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ドラマ『親愛なる者へ』の見どころ|撮影舞台裏の中島みゆき

海と夕日

中島みゆきファンならぜひとも観ておきたいテレビドラマ『親愛なる者へ』

中島みゆきのためのドラマといっても過言ではないほど、ドラマ全体に中島みゆきが散りばめられている。

今回は、ドラマ『親愛なる者へ』の見どころと、撮影の裏の模様についてまとめてみた。

『親愛なる者へ』ってどんなドラマ?

高視聴率ドラマ

ドラマ『親愛なる者へ』は、1992年にフジテレビ系列「木曜劇場」の枠で放送されたテレビドラマだ。

主演は浅野ゆう子柳葉敏郎

そして、佐藤浩市横山めぐみという実力派俳優が脇を固めた。

平均視聴率は16.6%、最高視聴率24.4%と高視聴率を叩き出している。

脚本は野沢尚

『親愛なる者へ』の脚本を手掛けたのは野沢尚

野沢尚は、『眠れる森』『水曜日の情事』などの傑作ドラマをこの世に送り出したヒットメーカー。

1983年の『V・マドンナ大戦争』では第9回城戸賞準入賞、1999年には『結婚前夜』『眠れる森』で向田邦子賞を受賞している。

また、『ドクターX』『ハケンの品格』などの脚本を手掛けた中園ミホも野沢尚を尊敬するなど、同業種からも一目置かれる存在だ。

あらすじ

凪子(浅野ゆう子)と望(柳葉敏郎)は結婚して3年目を迎えた夫婦。

そんなある日、凪子の前に昔の男が現れ、望の前にもかつて思いを寄せた女が現れた。

夫婦生活を営みながら過去の男と女に翻弄されていく物語。

『親愛なる者へ』で繰り広げられる中島みゆきワールド

主題歌が中島みゆき

『浅い眠り』(レコチョク試聴あり)

このドラマの主題歌は中島みゆきが歌う『浅い眠り』だ。

ドラマの主人公・凪子(浅野ゆう子)が寝具売場の販売員だったり、不眠に悩むという設定は、「浅い眠り」というタイトルに少なからず影響していそうだが、定かではない(逆に、曲のタイトルからこのようなドラマの設定が生まれたのかもしれないが)。

「ドラマのどの回を見てもらっても通用する歌にした」

「月刊カドカワ」のインタビュー記事で中島みゆきが答えているように、確かに、1話1話、また、全話通して貫かれているテーマが歌われている。

『浅い眠り』という曲から入った人は、このドラマを見れば、曲の印象がより立体的に変わるかもしれない。

昔のトレンディドラマらしく、クライマックスシーンに差し掛かったあたりで、イントロのデ~ンデ~ン♪が入るところは、なかなかいい仕事してるなと思わせてくれる。

浅い眠り
『浅い眠り』は中島みゆきも出演したドラマ『親愛なる者へ』の主題歌1992年7月29日に発売された28作目のシングル 『浅い眠り』 をみていこう。 この曲が発売された年、中島みゆきは珍しくテレ...

劇中歌が中島みゆき

主題歌だけではない。

劇中では、中島みゆきの楽曲が多く流れる。

『肩に降る雨』『夜曲』『歌姫』『鳥になって』『時代』などなど。

毎話、2~3曲程度の劇中歌が、シーンに合せて流されるため、まるでもう1つの『夜会』を観ている気持ちになれるのだ。

設定やセリフが中島みゆき

主題歌や劇中歌だけじゃない。

物語の設定やセリフもまた、中島みゆきの楽曲がモチーフになっている。

例えば、第1話、凪子(浅野ゆう子)が、かつての男・奥寺(佐藤浩市)を奪った女・弥生(斉藤慶子)とばったり出くわすシーンは、中島みゆきの楽曲『南三条』がモチーフになっている。

また、2人の間に交わされる会話や、凪子のモノローグには、

「私、老けたでしょ?
 凪子さんより年上みたいでしょ?」

「本当に許せないのは、あの日、あいつを惚れさせることができなかった私」

と、『南三条』の歌詞を引用したようなセリフが見られる。

走る
中島みゆき『南三条』|南三条ってどこ?1991年10月23日に発売された19作目のオリジナルアルバムに収録された 『南三条』 をみていこう。 中島みゆき『南三条』 ...

また、第6話。

弥生が奥寺とのデートを回想するシーンでは、

「喫茶店に先に着いてパウダールームで自己暗示」

と、緊張を解くために行っていた弥生のルーティンが語られている。

これは、中島みゆきの楽曲『Maybe』からの引用だ。

歩く女性
中島みゆき『Maybe』の裏話1992年3月4日に発売された27作目のシングル 『Maybe』 についてみていこう。 中島みゆき『Maybe』 『Ma...

また同じく第6話。

奥寺と別れた凪子が、土砂降りに遭い、ずぶ濡れの姿で帰りのタクシーに揺られるシーン。

運転手が泣いている凪子に気を遣いながら、野球の話や天気の話を延々話し続けるくだりがあるが、これは中島みゆきの楽曲『タクシードライバー』がモチーフになっている。

「もし、眠ってしまったら、どっかその辺に捨てていってください」

という凪子のセリフもまた、歌詞からの引用だ。

運転手の手
マツコ・デラックスが語る中島みゆき『タクシードライバー』1979年3月21日に発売された5作目のオリジナルアルバムに収録された 『タクシードライバー』 をみていこう。 とある番組でマ...

中島みゆきが出演している

テレビでは滅多にお目にかかれない中島みゆきが、このドラマに登場している。

カメオ出演ってもんではない。

ちゃんと芝居や役名が与えられているのである。

出演しているのは第2話と、最終話。

凪子が堕胎した産婦人科の医師・南雲律子という役名で出演している。

シングルマザーという設定で、息子と戯れる微笑ましいシーンが拝める。

もちろん、セリフもある。

『親愛なる者へ』のみどころ

ドラマ『親愛なる者へ』は、中島みゆきが好きな方も好きでない方も楽しめるドラマになっている。

中島みゆきお墨付きのドラマ

中島みゆきは、このドラマの台本を読んだ時、W不倫という設定だけに昼メロの印象が拭えなかったという。

だが、終盤に向かって作者の言いたいことが見えてきて、「これはいいんじゃないか」と前のめりになったいきさつを「月刊カドカワ」のインタビューで語っている。

夫婦愛を描いたドラマ

主人公の凪子(浅野ゆう子)は、奥寺(佐藤浩市)と別れた寂しさを埋めるようにして望(柳葉敏郎)と結婚した。

一方の望も、かつて「結婚しよう」とプロポーズした女・るい子(横山めぐみ)の存在がありながらも、凪子と結婚した。

そんな凪子と望がスタートさせた結婚生活は、ハリボテみたいなものなのか?

何度も自問自答する場面が出てきて、W不倫といってもガッシリと夫婦について向き合ったドラマになっている。

2人の間で交わされるセリフには、「50年後先」「骨を埋める時」などというコトバが頻繁に出てくる。

目先のことだけでなく、もっと先の「死」を含めた夫婦のあり方について考えられているところがドラマに重厚感を与えているのだ。

舞台裏の中島みゆき

中島みゆきも台本づくりに加わった?

中島みゆきの著書『愛が好きですⅡ』の巻末に、このドラマのプロデューサーである大多亮が寄稿している。

ドラマの舞台裏で見せた中島みゆきの素顔が書かれており、台本に口を挟んだことについても触れられている。

「実際に患者を前にしたお医者さんって、このようなきつい言い方はしないと思うんですよね」

そう中島みゆきが発言したのは、最初の打ち合わせの場だった。

中絶をしにきた浅野ゆう子扮する凪子に、中島みゆき扮する産婦人科医が話しかけるセリフに、違和感があったのだ。

自分の父親が産婦人科医だけに、それがよく分かるのだ。

「セリフ一つ一つに、かなり疑問があるんです」

そう言って、中島みゆきがバッグから一枚の紙を取り出す。

そこにはなんと、中島みゆきが自分ならこうするというセリフが直筆で書き込まれていた。

事前に渡した台本はボロボロになるまで読み込まれており、その反復の中で、考え出されたセリフなのだろう。

大多亮は、核心をついたそのセリフに驚き、その後、脚本家の野沢尚に中島みゆきの意図を汲んだ形で台本を書き直してもらったという。

中島みゆきが出演するまでの舞台裏

プロデューサーの大多亮や脚本家の野沢尚は、脚本を練る段階で、産婦人科医の南雲律子役に、中島みゆき「的」な役者をイメージしていたという。

だが、スタッフの1人に促されるまでは、本人に出演してもらおうというつもりは毛頭なかった。

ダメ元でレコード会社を通じてオファを出したところ、2週間後に「脚本の内容に相談に乗ってくれれば出演OK」という答えが返ってきた。

その時のスタッフたちの盛り上がりを、大多は「全盛期のキャンディーズにでも会うような興奮につつまれた」と表現している。

一方、オファを受けた中島みゆきはというと、とんだ勘違いをしていたようだ。

出演といっても、ヒッチコックが画面の隅っこにヒョイと一瞬だけ映るような、いわばカメオ出演をイメージしていたのだ。

だが、いざ台本をもらい、表紙をめくると、自分の名前のしたに「南雲律子」という役名が書かれていて、嫌な予感。

さらに読み進めて、予感は的中。

セリフが何行もあるしっかりとした役だったのだ。

自分で書いた歌詞ですら覚えられないのに、そのキャパを優に超えた長文のセリフに、血の気が引いたという。

撮影中にNGを出した中島みゆき

中島みゆきが出演したシーンは海際に立つ産院が舞台。

撮影は、新潟県の佐渡ヶ島で行われた。

朝が苦手な中島みゆきに、撮影のためにずいぶんと早起きしてもらったと、プロデューサーの大多亮は心苦しく当時のことを振り返っている。

さて、果たして中島みゆきはセリフをちゃんと上手く言えたのだろうか?

その辺のことが、中島みゆきの著書『愛が好きですⅡ』の中で書かれている。

それによると、ロケ地に到着してもまだ、セリフを覚えられていなかった。

だが、中島みゆきの中で、淡い期待があった。

脚本には、長いセリフのほとんど一行ごとに線が引かれて区切られていて、そこに、カメラアングルなどのメモが書かれていたのだ。

スタッフ側の段取りのための小休止なのだろうと、踏んだ。

その小休止ごとに、セリフをその都度覚えていけばいいんだと気が楽になったのだが……。

いざ、撮影本番、「いけるとこまで続けてくださーい」というスタッフの声に、その淡い期待は打ち砕かれてしまったのである。

最終回の、浅野ゆう子扮する凪子との掛け合いのシーンの撮影では、浅野ゆう子のセリフが急に途切れてしまう。

中島みゆきは、「次の芝居をお忘れになったのかしら」と案じていたが、実は次にセリフを言う番は中島の方だった。

忘れていたのは自分だったという気恥ずかしいオチに、

「あぁ、やっぱりドラマは、こりた」

と身に染みたという。

撮影後

中島みゆきの撮影シーンを撮り終えた直後、現場では『浅い眠り』のイントロが流れ始めた。

拍手の中、浅野ゆう子が、花束を抱えて現れ、中島みゆきに渡した。

いわゆるオールアップ。

中島みゆきの撮影は、『浅い眠り』の大合唱でフィナーレを迎えるのだが、本人曰く、歌詞をド忘れして自分だけ一部歌っていなかったのだそう。

ドラマ『親愛なる者へ』のみんなの感想

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