一三はなくてはならない存在であることは、彼を「お師匠さん」と呼ぶところからもうかがい知ることができる。

瀬尾一三との出会い

瀬尾一三『ラジオ瀬尾さん』の中で、中島みゆきと出会った経緯を語っている。

それによると、最初に中島みゆきの方がレコード会社のディレクターを通して瀬尾一三にアプローチをかけてきたという。

それまでの瀬尾一三は、業界のスタッフやミュージシャンから中島みゆきが「メンドクサイ」という噂を伝え聞いていて、

「ぜったいにソリが合わない」
「ぜったいに中島みゆきとは仕事はしない」

とまで思っていたんだそうな。

だが、親しいディレクターからお願いされたこともあり、瀬尾は仕方なく中島みゆきと会うことになった。

ディレクターには、

「会って話してみるけどダメだったらゴメンね」

と予防線まで張っていたのだ。

だが、実際に会ってみた中島みゆきの印象は噂で聞いていたのと全く違っていた。

瀬尾は、中島がもっとエキセントリックな人間ではないかと想像していたのだが、実際に目の前にした彼女は、「すっごい寡黙」だったんだそうな。

「猫100匹くらいかぶってるんじゃ?」と最初は警戒していた瀬尾だったが、中島みゆきがたまにボソッと話すコトバが的を射ていることに気付く。

瀬尾が今まで世間に対して思っていた疑問に中島みゆきも向き合っていたのだ。

「いいやつだなあと思った」

瀬尾の誤解が解けたとこで一発目に取り組んだ曲というのが、この『涙 -Made in tears-』だったのだ。

瀬尾一三と中島みゆきのその後を決定づけた曲

瀬尾一三は、『涙 -Made in tears-』の虜になった。

彼を惹きつけたのは、

「男運は悪くなかった」

という歌詞の部分。

失恋したくせに、恨みつらみではなく、男と出会えたことは幸運だったと捉える中島みゆきの作家性に瀬尾一三はすっかり惚れ込んでしまった。

それまで瀬尾一三が知っている中島みゆきの曲といえば、『時代』『世情』『わかれうた』『悪女』くらいなものだった。

それが、この『涙 -Made in tears-』によって意外な中島みゆきの側面をみた気がしたのだ。

瀬尾は言う、

『涙 -Made in tears-』はアレンジをかきたててくれる素材だった」

と。

この曲によって、同年発売されるアルバム『グッバイガール』も瀬尾は引き受けることになり、その後30年以上に渡って組んでいくスタートとなった。

瀬尾一三曰く、30年以上も続く秘訣はお互いに必要以上に干渉し合わないこと。

彼は中島みゆきのプライベートについてはほとんど知らない。

瀬尾一三が向き合っているのは本名の「中島美雪」ではなくアーティストの「中島みゆき」だからだ。

鬼龍院翔も絶賛の『涙 -Made in tears-』

2020年5月24日にテレビ朝日で放送された音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』ゴールデンボンバーのボーカル鬼龍院翔が中島みゆきの失恋ソングについて考察している。

その中で、『涙 -Made in tears-』を失恋ソングの1曲に挙げ、歌詞の情景描写が秀逸であると評価している。

歌詞の中の、

「メッキだらけのけばい茶店の隅っこは」

という部分を取りあげ、思い出として美化しないことでリアリティを演出し、また、

「今夜は煙草が目にしみる」

という歌詞については、

「泣いているのを煙草のせいにするその感性がカッコイイ」

とべた褒め。

そして、瀬尾一三も唸らせた

「男運は悪くなかった
 あんないい人 いやしないもの」

という歌詞は、その他の出演者もツボだったようで、男性陣は口々に「いい女」だと絶賛だった。

失恋
鬼龍院翔が中島みゆきを考察2020年5月24日にテレビ朝日で放送された音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』に鬼龍院翔が出演し、中島みゆきについて熱く語った。 ...

カバーしたアーティスト

高畑淳子

『中島みゆきリスペクトライブ2018 歌縁』の中で女優の高畑淳子『涙 -Made in tears-』を歌っている。

語りかけるような歌い方やちょっと闇を引きずってる雰囲気などは、歌詞にある「メッキだらけのけばい茶店の隅っこ」が似合いそうな女を感じさせる。

さすが女優。

本人映像

『夜会VOL.3 KAN(邯鄲)TAN』

1991年に上演されたこの『夜会』の中で、中島みゆきは、クリスマスの夜に1人きりになった女の役で『涙 -Made in tears-』を歌っている。

『涙 -Made in tears-』のみんなの感想

『涙 -Made in tears-』はこんな時に聴こう

別れた人のことを思い出したいときは、メッキだらけのけばい茶店の隅っこに座ってBGMは『涙 -Made in tears-』で。

『涙 -Made in tears-』はサブスク(定額制)でも聴ける

2020年1月8日よりついにサブスクリプション(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。

『Amazon Music Unlimited』に登録すれば、月額980円(プライム会員は月額780円)で中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題。
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)

もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。

その数、6500万曲以上

30日間の無料お試し期間があるので、ぜひ一度試していただきたい。

⇒『Amazon Music Unlimited』の公式サイトはコチラ。

聴く
サブスク配信『Amazon Music Unlimited』で聴ける中島みゆきの曲は?2020年1月8日よりついにサブスク(定額制)配信で中島みゆきの曲を聴けるようになった。 音楽配信サービス『Amazon Musi...
レコード
中島みゆきシングル一覧(試聴あり)この記事を読むと、こんなことを知ることができます。 中島みゆきさんのシングル曲を年代順に振り返ることができます。試聴もできます...
ABOUT ME
yumeojiko
中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。