1988年の中島みゆきのアルバム曲『吹雪』
中島みゆきは、この曲が北海道の泊原発の反対運動がモチーフになっていることを1989年のコンサートの中で明かしている。
中島みゆきと泊原発の関係についてみていこう。
この記事は、
- 泊原発の反対運動がモチーフになった『吹雪』
- 泊原発と中島みゆきの関係
について書いてます!
中島みゆき『吹雪』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
泊原発の反対運動がモチーフになった
1998年の全国ツアー「野ウサギのように」の中で『吹雪』が歌われている。
MCの中で中島みゆきは、「あまり自分の曲は解説しないのだけど」と前置きして、この曲が第五福竜丸や北海道の泊原発の反対運動がモチーフになっていることを明かしている。
舞台セットについて、「第五福竜丸の船底みたいでしょ?」と触れ、また、歌詞の一部になぞらえて「ブームに気をつけて下さい」と発言している。
疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて
静かになる日が来たら 予定どおりに雪が降る
(『吹雪』より)
コンサートでは、この曲中、ステージから観客席へ照明が向けられた。
わが身の問題として考えて欲しいという演出なのかもしれない。
第五福竜丸
1954年3月1日にビキニ環礁でアメリカ軍による水爆実験が行われた。
当時、マーシャル諸島近海で操業していた遠洋マグロ漁船第五福竜丸が、実験による放射性降下物(死の灰)を浴び、被ばくする事態となった。
中島みゆきと泊原発の関係
なぜ、中島みゆきは泊原発の反対運動をモチーフにしようと思ったのだろうか。
それには、中島みゆきの生い立ちが深く関係していると思われる。
中島みゆきは、5才から11才の間、北海道の岩内町という場所で暮らしていた。
この町は、海に面していて、その対岸に見えるのが泊村なのだ。
岩内町から現在の泊発電所の全貌を眺めることができるほど、目と鼻の先の距離に2つの町村はある。
スケトウダラ漁がさかんな岩内町では、原発から出される排水が悪影響を及ぼすことを危惧して、反対運動が起きた。
また、原発の燃料を積んだ船に対しデモが行われた場所も、この岩内だ。
中島みゆきは、1976年「東京スポーツ」4月30日付で、この岩内のことを以下のように語っている。
「ふるさとなんてどこにもない。でも、5つの時から11まで住んだ岩内の”赤灯台”と、そこから見た日本海の荒波は強烈に覚えているワ」
中島みゆきの曲には、海を歌った曲が多い。
その理由を、1992年「月刊カドカワ」11月号のインタビューで「郷愁に近いものがある」からと答えている。
「ウニとかアワビとかイカとかがいっぱいいそうな海がいいな」
海の幸への思い入れも強く、中島みゆきにとって海の存在は大きい。
もはや他人事ではない原発を歌にするのは、当然の流れといえる。
日に日に深まる暗闇 なお深まるかもしれない
日に日に打ち寄せる波が 岸辺を崩すように
(『吹雪』より)
「羽の形」は原発の象徴?
降り積もる白いものは 羽の形をしている
数えきれない数の 羽の形をしている
あまりにも多過ぎて やがて気にならなくなる
(『吹雪』より)
何かの象徴のようにも取れるこの「羽の形」。
原発反対のデモの中にいた旭川大学長の山内亮史は、この「羽の形」を、原発の象徴である放射線管理区域を示す3枚の羽根のマークと解釈している。
『吹雪』はこんな曲
姿の見えない脅威は忘れ去られやすい。
声を上げ続け、一過性のブームで終らせてはいけないのだ。
疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて
静かになる日が来たら 予定どおりに雪が降る
(『吹雪』より)
『吹雪』のみんなの感想
中島みゆきの「吹雪」という曲の、「疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて 静かになる日が来たら 予定通りに雪が降る」という歌詞を最近よく思い出す
— 言=ニ=隹 (@WqZiqGKhHwjzaG7) February 18, 2021
中島みゆきさんは「吹雪」という曲が忘れられません。アルバムの一番最後に淡々と収録されていた曲。一生刺さって抜けない棘のようです。
名曲が沢山あるけど、私は「吹雪」が一番印象に残っています。— 田中ユウコ (@jabbawocky_tnk) September 5, 2020
中島みゆきさんの、吹雪、という曲はなんとなく今の世の中を表しているような気がする。なんで❓と言われるとなんと言っていいかわからんけど、でもなんかすごくそんな気がする🌝
— futa365 (@futa3651) April 7, 2020
カバーしたアーティスト
上杉昇
2020年のシングル『カワラコジキ』のカップリング曲。
『吹雪』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『グッバイガール』
1988年リリースのオリジナルアルバム。
- 前川清に提供した『涙 -Made in tears-』
- 原発反対運動をモチーフにした『吹雪』
を含む全9曲。
【収録曲】
『野ウサギのように』『ふらふら』『MEGAMI』『気にしないで』『十二月』『たとえ世界が空から落ちても』『愛よりも』『涙 -Made in tears-』『吹雪』
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