1999年の中島みゆきのアルバム曲『PAIN』
「夜会VOL.8 問う女」のために書き下ろされた曲で、劇中ではラストに印象的に歌われている。
この曲と対になる『RAIN』という曲が劇中で歌われているが、この2つの曲は、どのように違うのだろうか。
また、テレビで放送されたレコーディング風景についても触れておこう。
この記事は、
- 『PAIN』と『RAIN』の違い
- 『PAIN』の「笑え雨よ」の意味
- テレビで放送された『PAIN』のレコーディング風景
について書いてます!
中島みゆき『PAIN』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 David Campbell
『PAIN』と『RAIN』の違い
「夜会VOL.8 問う女」は、地方局のアナウンサー・綾瀬まりあ(中島みゆき)が、1人のタイ人娼婦との出会いを通し、自分の言葉を取り戻していくというストーリーだ。
劇の中盤では『RAIN』が、ラストでは『PAIN』がそれぞれ歌われている。
これら2つの曲は、同じ旋律ではあるが、一部の歌詞が異なる。
違いを見比べてみると、主人公・綾瀬まりあの心境の変化を読み取ることができるのだ。
『RAIN』
見えるだろう
心の中には決して必ずしも
綺麗な花だけ咲きはしない
(『RAIN』より)
ただ流され行く心に 言葉はいらない
(『RAIN』より)
『PAIN』
ただ流され行く木の葉に 綴られた言葉を
(『PAIN』より)
CD版『PAIN』
アルバム『月-WINGS』に収録されている『PAIN』でも、一部の歌詞が変更されている。
見えるだろう
心の中には淋しさの手紙が
宛名を書きかけてあふれている
(『PAIN』より)
ただ流されて行く木の葉に 綴られた名前を
(『PAIN』より)
「笑え雨よ」の意味
歌え雨よ 笑え雨よ
救いのない人の 愚かさを
歌え雨よ 笑え雨よ
限りのない 人の哀しさを
(『PAIN』より)
「笑え雨」というのは蔑むような笑いではない。
アルバム『月-WINGS』に収められた英訳カードには以下のように書かれている。
「Smile at us gently, rain」……「私たちに優しく微笑んでくれ、雨よ」
テレビで放送された『PAIN』のレコーディング風景
1999年12月7日放送の「スーパースターライブ/中島みゆき・夜会の冒険」(NHK衛星第2)の中で、『PAIN』のレコーディング風景がオンエアされた。
中島みゆきのレコーディングは同時録音形式。
通常の、別撮りした音を1つずつ重ねていくという手法ではなく、オーケストラを集め、歌と演奏を一発録りするスタイルだ。
インタビューでアレンジャーの瀬尾一三は以下のように答えている。
「ふつうならビビリますよね。失敗したらどうしようかと思いますよね。小憎たらしいほど上手く歌いますよ。燃えるみたいですね。彼女(中島みゆき)はどこにいてもビクとしませんね、腹が立つほど(笑)」
『PAIN』のレコーディングは1999年7月28日に行われた。
防音のために、中島みゆきだけはブースの中に1人だけ入り、マイクの前に立つ。
ガラス越しには大勢のオーケストラ。
この曲のアレンジャーであるDavid Campbellの指揮により、弦楽器が奏でられ、それに中島みゆきの歌が乗せられていく。
なお、こちらは資料用の映像で、市販化されていない。
中島みゆきの歌はテイクごとに変化していく。
歌はナマモノ。
だからこそ、オーケストラとリアルタイムで呼応できるレコーディング環境が望ましいのだ。
1995年「FMSTATION」11月20日号のインタビューで、中島みゆきはオーケストラについて以下のように語っている。
「歌い手の息を吸うタイミングをちゃんと聴いてて、どう歌おうとしているかを聴いて、次の音を出す準備をしている」
また、1996年「FMSTATION」11月20日号のインタビューでは、以下のようにも答えている。
「それぞれが影響し合って、音楽はどんどん発生していくものだと思うから。完成されたオケと歌とでは影響し合わないわけでしょ」
『PAIN』はこんな曲
傷ついて孤独になってしまった心が、雨に救いを求めている。
抗(あらが)う水には 行く手は遠い
崩れる水には 岸は遠い
どんなに傷つき汚れても 人はまだ傷つく
痛まない人など あるだろうか
(『PAIN』より)
『PAIN』のみんなの感想
(´・ω・`)中島みゆきさんの、PAIN、って言う曲いいわ・・・今初めて聞いて感動した・・・自分的にはかなり中島みゆきさんの曲を聴いて来たつもりだがまだまだだな・・・全てを聴き、全て記憶したいですね・・・歌詞とかねwww
— まりも (@146t) October 27, 2011
中島みゆきは紹介したこと今までなかったと思うけど、中島の秘めたる名曲「PAIN」を紹介しておきます。私の中では中島みゆき1,2を争う名曲です。http://bit.ly/9rEOMc
— 緑雨 (@ryoku28) July 19, 2010
中島みゆきさんの『pain』は隠れた名曲だと思ってる。
— lain@高木さん聖地巡礼しました! (@lain_1108) August 31, 2018
本人映像
『夜会VOL.8 問う女』
1996年上演。言葉を使い捨てる生き方に虚しさを覚えるアナウンサーの女。
日本語が話せない外国人娼婦との出会いをきっかけに、言葉と向き合い直す姿を描いている。
『PAIN』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『月-WINGS』
1999年リリースのオリジナルアルバム。
「夜会VOL.7 2/2」~「夜会VOL.10 海嘯」からセレクトした楽曲をセルフリメイク。
【収録曲】
『1人で生まれて来たのだから』『紅い河』『LAST SCENE』『女という商売』『SMILE,SMILE』『PAIN』『白菊』『時効』『愛から遠く離れて』
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