1986年1月13日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」に尾崎豊がゲスト出演している。
ちょうど成人を迎えたばかりの尾崎豊だが、朴訥とした話し方はずいぶんと大人びている。
プライベートなことから歌手活動に至るまで、中島みゆきが根掘り葉掘り聞き出す、今となっては非常に貴重な対談である。
(※部分的に編集しています)
この記事は、
- リスナーから尾崎豊への質問
- 中島みゆきの思う尾崎豊の歌詞
について書いてます!
二十歳の尾崎豊
1965年11月29日生まれ、ハタチと2カ月足らずの尾崎豊が今回のゲスト。
中島みゆきは、目の前にいる尾崎豊の風貌を実況する。
屋内なのに、しっかりコートを着て、襟を巻き、かなりの厚着スタイル。
みゆき「こんだけ厚着なら中身すっぽんぽんじゃねぇかってくらい。暑くないですか?」
尾崎「いえ」
みゆき「私の番組、今まで聞いたことあります?」
尾崎「あります」
みゆき「お互い足長いですからぶつかりましたね、机の下」
ハイテンションの中島みゆきに対し、尾崎は朴訥としてクールな印象だ。
尾崎豊への質問
CMを挟んで、中島みゆきは尚も尾崎豊の厚手のコートが気になる様子。
みゆき「暑くないですか?」
尾崎「寒がりですから」
シャイに笑う尾崎に、中島みゆきはリスナーからの質問を読み上げる。
成人式には出席しますか?
今度1月15日に成人式ですが、出席しますか?
尾崎「しません…」
というのも、この頃、尾崎豊は実家には住んでおらず、成人式のハガキは受け取ってなかったからだ。
尾崎の出身地は東京。
だが、中島みゆきは尾崎の故郷がずっと広島だと思っていたようだ。
みゆき「広島出身のアーティストって虐げられた感じがあって(笑)」
コンサートツアーどれくらいやる?
コンサートツアーやってるそうですが、年間何本ほどですか?
尾崎「90本」
移動も含めると1年の半分以上をコンサートに費やしていることになる。
尾崎豊は、この年の1月1日まで、福岡国際センターでライブを行い、その後、無期限活動停止を発表している。
また、この番組の放送から約5カ月後には、単身でニューヨークへ渡っている。
元旦もコンサートを行っていることに中島みゆきは度肝を抜かれた。
みゆき「この場合、打ち上げってどんな風にやるんですか?」
尾崎「忘年会と新年会、いっしょにやりました(笑)」
90本という長丁場のツアーに、尾崎の体調が気遣われる。
みゆき「風邪、ひきませんでした?」
尾崎「ぜんぜん」
みゆき「体には自信があるんですか?」
尾崎「そうでもないですけど(笑)」
ここで尾崎はサングラスを外した。
これについても逐一実況する中島みゆき。
尾崎のかけていたサングラスは真ん中のところはダークブルーグレーみたいな色で、周りにいくほど透明な仕様になっている。
尾崎ファンのリスナーのために、さらに風貌を細かく実況する。
みゆき「髭がのびてますけど、このまま伸ばす予定ですか? 次のコンサートではヤギみたいになってたりして(笑)」
尾崎「いいかもしれませんね(笑)」
尾崎のセリフはアドリブなのか?
今、ビデオを見てステージアクションが優れものですが、お手本がいるのですか?
ちょうどこのオンエアの日、フジテレビでは尾崎豊のコンサート映像が放送された。
10代最後のツアーというコンセプトだというが。
みゆき「19歳のうちにという深い思いがあったんですか?」
尾崎「ええ、少しは」
中島みゆきは、このライブ映像を事前に見ていた。
1985年11月15日に代々木オリンピックプール第一体育館で行われたこのライブは、会場が大勢の客で埋め尽くされていた。
ライブ映像の合間合間に、別撮りの尾崎豊がカメラに向かってメッセージを送るシーンが挿入されている。
みゆき「あれは自分で好きなように言ってるんですか?」
尾崎「ええ」
中島みゆきも、台本の言葉ではないと感じていたようだ。
みゆき「役者さんはたった3行だけでも台本通り言うとなると目が強張り、適当に喋れというと延々と喋り続ける」
映像に映る尾崎の目は後者の方の印象を受けたと、中島みゆきは言う。
尾崎豊のまつ毛は長い
中島みゆきは、尾崎豊がラジオ局に来るまでどう過ごしていたかを訊く。
みゆき「今日このラジオ出演のために、朝起きて体調整えて、何を訊かれても大丈夫なように神経を鍛えてとか?」
尾崎「(笑)」
みゆき「突然ですけど、まつ毛長いですね」
正面を向いているときはさほどそれを感じないが、ふと下を向いた瞬間、明らかにまつ毛が長いことが分かるのだという。
下を向いている。
尾崎が言葉少ななのは、照れているからなのだろうか。
尾崎豊はかつてDJだった?
みゆき「ラジオやってたことありますっけ?」
尾崎「ええ…」
みゆき「ディスクジョッキー?」
尾崎「っていう感じじゃないですけどね」
尾崎豊の話によると、自分で書いた短篇小説を朗読するという番組らしい。
1985~1987年にかけて放送されていた「誰かのクラクション」(東海ラジオ)がそれだ。
トーク一切なしで、自作の詩を朗読するスタイルの番組だった。
尾崎豊の歌詞
中島みゆきは、尾崎豊の歌詞について言葉数が多いという印象を持っている。
それだけに、同じ歌手として案じられることがあるようだ。
みゆき「歌詞、間違えません?」
尾崎「間違えたことはないです」
みゆき「すごいですねぇ」
尾崎「(間違えたとしても)気持ちだけ間違えてなけりゃいいんですよ」
小説を以前から書いていた尾崎豊
中島みゆきは、長いワンフレーズの歌詞を書ける尾崎豊なら、小説が書けるだろうと感じていた。
一方、中島みゆきの場合、1フレーズが短すぎて、エッセイを書こうとすると1~2ページ以上は簡単には続かないらしい。
みゆき「ずいぶん前から小説は書いてたんですか? 小学校の頃から小説書いてたような雰囲気がしないではないけど」
尾崎「ときたま書いてました」
中島みゆきは、尾崎に憧れるリスナーへ向けて、「まずは小説書いてください」とエールを送る。
歌ってる時の顔つき
ここで、尾崎豊の曲『Driving All Night』が流れる。
そして、迎えたエンディング。
この後のフジテレビで放送される番組を紹介する際に、中島みゆきは、ぜひ尾崎の歌う顔に注目して欲しいと促す。
みゆき「喋っている時の顔つきと歌い出してからの顔つきが全く違う。歌い出すとほとんどが顔が壊滅状態(笑)そこがよかったりするんだけど」
番組最後は、尾崎が中島みゆきの体調を気遣う形で締めくくられた。
尾崎「ありがとうございました。体に気をつけて」
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