1982年6月27日に放送された「ニューミュージックナウ」(FM東京)に中島みゆきがゲスト出演している。
対談相手は、この頃、中島みゆきが楽曲提供した俳優の古手川祐子、そして松原千明。
ガールズトークのような他愛のない話から、古手川に曲提供した『煙草』の話まで、また新たな中島みゆきの素顔を知ることができる。
この記事は、
- 中島みゆきが歌う鼻歌とは?
- 中島みゆきから『煙草』を提供してもらった時に古手川祐子の反応
- 理想の口説かれ方
について書いてます!
中島みゆき&古手川祐子&松原千明
普段は、松原千明と音楽評論家の伊藤強でお送りしている「ニューミュージックナウ」。
今回は、松原千明と古手川祐子の2人が、中島みゆきとの対談に臨む。
その前に1曲。
この年の3月にリリースされた中島みゆきのアルバム『寒水魚』から『鳥になって』。
出身地
最初の話題は、それぞれの出身地について。
中島みゆきは北海道、古手川祐子は大分、松原千明は京都の生まれだ。
松原「北海道の女性っていったら忍耐強いとか、南国の女性だったらカラッとしてるとか、いろいろありますでしょ? ほとんど(お二人とも)そういうの引きずってませんね」
松原は、曲の感じから中島みゆきのイメージを頭の中に作りあげていたが、初めて「中島みゆきのオールナイトニッポン」を聴いた時、それが突き崩された。
松原「これはなかなか面白い方だなあって感動しまして」
みゆき「自分では、歌のイメージに近づけようと努力するときもあるんですけどね。なかなかね、ご期待通りにはいかないこともありまして(笑)」
つづいての曲は、前年に大ヒットしたシングル曲『悪女』。
中島みゆきの肌と体型
中島みゆきが、古手川祐子の印象について語る。
みゆき「古手川さん、九州の方にしてはって言ったら非常に失礼な言い方ですけど、白いですね」
その肌の白さから、中島みゆきは、古手川を東北の出身だと思っていたようだ。
だが、古手川からしたら、北海道人の肌の白さは九州人のそれとは違い、別格だという。
中島みゆきの肌も然り。
古手川「底から白いなと思いました」
体型についても、話が及ぶ。
松原千明は、昔見た写真から、中島みゆきがぽっちゃり体型だと思っていた。
松原「でも、ずいぶん痩せてらっしゃいますね」
みゆき「昔はわりとぽっちゃりしてたんですけどね。昔と今を比べると、数字ではものすごい差じゃないんですけどね、引力に引かれまして、だんだんお肉が上から下へ移動し始めましてね(笑)」
松原「恐ろしいことですね(笑)」
みゆき「三角体型になりそ(笑)」
つづいての曲は、この年の4月にリリースされ、週間オリコンチャート2位を記録したシングル曲『誘惑』。
古手川祐子への提供曲『煙草』について
この年、中島みゆきが古手川祐子に提供した『煙草』について話が及ぶ。
古手川は、曲を提供してもらえるという話を聞いた時、飛び上がるほど喜んだという。
古手川「昔、1回だけね、映画の仕事でね、すごい喜んだ時があったんですよ。それからずっと喜びがなかったんです」
その古手川を再び喜ばせたのが、この『煙草』だった。
「一生宝物にするの!」とその浮かれようといったら傍にいたマネージャーすらも驚き呆れるほどだった。
そんな古手川が中島みゆきと会うのは、実はこれが2回目。
最初に会ったのがレコーディングの時だ。
古手川は、必死の覚悟でレコーディングに臨んだと、この時のことを振り返る。
古手川「みゆきさんが向こうにいるんだと思ったらね。カーテン閉めたら緊張しないんじゃないかなって思ったけど、ダメだったね(笑)」
松原「歌の気持ちとか分かる?」
古手川「詞が大好きなの。分かるなあって思ってね。なんとなく近いのね、私にね。詞で人の心を掴まえるのって、すごく大事だと思う」
古手川は、曲よりも先に歌詞を読むタイプだという。
つづいての曲は、『煙草』のB面に収録されている『朝焼け』。
この曲も、中島みゆきが作詞・作曲を手掛けている。
中島みゆきの鼻歌
松原「中島さん、鼻歌うたったりなんかあります?」
プライベートで中島みゆきは歌ったりするのだろうか?
例えば、宴会でカラオケとか?
みゆき「宴会になると私、ひたすら食べる方になりますから。でも、鼻歌は、飲み会の時にはポッと歌ってるかもしれませんけどね」
とは言っても、曲は選ぶようだ。
その時代の流行歌を好んで、例えばピンク・レディーなんかも歌うようだ。
一方、自分の曲は絶対に歌わないという。
みゆき「自分の歌う歌ったら暗いですもん、落ち込みますもん(笑)」
逆に、古手川祐子はというと、プライベートで中島みゆきの曲をよく歌うらしい。
六本木の飲み屋で酔っ払い、カラオケで『悪女』を歌ったことがあったのだが、その時偶然そこに居合わせて聴いていたのが、今の古手川のマネージャーだった。
そんな思い入れのある『悪女』は、古手川のお気に入りで、リリースしたばかりの頃に手に入れ、すぐに曲を覚えたという。
古手川「『誘惑』もすぐ覚えてね。やっぱB面(『やさしい女』)はすごい難しくて、これはなかなか歌えないなって」
古手川祐子の中島みゆきへの憧れ
古手川祐子は、かねてから中島みゆきに曲を書いてもらうことを切望していた。
ある時、この番組の司会である伊藤強に、「中島みゆきさん書いてくれないかな」とつぶやいたことがあった。
それに対し、伊藤はこう返したという。
「恋人がいるルンルン気分の人には書いてあげないんだ」
この伊藤の冗談を、古手川は真に受け、ひどく落ち込んだ。
当時、交際していた相手と別れようか本気で悩むほどだったという。
一方、中島みゆきの方も、人づてに古手川のことをリサーチしていた。
みゆき「私も聞いたんですよ、「でも恋人いらっしゃるんでしょ?」って、わりと根暗に。そしたら酒井さん(酒井政利)が、こともなげにおっしゃいましてね、その一言で曲書くの決まったようなもんですけどね、「まだ結婚したって決まったんじゃないからいいでしょ」ってね(笑)」
松原「結婚しちゃうとダメなんですか?」
みゆき「ひがみ根性の方が先に出ますんでね(笑)」
どうやら『煙草』は、出来合いのものを提供したのではなく、古手川のために書き下ろされた曲のようだ。
中島みゆきは、古手川をイメージしてこの曲を作ったのだろうか?
みゆき「その人用に合わせて書こうとするのは、あんまり好きじゃない。自分で歌いやすいって方でやります。自分で歌いやすいのは、人も歌いやすいはずだとか思ってね」
一方で、自分で歌ってボロが出やすいものは人に譲るようにしている。
『煙草』もその手だ。
みゆき「この歌、ツ~ンと高い声があるんですよね。「だれか 私の目を閉じて」の部分。私、あそこダメなんですよ」
だが、中島みゆきは、1985年のアルバム『御色なおし』でこの曲をこともなげにセルフカバーしている。
とはいえ、中島みゆきが苦手とするパートを、古手川のそれと聴き比べると、だいぶ印象が違う。
理想の口説かれ方
3人集まれば、理想の口説かれ方も三者三様だ。
「自分で口説く方が好き」というのは古手川祐子の理想。
松原千明はというと、「俺についてこい」的な硬派な雰囲気を漂わせる男が好みなので、あまり気安く口説かれるのは得意ではない。
では、中島みゆきは?
中島みゆきは、理想の口説き方の一例として、倉本聰のドラマを引用した。
みゆき「ドラマの中に、ラーメンを食べながら口説くシーンがあるんです。いいなと思いましたけど難しいでしょうねという話をしましてね。なんたって大変でしょ? 食べながら、ましてやラーメンってなるとね。そしたら、倉本さんからお返事をいただきましてね、「ラーメンを食べながら口説く時には、シナチク(メンマ)は決して口に入れてはいけない」と教えていただきましたけどね(笑)」
そんな中島みゆきが絶賛する口説きだが、今のところこのような人を現実には見たことがないようだ。
ラストの曲は、アルバム『寒水魚』から『歌姫』。
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