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中島みゆきと松坂慶子の対談|1982年放送「中島みゆきのオールナイトニッポン」より

サーフィン

1982年11月1日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」に女優の松坂慶子がゲスト出演している。
ちょうど「蒲田行進曲」が大ヒットした頃の対談で、この映画の裏話について触れられている。
また、弟のことや習い事のことなど、松坂慶子のプライベートが語られている。

2人の対談をみていこう。
(※部分的に編集しています)

この記事は、

  • 映画「蒲田行進曲」の裏話
  • 松坂慶子の弟
  • 松坂慶子の習い事

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

映画「蒲田行進曲」の裏話

今回のゲストは女優の松坂慶子
中島みゆきと松坂慶子は同じ1952年生まれで、放送当時は2人とも30歳だ。
この年、松坂慶子の代表作である映画「蒲田行進曲」が公開され、配給収入17億のヒットを飛ばした。

慶子「「蒲田行進曲」の中で私が演じた小夏の第1回主演作のポスターが出てきたの」

劇中に登場するポスターのことだが、当初はビキニ姿の写真を使用する予定だった。
だが、実際に使われたのは、松坂が出演した映画「配達されない三通の手紙」のポスターだった。

お蔵入りになったビキニの撮影は、別のCM撮影のついでに行われたらしい。
松坂は、水着を着た時の体のラインを気にしてか、ずいぶんと節制を自分に課していたのだった。

慶子「みんなはステーキ食べてんのに、私は「パイナップルでいいんです」って我慢してたんで、もう悔しかった」

その我慢の反動で、撮影後はたくさん食べ、倍太ったという。

みゆき「前にお会いした時より痩せたみたいな感じするけど」
慶子「つかこうへいさんが演出構成してくれて、それで絞られてるからまたちょっと痩せて」

つかこうへいとは「蒲田行進曲」の脚本を手掛けた演出家だ。
そのつかこうへいが、演出・構成を手掛けたコンサートに、松坂慶子をレオタード姿で登場させようとしているらしい。
この話が出た時、松坂は必死に反発した。

慶子「「ダメですダメです、私太っちゃっててぜんぜんダメです!」って言ったら、「化粧してメシばっか食ってるからだろ、やせろ!」って言われて(笑)」

松坂慶子の弟

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の名物コーナー、「家族の肖像」。
今回はこれに先だって、「弟の肖像」のコーナーを立ち上げてみた。
松坂慶子の弟について根掘り葉掘り訊いてみようというコンセプトらしい。

慶子「7つ違いの弟がやっと去年大学出ましてね」

松坂慶子曰く、弟はおっとりとした性格。
外見は、パーツで見ると松坂と似たところもあるが、引いて見るとそんなこともなく、素朴で田舎の子といった感じの雰囲気なんだとか。

慶子「堅気の仕事してるの弟だけだから、すごい嬉しいんですよ。大学も出てくれたしね」

去年、ワイン会社に就職し、藤沢の工場で仕事を始めたらしい。
弟は、商品にラベルを貼っていく作業を担当している。

慶子「「まっすぐ貼れるの?」って訊いたら、「うん、次の人がまっすぐ直してくれる」っていうの。も、おかしくって(笑)」

弟は多趣味で、主にレコード収集とサーフィンに精を出している。
実家から藤沢にある会社は遠いので、近くの江ノ島に部屋を借りて住んでいるというが、これは表向き。
本音は、サーフィンができる海の近くに住みたかったのだ。
毎日、弁当屋で食事を済ませて1人暮らしの自由を満喫しているようだ。

みゆき「サーフィンって冬でもやるんですよね?」
慶子「冬もやってます。風邪ひこうが、何しようが、ウェットスーツ着てね」
みゆき「その姿といったら、ほとんど板に乗った昆布って感じでしょ? で、昆布が泳いで戻ってくると、昆布巻きつけて帰ってくるんでしょ?(笑)」
慶子「アハハハ!」

サーファーには世間一般が持つイメージというのがある。
松坂慶子の弟は、そのイメージに当てはまっている。
松坂が、友人に弟の写真を見せた時、すぐにサーファーだと分かったらしい。

慶子「髭はやして髪の毛が茶色いっていうのはサーファーの人には多いんですって」

潮焼けした髪の毛は茶色になるという。
弟も自分の茶髪を潮焼けにしているが、そうではないことを松坂は見抜いていた。

慶子「染めたんですよ。1カ月後に会ったら黒いのね。この辺が伸びてるのね(笑)」
みゆき「生え際が?」

染めたとこと伸びたとこの色のちぐはぐさに見かねた松坂は、姉らしく小遣いを渡し、美容室へ行かせたという。
中島みゆきは、同じ弟を持つ身として、この松坂の振る舞いに反応する。

みゆき「「お小遣いあげるから」って言ってみたいものですね(笑)」
慶子「7つも違うと気が楽だしね、よく学生時代だとドライブ行ったりね」
みゆき「弟さんは、松坂さんのこと何て呼びます?」
慶子「「お姉ちゃん」って呼んでます」
みゆき「ウチも「お姉ちゃん」っていちお呼ぶようにはしつけてますが、なかなか(笑)」

撮影中の虫対策

CM中、スタジオの中を蚊が飛び回っていたことから、中島みゆきはふと、役者の苦労を考える。

みゆき「ほら、役者さんってロケなんかだと外なんだよね? けっこう待ち時間とかあるんでしょ? 蚊が出るんだろうなって」

松坂慶子は、普段から虫よけスプレーを持ち歩いているらしい。

慶子「ベッドで寝ているシーンなんかに虫よけスプレーが必要なの」
みゆき「ベッドで寝ているシーンで、ブ~ンとか飛んで来たらやっぱり気が散りますか?」
慶子「ブ~ンもあるし、布団の中に住んでる方もいますし」
みゆき「蚊に刺されても、どうってことない顔しなきゃいけないから大変ですね。ウチなんかコンサートで蚊が飛んでこようものなら、コノヤロ!って追っかけますけど」

松坂慶子の習い事

松坂慶子がこれまでに出会った思い出深い教師。
それは、高校時代に習い事をしていた時の先生だ。
当時、松坂は、「古賀政男ギター歌謡学院」というところで週2回のレッスンを受けていた。
古賀政男とは、昭和の代表的な作曲家兼ギタリストで、国民栄誉賞を受賞するなど、その分野で華々しい功績を挙げていた。

慶子「私、声が細いでしょ? なかなか上手くいかないんです、根気がなくて。そしたら先生がこうおっしゃるの。「松坂くんが上手くなるの待ってたら日が暮れるねぇ」って(笑)」

同じ頃、松坂はクラシックバレエを習っていた。
こちらの方は長続きした。
その理由とは、

慶子「先生がハンサムだったから」
みゆき「不純でいいですねぇ(笑)こういうの大好き」
慶子「ニューヨークシティバレエ団で昔ソリストやってた綺麗な綺麗な男の人だったの。ヨーロッパ的なお顔立ちで」

たまにサボって久々に会うと、「松坂さん風邪ひいてましたか?」と優しい言葉を掛けてくれる。
それが松坂にはうっとりきてしまうのだ。

みゆき「いいですね。私、そういう先生に恵まれませんでしたから。性格だからお付き合いしましょうって先生が多かったから(笑)」

この放送の翌年、中島みゆきは松坂慶子に『海と宝石』という曲を提供している。

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