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鬼龍院翔が中島みゆきを考察

失恋

2020年5月24日にテレビ朝日で放送された音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』鬼龍院翔が出演し、中島みゆきについて熱く語った。

彼の考察に内容をプラスαして記事にまとめてみたぞ。

鬼龍院翔とは?

ビジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーのボーカル。

バンドの楽曲の作詞、作曲、編曲までを手掛けている。

この鬼龍院、実は大の中島みゆきファンらしい。

ファンクラブにも入っているという。

中島みゆきの歌が属するジャンルとは?

20歳の頃に大失恋したときに、中島みゆきの失恋ソングにどはまりしたという鬼龍院。

経験した完膚なきまでの失恋は、中島みゆきの失恋ソングの世界にかなり近かったという。

ここで、鬼龍院、「恋愛の歌には4つのジャンルがある」と持論を展開する。

①「出会い」の歌
②「うまくいっている状況」の歌
③「悪くなっていく状況」の歌
④「別れ」の歌

中島みゆきはこのうちの「別れ」の歌の分量が圧倒的に多いという。
ここで流れた曲がコレ。

『うらみ・ます』『わかれうた』

男たちを震え上がらせた名曲だ。

中島みゆきが「自分の看板をつくった」という『わかれうた』は、中島みゆきが初めてオリコン1位を獲得した代表的な楽曲。

そして、鬼龍院が考察する対象として挙げた曲が『どこにいても』

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『どこにいても』を鬼龍院が考察

『どこにいても』は1986年のシングル『見返り美人』のカップリング曲。

『どこにいても』(1986)(レコチョク)

鬼龍院もなかなかマニアックなとこを攻めている。

ちなみに番組で流れていたのは、2004年のオリジナルアルバム『いまのきもち』に収録されているセルフリメイク版。

『どこにいても』(2004)(レコチョク)

鬼龍院は、この曲の最後の一節がとにかく秀逸で核心をついていると語る。

どこにいてもあなたを探してしまう、という歌。

こういう歌自体はよくあることなのだが、この曲は最後の最後で絶望的なコトバを言い放っているという。

『どこにいても』ってどんな曲?

どこにいても「あなた」という存在を探している女心を歌ったこの曲。

だが「こんな時間こんな場所」「あなた」がいる可能性はきわめて低い。

だけど、探してしまう。

もしかしたらという「偶然」に賭けてみようと思う。

核心をつく最後の一節とは?

そして、鬼龍院の心を掴む一節が流れる。

「あなたがけしているはずのない確かすぎる場所がある
 泣けてくるあたしの部屋」

山崎まさよし『One more time, One more chance』との比較

ここで鬼龍院はこの手の似た曲として、山崎まさよし『One more time, One more chance』を挙げている。

だが、この曲はロマンティックさを残しているのに対し、中島みゆきの『どこにいても』には悲しみが徹底している。

1ミリも可能性のないフラれ方をしている鬼龍院にとって、ものすごい共感できる曲なのだという。

中島みゆきの失恋ソングがなかったら

関ジャニの村上信五は失恋時に中島みゆきの曲を聴くことへ疑問を呈している。

「辛くない? 自分に追い打ちかけるみたいで」

これに対し鬼龍院は、

「もし失恋した時に失恋ソングを聴いてなければ、心に染みるという感動を経験することはなかった」

と答えている。

関ジャニの横山裕は、この点について理解を示した上で、失恋のときには2パターンの人間がいると述べている。

①ハッピーな音楽でテンションを上げる人。
②暗い音楽でとことん落ち込む人。

鬼龍院は、後者の方。

同じ境遇の人がいるということに自分の気持ちが癒されるのだという。

これはなかなか中島みゆきが喜びそうなコメントである。

中島みゆきが失恋ソングを歌う理由

中島みゆきは、1991年11月の『月刊カドカワ』のインタビュー記事で、失恋の歌ばかりを歌う理由について語っている。

自分の曲は暗い歌だが、頭のどっか半分忘れておいた後で、悲しいとき不幸なときに出くわした時、また思い出してくれればいい。

その目の前の不幸な光景を「ああ、中島みゆきの歌みたいだな」って思う時、こんな惨めな現実でも歌にできる程度のことなんだと、乗り越えるきっかけにして欲しい。

「自分の歌を道具として使ってほしい」というのが中島みゆきが望んでいることなのだ。

『YOU NEVER NEED ME』を鬼龍院が考察

次に考察の対象に挙げた曲は『YOU NEVER NEED ME』

『YOU NEVER NEED ME』(レコチョク)

こちらは、アルバム『LOVE OR NOTHING』に収録されている楽曲。

鬼龍院は、1曲の中で変化していく歌い方に注目。

Aメロでは優しく穏やかだった声が、Bメロでは突然不穏に変化していく。

揺れ動く気持ちを歌唱に変化をつけることで上手く表現しているという。

『YOU NEVER NEED ME』ってどんな曲?

「私」という女が「あなた」という男に届かない想いを抱いている。

「好きなものや欲しいものは」挙げればキリがないが、それに比べ、「必要なものというのはそんなに多くはない」

「あなた」はその数少ない「必要なもの」の1つ。

「息をすることと同じくらい」必要。

だが、一方の「あなた」は私を必要としていない。

「なぜ私でなくて彼女でなければならないの」か、嘆く女心である。

様々な見方

鬼龍院はこの曲を失恋中に聴いたときに「嬉しかった」という。

お笑い芸人サバンナの高橋茂雄は、「今から何をすれば必要と思ってくれるの」という歌詞に、女のまだ諦めていない情念の根深さを感じるとコメント。

横山裕は、「もう何もないの」という歌詞に、自分に言い聞かせてる心境を読んでいるが、一方、古田新太は「何もないの?」という形で相手の男に問いかけているのでは?と各々異なる見解を示している。

高橋は、「もしこの曲をカラオケで誰か女の子が歌い始めたら、どう声を掛けたらいいのか分からない」と戸惑いをみせている。

この意見に他の出演者も頷く。

ちなみに鬼龍院は、この曲を1人カラオケで歌っているという。

『涙~Made in tears~』を鬼龍院が考察

さて、続いての曲は、『涙~Made in tears~』

『涙~Made in tears~』(レコチョク)

もともとは1988年に演歌歌手の前川清に中島みゆきが提供した曲。

同年10月21日には、中島みゆきがセルフカバーしてシングルリリースしている。

鬼龍院はこの曲を詩人のような風景描写&珍しく前向きな歌詞の一曲として挙げている。

『涙~Made in tears~』はどんな曲?

「けばい茶店の隅っこ」で悲しい女が1人タバコをくゆらせながら、別れた「男」のことを思う歌。

鬼龍院の評価ポイント

鬼龍院はこの歌詞の情景描写が圧巻で、リアリティを演出する言葉の選び方も卓越だと絶賛。

特に鬼龍院が注目しているのは「メッキだらけのけばい茶店の隅っこは」という一節。

過去の思い出を振り返る歌は綺麗に描かれることが多い中、これはその手ではない。

失恋した女に似合う場所を、綺麗に描かないことでリアルを演出しているという。

また、「今夜は煙草が目にしみる」という歌詞も高評価。

「泣いているのを煙草のせいにするその感性がカッコイイ」と鬼龍院を唸らせている。

続いて、サビの部分に目を向ける。

この部分が珍しく前向きな歌詞だというのだ。

「男運は悪くなかった
 あんないい人 いやしないもの」

好きな人と別れてしまったが、その人との出会えたことを幸せに思う気持ちが表れている。

これには出演している男性陣、口を揃えて「エエ子や!」と大絶賛。

関ジャニの大倉忠義「こんないい女性を振るなんて悪い男だな」
高橋「こんな女の子はもっかいエエ男と付き合う」

各々男性陣、歌詞の中の女に同情を寄せている。

が、古田新太は、「過去の男に囚われ続けるのは、次に会う男に失礼」と独自の考えを述べる。

鬼龍院、それに対し「中島みゆきの曲には『次の人』という発想はない」と返す。

中島みゆきの心境の変化

中島みゆきの歌は、男への当たりが厳しいという意見はよく聞かれる。
これについて中島みゆきも自覚はあるようで、1992年11月号の『月刊カドカワ』のインタビューでも答えている。

デビューした初めのほうは男に意地悪だった。

自分は正しい、悪いのはみんな男の方って見方の歌が多かった。

だが、それがだんだん男にも事情があるということを考えるようになっていった。

それから男を労わるようになっていった。

中島みゆきも変化する生き物なのだ。

『この世に二人だけ』を鬼龍院が考察

『この世に二人だけ』は1983年に発売されたアルバム『予感』に収録されている曲。

『この世に二人だけ』(レコチョク)

あの名曲『ファイト!』もこのアルバムの中の曲で、だいぶ後になってシングルカットされている。

鬼龍院は『この世に二人だけ』をかなりレベル高めの絶望的失恋ソングと捉えている。

『この世に二人だけ』ってどんな曲?

「私」という女が想いを寄せる「あなた」という男、そして、「あなた」が愛する「彼女」

この三角関係を描いた歌。

恋敵の女が「描いた絵」には好きな男の「好みの色」が使われていて、2人が通じ合っているのだと予感するのだ。

「私」はその辛い現実を突きつけられて、ありえない願いを抱いてしまう。

男と私、「二人だけこの世に残し死に絶えてしまえばいい」と。

だけど、その願いすら先が見えている。

男はきっと「私を選ばない」と。

鬼龍院の評価ポイント

意中の相手と無人島で2人きりになりたいという願望は誰もが抱くもの。

カッコ悪い感情だが、そういう部分も歌にしてしまう潔さを鬼龍院は評価している。

この「私を選ばない」という絶望的だけど、言葉選びのセンスがやはり上手い。

そんな感想の延長で、話は中島みゆきの大学時代に及ぶ。

言葉選びのセンスは、中島みゆきが「大学時代に国語の教員を目指し勉強していたから」という。

中島みゆきは教師を目指していた?

確かに中島みゆきは、教育実習で教壇には立っている。

だが、教員を目指していたからではなく、飽くまで大学の単位をとるためだと思う。

実習の最後に「私は教員ではなくミュージシャンになる」といって生徒にギターの弾き語りをしたという噂もある。

定かではないが。

実習期間中、国語での生徒の解釈に対し意見を求められたとき躊躇したというエピソードは有名。

生徒の解釈は正しいのだけど、受験という場では不適当な解釈。

この時、「自分は国語教師には向いていない」と思ったらしい。

鬼龍院の迷いを救った中島みゆき

話は鬼龍院の曲作りへと移る。

『女々しくて』をヒットさせたゴールデンボンバー。

作詞・作曲を手掛けた鬼龍院翔は、この曲以外にも多くの失恋ソングを書き、発表している。

失恋を曲にすることで心の傷を癒し気持ちの整理をつけてきた彼だが、迷いもあったという。

「このまま失恋の曲を書き続けていいのだろうか?
ポジティブな恋愛の曲の方がニーズがあるワケだし」

だが、中島みゆきの圧倒的な失恋ソングの数々や、「1回の失恋で100曲書ける」という彼女の言葉から、このまま失恋ソングを書き続けようと思ったそう。

『女々しくて』の歌詞がネガティブな言葉で連ねられているのは、原点に中島みゆきがあるからだという。

『化粧』を鬼龍院が考察

そして、最後の考察対象となった曲が『化粧』

『化粧』(レコチョク)

こちらの曲は1978年に発売されたアルバム『愛していると云ってくれ』に収録されている。

シングル曲でもなくベスト盤に入っている曲でもなく何かのタイアップソングでもない曲だが、多くのアーティストにカバーされ愛され続けている名曲だ。

鬼龍院は歌詞はもちろん、この曲を歌う歌唱法にも注目している。

声が裏返ったり不安定だったり泣いているような歌唱が、リアルさを醸し、聴く人の心に刺さるという。

『化粧』ってどんな曲?

最後に男に会いに行く女の話。

女は「化粧なんてどうでもいい」と思っていた。

だけど、今夜だけはどうしてもきれいでいたい。

最後に男に「あいつを捨てなきゃよかった」と思わせたい。

そして、最後の別れ際。

出発前のバスの中。

女は必死に涙をこらえている。

「流れるな涙 バスが出るまで」

と自分に言い聞かせている。

「愛してもらえるつもりでいた」自分を責める。

「バカだね バカだね」と。

中島みゆきの実体験?

泣きながら歌う中島みゆきのこの曲に、「実体験なんだろうか?」と出演者からは声があがったが、中島みゆきは個人的な実体験を直接曲にすることはない。

1991年11月号の『月刊カドカワ』のインタビューで語っている。

自分の場合、個人的な恋愛と歌を離そうとする。

個人的な恋愛をネタにして書く自分が嫌だ。

だから、自分の中にある自然な感情が出てきたものを歌にしている感じ。

中島みゆきの代表曲をサブスク(定額制)で聴こう

2020年1月8日よりついにサブスクリプション(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。

『Amazon Music Unlimited』に登録すれば、月額980円(プライム会員は月額780円)で中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題。
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)

もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。

その数、6500万曲以上

30日間の無料お試し期間があるので、ぜひ一度試していただきたい。

⇒『Amazon Music Unlimited』の公式サイトはコチラ。

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サブスク『Amazon Music Unlimited』で聴ける中島みゆきの曲は?2020年1月8日よりついにサブスク(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。 音楽配信サービス『Amazon Music ...
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