1998年の中島みゆきのアルバム曲『4.2.3.』
この曲は、1996~1997年にペルーで起きた日本大使公邸襲撃占拠事件がモチーフになっている。
一体どういう事件で、中島みゆきはどんなことを思ったのか、歌詞と照らし合わせながらみていこう。
この記事は、
- 『4.2.3.』のモチーフになった日本大使公邸襲撃占拠事件とは?
- 『4.2.3.』で中島みゆきが危機感を抱くメディアの報じ方
について書いてます!
中島みゆき『4.2.3.』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
中島みゆき史上最も長い曲
『4.2.3.』は、12分間という中島みゆきの楽曲の中で最も長い曲である。
在ペルー日本大使公邸襲撃占拠事件がモチーフ
事件の概要
『4.2.3.』は、1996~1997年にかけてペルーの首都リマで起きたテロリストによる日本大使公邸襲撃および占拠事件がモチーフとなっている。
革命運動の構成員が、1996年12月17日夜に乱入し、そこから約4カ月にも渡って人質を盾に占拠し続けた事件だ。
その占拠状態は、1997年4月22日に、特殊部隊の突入により幕引きとなった。
蟻のように黒い人影が走り込む 身を潜める 這い進む 撃ち放つ
(『4.2.3.』より)
曲のタイトル「4.2.3.」の意味
特殊部隊の突入が行われた1997年4月22日が、日本時間では4月23日。
この日付が「4.2.3.」という曲のタイトルになっている。
コンサートでの宣言
特殊部隊の突入があった日、中島みゆきは全国ツアー中だった。
「中島みゆきCONCERT TOUR ’97「パラダイス・カフェ」」のMCの中で、中島みゆきはこの事件についていつか曲にしたいと宣言した。
「私は私なりに思うところはあるけど、私は評論家ではないし、思うところはいつか、歌にしたいと思います」
それから約1年後の1998年3月18日、宣言通り、『4.2.3.』が発表された。
中島みゆきの一人称視点の曲
『4.2.3.』は、中島みゆきの一人称の視点から描かれている。
食べていくための仕事にひと休みして 私はTVをつけた
眠らぬ旅のあれこれを 生まれた街で癒そうと試みていた
(『4.2.3.』より)
特殊部隊の突入があった4月23日は、北海道厚生年金でコンサートが行われた日だ。
中島みゆきは、ホテルかどこかで、ニュースを観ていたのだろう。
4月23日の札幌の最高気温は5.7℃、最低気温3.2℃。
明日にはこの街にも雪がちらつくだろうと
季節はずれの天気予報が流れていた
(『4.2.3.』より)
たいていこの時期の札幌の気温は、2ケタ代が多い。
季節外れの雪に足りうる条件だ。
中島みゆきが危機感を抱いたメディアの報じ方
『4.2.3.』では、特殊部隊が突入する瞬間が生々しく描かれている。
だが、この曲は、事件そのものではなく、その事件を報じたメディア側にフォーカスしている。
この突入により、現地の3人の命が犠牲になったが、日本メディアはそのことには触れなかった。
リポーターは日本人が手を振っていますとだけ嬉々として語り続ける
担架の上には黒く煤けた兵士
(『4.2.3.』より)
なぜ、日本人以外の人命に心を払わないのか?
メディアの報じ方に、日本の行く末を案じ、また、警鐘を鳴らしている。
この国は危ない
何度でも同じあやまちを繰り返すだろう 平和を望むと言いながらも
日本と名の付いていないものにならば
いくらだって冷たくなれるのだろう
(『4.2.3.』より)
『4.2.3.』とよく引き合いに出されるのが、ザ・イエロー・モンキーが1996年に発表した『JAM』という曲。
飛行機の墜落事故で日本人乗客がいなかったことを嬉しそうに伝えるニュースキャスターと、それに対する主人公の強い違和感が描かれている。
『4.2.3.』のみんなの感想
中島みゆきさんの楽曲に「4.2.3」と言う曲があるのだが、この曲の歌詞は日本人の本質を見抜いている。
ペルー日本大使公邸占拠事件をモチーフとして書かれたものだで、タイトルは日本時間における大使公邸に救出部隊が突入した1997年4月23日のこと。
— しんいちろう@審神者と新米特務司書と自分 (@shinichiroh0117) March 22, 2020
4.2.3 ペルー人質事件を歌にしていました。中島みゆきさんの視点の鋭さに驚きました。 ( @kawarunikawaran キャス https://t.co/dxPbMGo2AU )
— あたた丸☀ (@atatamaru) May 29, 2016
帰り道、中島みゆきの4.2.3を流しながら運転していたのだけど、確かにこれは異色で、尚且つストレートなナンバーだなと。ペルーの大使館人質事件を題材に採ったナンバーなんですが
— マーニャ (@sputnik1230) July 15, 2015
『4.2.3.』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『わたしの子供になりなさい』
1998年リリースのオリジナルアルバム。
こちらに収録されているのはアルバムバージョンの『命の別名』。
オリジナルよりもハードでロック色の強い仕上がりになっている。
- TBS系ドラマ「聖者の行進」の主題歌『命の別名』アルバムバージョン
- フェイ・ウォンに提供した『清流』
- 映画「大いなる完(ぼんの)」主題歌『私たちは春の中で』
- テレビ朝日系ドラマ「はみだし刑事情熱系」主題歌『愛情物語』
- 石嶺聡子に提供した『You don’t know』
- 竹中直人に提供した『紅灯の海』
を含む全10曲
【収録曲】
『わたしの子供になりなさい』『下町の上、山の手の下』『命の別名』『清流』『私たちは春の中で』『愛情物語』『You don’t know』『木曜の夜』『紅灯の海』『4.2.3.』
中島みゆきのシングル曲を今すぐ聴きたい!(無料お試し期間実施中!)
中島みゆきのシングル曲はお手持ちのスマホ・パソコン・タブレット端末で今すぐ聴くことができる。
「Amazon Music Unlimited」なら、月額980円(プライム会員は月額780円)で、中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題!!
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)
もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。
その数、9,000万曲以上!!
新規登録の場合、無料お試し期間があるので安心!