2012年の中島みゆきのアルバム曲『風の笛』
東日本大震災後に制作されたアルバムの中の1曲で、被災地の人々を意識したような歌詞にも取れる。
コンサートで語られたこの曲への思いや、曲中に流れる笛のエピソードまで色々みていこう。
この記事は、
- 東日本大震災・コロナ禍の中の『風の笛』
- 『風の笛』について中島みゆきが思うこと
- 『風の笛』で流れる笛はこだわりの特注品
について書いてます!
中島みゆき『風の笛』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
東日本大震災・コロナ禍の中の『風の笛』
東日本大震災と『風の笛』
『風の笛』は、東日本大震災の翌年にリリースされたアルバム『常夜灯』の中の1曲。
東北の応援歌といわれる『倒木の敗者復活戦』や、福島原発事故がモチーフになった『リラの花咲く頃』が収録され、全体的に東日本大震災を意識したアルバムとなっている。
『風の笛』は、耐える被災者へ寄り添う曲として取れる。
つらいことをつらいと言わず
イヤなことをイヤとは言わず
吞み込んで隠して押さえ込んで
黙って泣く人へ
(『風の笛』より)
東日本大震災後に出された最初のアルバムは2011年11月16日リリースの『荒野より』である。
だが、中島みゆきは、このアルバムには、まだ震災を反映した曲は収録されていないと、出演したラジオ番組で語っている。
また、震災について、日本人の誰しもの胸に刻み込まれた出来事であり、曲を作る上で避けては通れないという旨の発言もしている。
コロナ禍と『風の笛』
『風の笛』が収録されているベストアルバム『ここにいるよ』は、コロナ禍で全国ツアーが中止になったことにより、急遽制作された。
プロデューサー&アレンジャーの瀬尾一三によると、このアルバムの収録曲は、コロナ禍で人々がどんな曲を望んでいるのかを考えて選曲されており、『風の笛』もその1曲。
コンサートでは反響が大きく、観客が前のめりになるほど人気の曲だという。
ならば 言葉に出せない思いのために
お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代りに
ささやかに吹け風の笛
(『風の笛』より)
『風の笛』について中島みゆきが思うこと
コンサートで中島みゆきは、『風の笛』を歌う前のMCで、以下の旨を語っている。
- 言葉というものに憧れ、追求してきたけれど、言葉を使えば使うほど思いが届かないことがあり、また、誤解を生むことさえある。
- 皮肉なことに、言葉を発するよりも、黙り込んだ方が説得力を帯びることだってある。
曲中の笛はこだわりの特注品
『風の笛』のラストで流れる印象的な笛の音。
「ラジオ瀬尾さん」の中で、プロデューサー&アレンジャーの瀬尾一三がこの笛のエピソードを語っている。
笛の音をラストに流すというのは、中島みゆきから出たアイディアだった。
笛を吹いているのは瀬尾一三で、サッカーなどスポーツの審判で用いられるホイッスルを使用。
ちゃんと曲のキーに音色を合わせるために、特注でいくつか笛が作られ、その中から1番ふさわしいものが選ばれたのだ。
この笛は、現在、瀬尾一三の自宅で保管されている。
なお、中島みゆきがコンサートで吹いた赤い笛は、また別の特注品で、中島みゆきは瀬尾よりも1個多い2つの笛を所有しているんだとか。
『風の笛』はこんな曲
愚痴を言えず溜め込んでしまう人へ、中島みゆきは救いを差し伸べている。
本音を吐けないなら、代りに笛を吹けばいい。
ミュージシャンならではの素敵な提案だ。
言葉に出せない思いのために
お前に渡そう風の笛
言葉に出せない思いの代りに
ささやかに吹け風の笛
(『風の笛』より)
『風の笛』のみんなの感想
中島みゆきさんの
“風の笛”が流れてきた心が震えた
涙が頬をつたって落ちた— フドウ スズキ (@hatarakiman1967) January 18, 2022
中島みゆきの「風の笛」
グサッと来たわw— まぁべぇさん (@maabeesan) September 7, 2022
#FMおとくに
LIVE MUSIC再放送「中島みゆき」特集6曲目
東日本大震災の翌年にアルバム収録された『風の笛』
私が海の底を彷徨っていた頃、巡り合って救われた一曲でもある辛いことを辛いと、嫌なことを嫌だとと言わない人、言えない人。
黙って泣くしかった人への応援歌!!— マイマイ🍖🎹🧸🐢 (@My2Mymy) May 1, 2021
本人映像
『中島みゆき「縁会」2012〜3』
2012~2013年に行われたコンサートツアー「縁会2012~3」のライブDVD/Blu-ray。
『風の笛』の最後に、力いっぱい笛を吹く中島みゆきも見どころ。
『風の笛』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『常夜灯』
2012年リリースのオリジナルアルバム。
- 日本テレビ系ドラマ「東京全力少女」の主題歌『恩知らず』
- 東北の応援歌といわれる『倒木の敗者復活戦』
- 舞台劇「真田十勇士」の主題歌『月はそこにいる』
を含む全12曲。
【収録曲】
『常夜灯』『ピアニシモ』『恩知らず』『リラの花咲く頃』『倒木の敗者復活戦』『あなた恋していないでしょ』『ベッドルーム』『スクランブル交差点の渡り方』『オリエンタル・ヴォイス』『ランナーズ・ハイ』『風の笛』『月はそこにいる』
『ここにいるよ』
2020年にリリースされたコンセプトベストアルバム。
「エール」をテーマに集められた珠玉の26曲。
【収録曲】
《エール盤》
『空と君のあいだに』『旅人のうた』『宙船 (そらふね)』『糸』『ファイト!』『ひまわり“SUNWARD”』『瞬きもせず』『泣いてもいいんだよ』『負けんもんね』『時代』『ホームにて』『空がある限り』『地上の星』
《寄り添い盤》
『アザミ嬢のララバイ』『泣きたい夜に』『愛だけを残せ』『悪女』『あした』『タクシードライバー』『with』『最後の女神』『慕情』『帰省』『たかが愛』『風の笛』『誕生』
『中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-』
2007年、2012~2013年、2015~2016年に行われた3つのコンサートから収録されたライブアルバム。
ライブバージョンの『風の笛』を聴くことができる。
- 吉田拓郎の曲『唇をかみしめて』もカバーしている
【収録曲】
『もう桟橋に灯りは点らない』『ピアニシモ』『糸』『時代』『愛だけを残せ』『ララバイSINGER〜アザミ嬢のララバイ』『あした』『唇をかみしめて』『世情』『風の笛』『夜行』『ジョークにしないか』
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