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中島みゆき『歌でしか言えない』の曲解説&みんなの感想【試聴あり】|『Maybe』『永久欠番』『南三条』『おだやかな時代』を収録したアルバム

歌

1991年の中島みゆきのオリジナルアルバム『歌でしか言えない』

「夜会」から生まれた曲や、CMやテレビのコーナーソングなど、曲を発信する場に多様性を持ち始めた時期のアルバムだ。
等身大の女を歌ったものもあれば、思春期の男子の視点に立ってみたり、宇宙から命の輪廻を俯瞰したり、様々な視点を持った曲が揃った。

1曲ずつみていこう。

この記事は、

  • 『歌でしか言えない』の特徴
  • 『歌でしか言えない』の曲解説&みんなの感想

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『歌でしか言えない』

1991年リリースのオリジナルアルバム。

  • テレビ朝日系「ニュースステーション」のコーナーソング『おだやかな時代』
  • パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』
  • 国語の教科書に掲載された『永久欠番』

を含む全11曲。

【収録曲】
『C.Q.』『おだやかな時代』『トーキョー迷子』『Maybe』『渚へ』『永久欠番』『笑ってよエンジェル』『た・わ・わ』『サッポロSNOWY』『南三条』『炎と水』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

『歌でしか言えない』の特徴

週間オリコンチャート4位

『歌でしか言えない』は、1991年10月23日にリリースされ、週間オリコンチャートで4位を記録した。

タイトルに込められた思い

「歌でしか言えない」というタイトルについて、1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューで以下のように答えている。

「歌でしか言えないことは歌で言うっていうかね。歌ですべてが言えるという意味じゃない」

では、歌では言えないことは諦めるべきか?
その場合、中島みゆきは、歌という域をこえていく。

「歌で言い切れないことは、止まってるってのがイヤだから、歌じゃないことで言おうとするんです」

「夜会」、小説、絵本、ラジオのパーソナリティetc.
中島みゆきの活動の幅広さを考えると、納得いただけるだろう。

初の本格的な海外レコーディング

このアルバムの制作において、中島みゆきにとって初の本格的な海外レコーディングが行われた
1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューによると、マインドとして育んでいきたいものが前提にあり、ロサンゼルスでの録音は目標ではなく途中経過だと語っている。
自分の伝えたい思いを表現しやすい方向があれば、それまでの自分のスタイルにこだわる必要はないというのが中島みゆきのスタンスだ。

手書きの歌詞

歌詞カードの文字は、中島みゆきの手書きによるもの。
だが、2001年以降、ヤマハミュージックコミュニケーションズから発売されたアルバムには、通常の活字が用いられている。

残間里江子&呉智英によるライナーノーツ

ブックレットの冒頭には、評論家の呉智英と出版・映像・文化イベントのプロデューサー残間里江子による寄稿文が掲載。

  • 呉智英の寄稿文には、1982年に行われたコンサート「浮汰姫」について触れている。「わたくしが中島みゆきです」と登場して放った第一声に、中島みゆきであることを引き受けている決意が感じられたことが書かれている。
  • 残間里江子の寄稿文では、中島みゆきの歌詞に見られる普遍性は、グローバルな世界観や人生観、また、主観と客観の間を行き来できる能力があると考察している。

『歌でしか言えない』曲解説&みんなの感想

『C.Q.』

⇒『C.Q.』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

  • C.Q.…「無線通信で、通信が届く範囲内で受信可能な無線局の応答を求めるために用いられる信号」

1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューでは、ダイヤルQ2やテレフォンクラブなど例に、情報社会の現代に生きる人々の心模様を反映させたと語る。
1人群れからはぐれてしまった孤独感と、こちらから放つ信号を誰か拾って欲しいという切なる思いが感じられる。

だれかいますか だれかいますか だれかいますか どこかには
だれかいますか 生きていますか 聞こえていますか
(『C.Q.』より)

『おだやかな時代』

⇒『おだやかな時代』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

1986年放送の「ニュースステーション」(テレビ朝日)の中のコーナー「日本の駅」のテーマソング。
テレビの方で流れていたのは冒頭部分のみだったが、このアルバムには、歌い方やアレンジを変えたフルバージョンが収録された。

1991年「GB」12月号のインタビューによると、この曲ができたときにアルバムの構想がまとまったという。
現実のルールに嫌気が差し、そこから脱け出そうとする思春期の少年を感じさせる曲だ。

おだやかな時代 鳴かない獣が好まれる時代
標識に埋もれて僕は愛にさえ辿り着けない
(『おだやかな時代』より)

⇒『おだやかな時代』の記事はコチラ

『トーキョー迷子』

⇒『トーキョー迷子』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

演歌風歌謡テイストの曲。
1991年6月5日にシングルとして先行リリースされているが、こちらの方はアレンジが異なる。
「待つ」というのは何もしていないようでとても難しい。
待つのを止めるタイミングを自分で決めなければならないからだ。

ここで待っておいで すぐ戻って来るよ
言われたように そのままで ここにいるのに
気にかかってふらり 待てなくってふらり
歩きだして そのせいで なおさら迷子
(『トーキョー迷子』より)

⇒『トーキョー迷子』の記事はコチラ

『Maybe』

⇒『Maybe』(レコチョク試聴あり)

もともと「夜会」のために作られた曲だったが、後に、鈴木保奈美出演のCM「ブレンビー」のテーマ曲として起用された。

失恋したОLが、寂しさを自ら誤魔化し、忙しい日常を生きていこうとする姿を描いている。
孤独と強さの相反する内面を、歌い方やメロディーによって表情を描き分けている。

Maybe 夢見れば Maybe 人生は
Maybe つらい思いが多くなるけれど
Maybe 夢見ずに Maybe いられない
Maybe もしかしたら
(『Maybe』より)

⇒『Maybe』の記事はコチラ

『渚へ』

⇒『渚へ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

失恋ソングであるが、別れた男への優しさを感じる曲。
だが、本人曰く、マイルドな口あたりのように感じるのは、遠回しに言うようになったぶん底意地が悪くなったからなんだとか。
「人を憎んで恋を憎まず」というのが、中島みゆきの哲学。
他にいい男がいるかもね、と前向きな可能性を含んだ曲でもある。

追いかけて手練手管は裏目のダイス
誰か教えてよ大人しくしてりゃ戻ったの
渚へ 渚へ 渚へ あいつを恨みたくない
(『渚へ』より)

『永久欠番』

⇒『永久欠番』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

  • 永久欠番…「優れた功績を残した競技者の栄誉の記念として、その人物の使った背番号を、他の人が使わないようにすること」

誰しも、自分の存在価値を一度は自問することがあると思うが、この曲はそれに直球で答えている。
命について考える出来事が身の回りで起きたことが、この曲を書くきっかけとなった。
レコーディングでは、英訳した歌詞を現地のミュージシャンに見せたところ、「永久欠番」という言葉に敏感に反応したという。
かけがえのない命を歌ったこの曲は、2001年から中学国語の教科書に掲載され、幅広い世代に浸透していった。

100億の人々が
忘れても 見捨てても
宇宙(そら)の掌の中
人は永久欠番
(『永久欠番』より)

⇒『永久欠番』の記事はコチラ

『笑ってよエンジェル』

⇒『笑ってよエンジェル』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

1990年に発売されたシングル『with』のB面曲。
ツアー中に急遽シングルリリースが決定し、B面曲が用意されていなかったため、大慌てで録った曲がこの『笑ってよエンジェル』だ。
香港では、チェリー・チョイという歌手がカバーしている。

愛しさ余れば憎さがつのる
あれはうそっぱち 愛しさ足らず
たとえ ねぎらいひとつ返されなくても
嘆くようじゃ まだまだハンパな恋さ
(『笑ってよエンジェル』より)

『た・わ・わ』

⇒『た・わ・わ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

女の嫉妬をコミカルに描いている。
恋敵の胸は、すべての男を悩殺するほどたわわに実っている。
そんなツワモノを前に女はどう思ったか?

た・わ・わ おまえを殺したい
た・わ・わ あいつをとらないで
(『た・わ・わ』より)

『サッポロSNOWY』

⇒『サッポロSNOWY』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

サッポロSNOWY まだ SNOWY 帰れない
今日も天気予報 長距離で聞く
SNOWY……
(『サッポロSNOWY』より)

1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューでは、この曲について以下のように言及している。

「長距離で聞くってことは、つまり札幌にいないわけだけど、自分の中で雪がつもるんだよね」

主人公は、ラジオから流れる天気予報から、札幌に降る雪景色をイメージしているのだ。
札幌は、中島みゆきが生まれた土地。
故郷を思い出そうとすると、好きだった人の顔が思い浮かぶことは誰しもあることだろう。

サッポロSNOWY いつか SNOWY あの人に
言葉にならない雪を見せたい
(『サッポロSNOWY』より)

『南三条』

⇒『南三条』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

南三条とは中島みゆきの生まれ故郷である札幌の中に存在する街。
かつては音楽喫茶が多く建ち並んでいたこともあり、中島みゆきにとっては縁のあった街だったことだろう。

自分の男を奪っていった恋敵と街でバッタリ出会い、2人のその後を知るというストーリー性の強い曲。
後悔が押し寄せてくるように、南三条を泣きながら走った夏の日が蘇る。

南三条泣きながら走った
胸の中であの雨はやまない
南三条よみがえる夏の日
あの街並はあとかたもないのに
(『南三条』より)

⇒『南三条』の記事はコチラ

『炎と水』

⇒『炎と水』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三

このアルバムは、当初『永久欠番』『C.Q.』をラストに持ってくる予定だったが、この『炎と水』がラインナップに加わると、この曲をラストに据える方向へ決まった

一般的に、男が火で女が水と捉えられる傾向にあるが、中島みゆきの中では男の方が水だという。
曲後半の高音部分は、音域の広い中島みゆきですら歌うのに骨が折れたようだ。

Flame & Aqua あなはた一途な水
私たちの行方を指し示す者
Flame & Aqua 私は揺れる炎
私たちの行方を照らし出す者
(『炎と水』より)

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