1989年3月15日に発売された24作目のシングル
『あした』
をみていこう。
本作でアナログレコードのシングルレコードの販売が終了になった、節目となる曲だ。
中島みゆき『あした』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
7インチシングル盤、終了
『あした』をもって公式な7インチシングル盤の販売が終了になっている。
7インチシングル
いわゆるアナログレコード。
アナログレコードには色んな種類がある。
アルバムに適した長時間録音が可能な12インチレコード(LP)。
そして、シングルに適した7インチシングル。
真ん中の穴の大きさが他と比べて大きいことから「ドーナツ盤」と呼ばれ慣れ親しまれていた。
1983年にCDが誕生して、レコードに針を落とす聴き方が世の中から消えっていった。
『あした』がそれを象徴しているようだ。
セールス
週間オリコンランキングでは18位が最高だった『あした』だが、その後33週にわたってチャートインするロングヒットとなっている。
ちなみに『地上の星』は174週連続チャートイン。

タイアップCM KDD「001」
『あした』はKDD(現KDDI)「001」のCM曲だ。
国際電話サービスを反映した内容になっている。
男女がバスから降りてくる。
そこは空港。
男は海外へ発とうとしている。
ゲート前で別れを惜しむ男女。
女はずっと笑顔だが。
男がゲートをくぐったところで、我慢していた涙が溢れ出す。
ちなみにこのCMの女は、奥貫薫が演じている。
歌詞の解釈
車内の描写が印象的。
「黙りこん」だ車内に2人男と女。
ただ「カーラジオが嵐を告げている」。
嵐の中の2人取り残された感。
まさに「あした」が見えないといった感じ。
別れを予感させる歌なのだが、各々の事情までは詳細には語られない。
だが、2人とも別れを望んでいないようにも思える。
「凍えながら2人共が2人分傷ついている」
「抱きしめれば2人はなお遠くなるみたい」
釈然としない2人の関係だが、KDD「001」のCMを見るとスッと腑に落ちる。
そっか、こういう男女を歌った歌なんだ、と思える。
他方で、「不倫の歌」という説もあるようだが。
カラオケの定番曲
中島みゆきのカラオケ曲といえば『糸』だが、『糸』が流行る前は、この『あした』がカラオケの人気曲だった。
工藤静香のお気に入り
2013年11月3日のNHK BSプレミアムで放送された『オール中島みゆきナイト』の中で、リクエストしたい中島みゆきの曲の1つに、工藤静香は、この『あした』を挙げている。

坂本冬美のお気に入り
2016年1月17日にNHKBSプレミアムで放送された『中島みゆき名曲集~豪華トリビュートライブ&貴重映像~』に坂本冬美が出演。
「イヤリングを外して 綺麗じゃなくなっても」
という『あした』の歌詞に触れ、好きな人の前で素の自分をさらけだす怖さが描かれているところに強く共感したと語っている。
収録アルバム
『夜を往け』
『あした』は、1990年6月13日に発売されたアルバム『夜を往け』に収録されている。
他には、映画『息子』のイメージソングとなった『with』も収められている。
こちらの『あした』は微妙にアレンジが変わっている。
『大吟醸』
1996年に発売されたベストアルバム『大吟醸』の中に『あした』が収録されている。
『空と君のあいだに』『旅人のうた』『ファイト!』『時代』など、デビューから1995年までのヒット曲が盛りだくさん。

『Singles II』
1994年に発売されたシングルコレクション第2弾。
1987年『御機嫌如何』から1993年『時代』までにリリースした10枚のシングルを収めたアルバムとなっている。
『あした』の他にも、1993年版『時代』や『筑紫哲也 NEWS23』の主題歌となった『最後の女神』、1992年のドラマ『親愛なる者へ』の主題歌『浅い眠り』などなど、名曲多数のラインナップになっている。
『中島みゆき ライブ リクエスト~歌旅・縁会・一会~』
『中島みゆき ライブ リクエスト~歌旅・縁会・一会~』(レコチョク)
こちらはライブ版。
2012~2013年に行われたコンサート『縁会2012〜3』の中で歌われた『あした』が収録されている。
オリジナルよりも落ち着いた歌声。
さらに大人の『あした』となっている。
こちらは映像版もある。
ライブDVD/Blu-ray
『中島みゆき「縁会」2012〜3』
2014年に発売されたライブDVD&Blu-ray。
2012~2013年までに行われたコンサートツアー『縁会2012〜3』のライブ映像。
『あした』以外にも、『空と君のあいだに』『最後の女神』『地上の星』『時代』『世情』などの代表曲を「動く中島みゆき」で楽しめるぞ。
『あした』のみんなの感想
中島みゆきの「あした」を聞きまくって疲れた
— 秋野すずめ (@Akino_Suzume) June 25, 2020
Spotifyで中島みゆきの「あした」を探したらこれはない。というか中島みゆき自体がない。昔僕は中島みゆきの曲が好きでよく聴いていた。「あした」は好きな曲で、志村けんのコントでも特に必然性もなくバーのBGMという設定でかかった記憶がある。
— 砂河渦 (@sunakawauzu) June 13, 2020
私の「愛してる」は「ナイフなら貴方を傷つけながら折れてしまいたい」ですかね。中島みゆきさんの「あした」という歌の詞です。>RT
— ひねもすpp (@kinmfm) May 26, 2020
スナックちぇりーの平成初期どころか昭和なお歌タイムの雰囲気で思い出した。
私が就職してから毎晩近隣の職場の人で集まってたBARで常連の素敵なお姉さんが歌ってて好きになった曲が、ドリカムLAT43°Nとか中島みゆきの あした なんだけど…そっか当時お姉さんはそんな恋をしてたのかもだねぇ💔— こしあんこ (@azukinoanko) May 4, 2020
僕のタイプの女性は、中島みゆきの「あした」をカラオケで恥ずかしげもなくガチで歌う女性です
— 衷情 林檎 (@G_appien) April 10, 2020
『あした』はこんな人に歌ってあげよう
愛し合っているはずなのにどこか行き詰まりを感じている自分たちに『あした』を歌ってあげよう。
『誕生』はサブスク(定額制)でも聴ける
2020年1月8日よりついにサブスクリプション(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。
『Amazon Music Unlimited』に登録すれば、月額980円(プライム会員は月額780円)で中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題。
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)
もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。
その数、6500万曲以上。
30日間の無料お試し期間があるので、ぜひ一度試していただきたい。
『Amazon Music Unlimited』の公式サイトはコチラ。
