2006年の中島みゆきのアルバム曲『宙船(そらふね)』
この曲は、TOKIOに提供され、ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)主題歌に起用された。
応援歌の要素が強く、甲子園の行進曲にもなり、様々な方面で知られた名曲だ。
制作裏話から、この曲に励まされた女優の土屋太鳳まで、色々みていこう。
この記事は、
- TOKIOの『宙船(そらふね)』が出来るまで
- 『宙船(そらふね)』の2つのデモテープ
- 『宙船(そらふね)』は土屋太鳳の応援歌だった
について書いてます!
中島みゆき『宙船(そらふね)』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三 中村哲
長瀬智也主演のドラマ主題歌
TOKIOへの提供曲
『宙船(そらふね)』は、中島みゆきが2006年にTOKIOへ提供した曲だ。
2022年4月14日放送の「奇跡体験アンビリバボー」(フジテレビ系)の中で、中島みゆきは制作当時のことを以下のように振り返っている。
「演奏に勢いのあるTOKIOさん用にとお話をいただいた時にはちょっと期待が盛り上がってしまいまして、到底自分では歌えない勢いの”ガッツリ系”に仕上がってしまいました」
中島みゆきの手に負えなかったのが、この曲の以下のパート。
何の試験の時間なんだ
何を裁く秤なんだ
何を狙って付き合うんだ
何が船を動かすんだ
(『宙船(そらふね)』より)
この早口部分のパートは、中島みゆきを悩ませ、コンサートではコーラスの宮下文一と交互に歌うことで負担を減らしている。
ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」の主題歌
TOKIOの『宙船(そらふね)』は、ボーカル長瀬智也主演のドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系)の主題歌に起用された。
「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」
2006年7~9月に放送された日本テレビ系のドラマ。
ヤクザ組長の座を狙っていた27歳の頭の悪い男が、組長である父親から高校で勉強することを命じられ、10代に交じって学園生活を始めるというコメディ。
最高平均視聴率23.2%を記録した大ヒットドラマだ。
TOKIOシングル歴代2位
TOKIOの『宙船(そらふね)』は2006年8月23日にシングルリリースされた。
2006年9月4日付の週間オリコンチャートで初登場首位を獲得。
その後、6週連続トップ5入り、9週連続トップ10入り、通算62週という長期にわたってチャートインした。
総売上枚数48万枚を記録し、TOKIOの歴代シングル曲の中で第2位の売上を誇る(1位は『LOVE YOU ONLY』の52万枚)。
また、着うたダウンロードでは100万件を突破していて、ジャニーズでは初だ。
提供曲が4つの年代で1位
TOKIO『宙船(そらふね)』の週間オリコンチャート1位獲得は、中島みゆきの方にも記録を打ち立てた。
これまでに中島みゆきが他アーティストに提供した曲が、この曲を加えると、4つの年代に渡って1位を獲得したことになる。
- 1976年『あばよ』研ナオコ
- 1988年『FU-JI-TSU』工藤静香
- 1988年『MUGO・ん…色っぽい』工藤静香
- 1989年『黄砂に吹かれて』工藤静香
- 1990年『私について』工藤静香
- 1993年『慟哭』工藤静香
2014年には、中島みゆきがももいろクローバーZに提供した『泣いてもいいんだよ』が週間オリコンチャートで1位を獲得。
これによって、記録は更新され、5つの年代で1位を獲得することになった。
ちなみに、中島みゆきとももいろクローバーZのこの異色のタッグは、ももいろクローバーZの1人が「『宙船(そらふね)』みたいな歌が歌いたい」と言ったことにより実現した。
2つのデモテープ
作曲者側が、関係者に曲のイメージを伝えるための歌入りデモテープ。
TOKIOの『宙船(そらふね)』の制作において、2つのデモテープが関わった。
宮下文一のデモテープ
中島みゆき側からTOKIO側へ渡されたデモテープには、中島みゆきではなく宮下文一の歌声が吹き込まれていた。
宮下文一は、中島みゆきがコンサートやレコーディングでよく組む男性コーラス。
提供先が男性グループということで、イメージしやすいように宮下の歌声が届けられた。
このデモテープこそが、TOKIOのメンバーが初めて聴いた『宙船(そらふね)』なのだ。
「中島みゆきCONCERT TOUR 2007」の中で、中島みゆきは、宮下文一と『宙船(そらふね)』をデュエットしている。
この模様は、DVD『歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-』に映像として収められている。
長瀬智也のデモテープ
TOKIOの『宙船(そらふね)』の編曲を手掛けたのは船山基紀。
アレンジについての打ち合わせのとき、船山は中島みゆきから以下のような要望を受けていた。
「あまり私のイメージじゃなくて、TOKIOのイメージでやってほしいんです」
船山はこのリクエストを受け入れつつ、どういう曲にしていくか思案していた。
そこへ、ボーカルの長瀬智也が「こんな感じの曲にしたい」とデモテープを持ってきたのだ。
それは、長瀬による弾き語りの『宙船(そらふね)』だった。
コンピューターで作ったドラムの音も伴奏として入っていて、その完成度の高さとTOKIOらしいサウンドに船山は圧倒された。
その後、船山は、このデモテープのサウンドをベースに、レコード会社や事務所の意向を汲み、より派手な曲になるようアレンジを施していった。
こうして、TOKIOの『宙船(そらふね)』が完成したのである。
船山基紀は、中島みゆきのデビュー曲『アザミ嬢のララバイ』や1980年代の代表曲『悪女』のアレンジを手掛けた編曲家だ。
だが、実際、中島みゆきと対面したのは『宙船(そらふね)』の打ち合わせの時が初めて。
紅白で歌われた
TOKIOは、『宙船(そらふね)』で2006年「第57回NHK紅白歌合戦」への出場を果たしている。
この影響で、年が明けた2007年1月15日付週間オリコンチャートでは、11週ぶりにトップ10入りし、6位にランクインしている。
センバツ高校野球の行進曲
TOKIOの『宙船(そらふね)』は、2007年の「第79回選抜高校野球大会」の開会式入場行進曲に採用された。
元大阪市音楽団長の永野慶作の編曲によって、行進曲仕様にアレンジされ、開会式の入場行進と、閉会式の優勝・準優勝チームが場内を1周する時に流された。
カラオケ人気曲
『宙船(そらふね)』はカラオケで多くの人に歌われている。
- 2007年 第一興商カラオケランキング…8位
- カラオケJOYSOUND 2007年曲別ランキング…7位
- JOYSOUD TOKIO楽曲内カラオケランキング…1位
日本レコード大賞作詩賞
2006年「第48回日本レコード大賞」で、中島みゆきは、『宙船(そらふね)』で作詩賞を受賞している。
土屋太鳳の応援歌
2017年4月1日放送のトーク番組「サワコの朝」(TBS系)にゲスト出演した土屋太鳳。
「今、心に響く曲」の1曲に、中島みゆきの『宙船(そらふね)』を挙げている。
土屋は、2019年1月27日放送の「SONGS」(NHK)の中でも、『宙船(そらふね)
』への思い入れを語っている。
2015年に土屋が主演を務めた連続テレビ小説「まれ」(NHK)の撮影期間中、試行錯誤していた時に心の支えになってくれたのがこの曲だったという。
『宙船(そらふね)』はこんな曲
本気の闘いとなれば、信じられるのは自分だけ。
全て自分にかかってると思えば、自ずとオールを握った手に力が入る。
自分を奮い立たせたいここぞという時に聴きたい曲だ。
その船を漕いでゆけ
お前の手で漕いでゆけ
お前が消えて喜ぶ者に
お前のオールをまかせるな
(『宙船(そらふね)』より)
『宙船(そらふね)』のみんなの感想
中島みゆきの宙船、大サビ前の『何の試験の時間なんだ 何を裁く秤なんだ 何を狙って付き合うんだ 何が舟を動かすんだ』のところが謎の迫力に溢れまくってて本当好きなんですよね
— さすらいのヒモ (@7WJp_Ebou) February 14, 2022
中島みゆきさんの宙船の歌詞が最近、深いなぁと感じた😅
何か会社生活にあてはまる様な感じがするのは私だけかな?!— じゅん (@gaki_jun0423) June 23, 2022
個人的な感想としては、TOKIOバージョンの宙船は仲間や同僚からの励ましで、中島みゆきさんのバージョンは師匠や上司からの叱咤激励って感じがする。
どちらも味があって良いね。#いんでしょ
— ロキGB a.k.a.ロキ・ギガバイト (@LokiGB_listener) February 12, 2022
カバーしたアーティスト
工藤静香
2008年のカバーアルバム『MY PRECIOUS -Shizuka Sings Songs of Miyuki-』に収録。
GHOST COMPANY
2014年のカバーアルバム『LOUD EATS J-POP』に収録。
本人映像
『歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-』
2007年に行われたコンサートのライブDVD/Blu-ray。
宮下文一とのデュエットで『宙船(そらふね)』が歌われている。
収録アルバム
『ララバイSINGER』
2006年リリースのオリジナルアルバム。
- 岩崎宏美へ提供した『ただ・愛のためにだけ』
- TOKIOへ提供した『宙船(そらふね)』
- 華原朋美へ提供した『あのさよならにさよならを』
- 工藤静香へ提供した『Clāvis -鍵-』
- 幼少期の自分を歌った『とろ』
- デビューシングル『アザミ嬢のララバイ』へのオマージュ曲『ララバイSINGER』
を含む全12曲
【収録曲】
『桜らららら』『ただ・愛のためにだけ』『宙船(そらふね)』『あのさよならにさよならを』『Clāvis -鍵-』『水』『あなたでなければ』『五月の陽ざし』『とろ』『お月さまほしい』『重き荷を負いて』『ララバイSINGER』
『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』
2016年リリースのベストアルバム。
2000年以降の曲からセレクトされた珠玉の全12曲。
【収録曲】
『銀の龍の背に乗って』『地上の星』『泣いてもいいんだよ』『常夜灯』『Nobody Is Right』『宙船 (そらふね)』『倒木の敗者復活戦』『Why & No』『India Goose』『産声』『麦の唄』『ヘッドライト・テールライト』
⇒『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』の解説&みんなの感想
『ここにいるよ』
2020年にリリースされたコンセプトベストアルバム。
「エール」をテーマに集められた珠玉の26曲。
【収録曲】
《エール盤》
『空と君のあいだに』『旅人のうた』『宙船 (そらふね)』『糸』『ファイト!』『ひまわり“SUNWARD”』『瞬きもせず』『泣いてもいいんだよ』『負けんもんね』『時代』『ホームにて』『空がある限り』『地上の星』
《寄り添い盤》
『アザミ嬢のララバイ』『泣きたい夜に』『愛だけを残せ』『悪女』『あした』『タクシードライバー』『with』『最後の女神』『慕情』『帰省』『たかが愛』『風の笛』『誕生』
『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』
2022年にリリースされたライブアルバム。
2020年に行われた幻のラスト・ツアー「結果オーライ」の音源を収録。
【収録曲】
『一期一会』『アザミ嬢のララバイ』『悪女』『浅い眠り』『糸』『ローリング』『流星』『最後の女神』『齢寿天任せ』『離郷の歌』『この世に二人だけ』『ナイトキャップ・スペシャル』『宙船(そらふね)』『あたいの夏休み』『麦の唄』『永遠の嘘をついてくれ』『慕情』『誕生』『人生の素人』『土用波』『はじめまして』
⇒『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』の解説&みんなの感想
中島みゆきのシングル曲を今すぐ聴きたい!(無料お試し期間実施中!)
中島みゆきのシングル曲はお手持ちのスマホ・パソコン・タブレット端末で今すぐ聴くことができる。
「Amazon Music Unlimited」なら、月額1,080円(プライム会員は月額980円)で、中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題!!
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)
もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。
その数、1億曲以上!!
工藤静香やGHOST COMPANYの『宙船(そらふね)』も聴くことができる!
新規登録の場合、無料お試し期間があるので安心!
⇒詳しくは「Amazon Music Unlimited」公式サイトへ