1989年の中島みゆきのアルバム曲『春なのに』
1983年に柏原芳恵に提供し、後に中島みゆきがセルフカバーした曲だ。
卒業ソングの鉄板で、第二ボタンを卒業式の風物詩として定着させた曲とも言われている。
教科書に掲載されそうになった話から、天皇陛下のお気に入りの1曲だったという話まで、この曲にまつわる裏話を詳しくみていこう。
この記事は、
- 天皇陛下のお気に入りの曲は『春なのに』
- 『春なのに』の教科書掲載が見送られた理由
- 第二ボタンを定着させた『春なのに』
について書いてます!
中島みゆき『春なのに』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
柏原芳恵に提供された曲
柏原芳恵の代表曲
『春なのに』は、柏原芳恵に提供された曲で、1983年1月11日に12作目のシングルとしてリリースされている。
週間オリコンチャート6位、累計33万枚以上のセールスを記録。
この曲で初の紅白出場を果たし、柏原の代表曲となった。
リリース当時の柏原芳恵は、高校2年生の17歳。
歌の主人公とリンクする年齢で、この頃の歌番組には、制服姿でこの曲を歌うことが多かった。
この曲を作った中島みゆきもまた、学生の頃に戻った気持ちでこの曲を書いたと後に語っている。
シングル『春なのに』のB面には、中島みゆき『渚便り』のカバーが収録されている。
中島みゆきからのアドバイス
2020年「女性セブン」12月3日号の記事によると、レコーディングの際、柏原芳恵は中島みゆきから『春なのに』の歌い方についてアドバイスを受けていた。
「すべての歌詞が悲しいのではない」
この教えを受け、メリハリをつけて歌うことができるようになったと柏原は語っている。
レコード大賞金賞&作曲賞
1983年の「第25回日本レコード大賞」で『春なのに』は金賞を受賞。
また、この曲で中島みゆきは、作曲賞も受賞している。
天皇陛下のお気に入りの曲は『春なのに』
『春なのに』は、現在の天皇陛下のお気に入りの1曲である。
2019年「NEWSポストセブン」によると、天皇陛下は、柏原芳恵のファンで、1986年10月19日に行われた柏原の7周年リサイタルに足を運んでいた。
その際、東宮御所の庭から一輪切り取って来た「プリンセス・サヤコ」というピンクの薔薇をプレゼントしている。
「プリンセス・サヤコ」とは、フランスのミッテラン大統領夫人が来日した際に、現・天皇陛下の妹にあたる紀宮清子(さやこ)内親王の誕生日を祝して捧げられた花。
教科書掲載が見送られた理由
2003年3月5日放送の「速報!歌の大辞テン!!」に柏原芳恵が出演。
『春なのに』が卒業式で広く歌われていることから、音楽の教科書に載せる動きがあったことを明かしている。
だが、以下の歌詞により、掲載が見送られた。
卒業しても 白い喫茶店
今までどおりに 会えますねと
(『春なのに』より)
教育上、学生に「喫茶店」は好ましくないというのが却下の理由だった。
第二ボタンを定着させた曲
卒業式で男子が女子に第二ボタンを送るという風習は、この曲よりも前にあった。
もともとは戦時中、とある1人の青年が、出征を前に、密かに恋心を抱いていた兄嫁に自分の身代わりとして預けたボタンが由来とされる。
それが卒業式の別れの際に送る風習として広まっていった。
1983年の『春なのに』や1985年の斉藤由貴が歌う『卒業』により、卒業の風物詩として全国的に定着していったとされる。
記念にください ボタンをひとつ
青い空に 捨てます
(『春なのに』より)
『春なのに』はこんな曲
卒業の日を境に会えなくなってしまう男子への想いを歌っている。
それほど寂しさを感じていない男子。
2人の熱量の差が、また切ない。
春なのに お別れですか
春なのに 涙がこぼれます
春なのに 春なのに
ため息 またひとつ
(『春なのに』より)
『春なのに』のみんなの感想
今上陛下が「春なのに」をお好きなのは承知して居りますが、中島みゆきへの賛辞で宜しかったのでしょうか?
— 御膳掛 (@ozen1069) December 31, 2021
柏原芳恵『春なのに』の作詞作曲は中島みゆきだったのか…知らなかった。改めて聴くと、少し青臭さを感じさせる切ない歌だなぁ。
— 偽G (@gachapin99) October 26, 2021
春なのに、中島みゆき自身が歌うのが想像できない曲だなあ。普通つくった本人の歌がだいたい想像できるのに。職人的なのかも。
— たかぎ (@_takagi_) October 24, 2021
カバーしたアーティスト
宮本浩次
2021年のアルバム『縦横無尽』に収録。
徳永英明
2015年のカバーアルバム『VOCALIST 6』に収録。
中孝介&カサリンチュ
2011年のシングル。
『春なのに』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『回帰熱』
1989年リリースのオリジナルアルバム。
セルフカバー集第3弾。
- 工藤静香に提供した『黄砂に吹かれて』
- 薬師丸ひろ子に提供した『未完成』
- 柏原芳恵に提供した『春なのに』
を含む全9曲。
【収録曲】
『黄砂に吹かれて』『肩幅の未来』『あり、か』『群衆』『ロンリーカナリア』『くらやみ乙女』『儀式(セレモニー)』『未完成』『春なのに』
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