1998年の中島みゆきのアルバム曲『紅灯の海』
この曲は、中島みゆきが竹中直人のために書き下ろした曲だ。
昔から中島みゆきが好きだったという竹中直人、一方で、中島みゆきは、竹中直人が監督した映画に出演している。
2人の交流はどのようにして始まったのだろうか。
「紅灯」の意味や、歌詞の解釈も交えつつみていこう。
この記事は、
- 『紅灯の海』は竹中直人に提供された曲
- 竹中直人と中島みゆきの出会いと交流
- 「紅灯」とは赤いちょうちんを意味する
について書いてます!
中島みゆき『紅灯の海』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
竹中直人に提供された曲
竹中直人をイメージ
1997年の竹中直人のアルバム『siesta?』の中に収録。
2004年「文芸ポスト」冬号によると、竹中直人から中島みゆきへ曲のオファをしたという。
中島みゆきは、竹中直人のイメージで曲を書いた。
一方、竹中は、歌詞を読む限り中島みゆきの歌声しかイメージできなかったので、中島みゆきの表情を思い浮かべながら歌っていたと語っている。
かもめよかもめよ 真白き指先は
手招きするか 別れを告げるのか
忘れた素振りの 忘れえぬ面影が
灯台のようひひるがえる海だ
(『紅灯の海』より)
竹中直人と中島みゆきの出会いと交流
1999年12月7日に放送された「スーパースターライブ/中島みゆき・夜会の冒険」(NHK衛星第2)に竹中直人が出演。
中島みゆきとの出会いについて語っている。
発端は、中島みゆきのライフワークである「夜会」のパンフレットに載せる原稿を依頼されたことだった。
2004年「文芸ポスト」冬号では、その時の心境を以下のように振り返っている。
「なんか恥ずかしいな、なぜ僕なんだろう、と思いながら、緊張して書いたのを覚えています」
その後、竹中は、「夜会」を初めて観賞し、またそこで中島みゆきと初対面している。
「世界観がしっかりあって力強い。それでいて、ちゃんと泣かせてくれる」
「夜会」の世界に魅了された竹中は、その後、自身が監督した映画「東京日和」への出演を中島みゆきにオファした。
一方、中島みゆきも、竹中が毎年行っている「竹中直人の会」という舞台に何度か足を運んだ。
やがて、いっしょにお好み焼きを食べるほど仲を深めていった。
そんな中、竹中がアルバムを出すことになり、中島みゆきに曲を書いてもらうことになったのだ。
そして、完成したのが『紅灯の海』である。
中島みゆきは、竹中直人監督作品に2度出演している。
- 「東京日和」…竹中直人・中山美穂主演映画。中島みゆきはバーのママ役で出演。
- 「サヨナラCOLOR」…竹中直人・原田知世主演映画。中島みゆきは医師役で出演。
竹中直人は、高校時代から中島みゆきが好きで特に『アザミ嬢のララバイ』を好んでいた。
あまりにも好きが高じて、この1曲だけで1年を過ごせたとも語っている。
「紅灯」とは赤ちょうちんを意味する
櫂もなくして舵もなくして 浮かれ浮かれ身も世もなしに
足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る
紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き
紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい
(『紅灯の海』より)
「紅灯」とは赤ちょうちんを意味し、特に、飲食街の華やかさを指す。
飲み歩いてフラフラに酔い、夢うつつの世界を彷徨う背広姿の男の背中が、この曲からは連想される。
編曲を手掛けた瀬尾一三は、石田匠のライブにゲスト出演した際にこの曲を歌うほど気に入っているようだ。
中年の男の哀愁を描いているという理由での選曲で、「ラジオ瀬尾さん」では、
「女性なのになんでこんな男のロマンチシズムを分かるんだろう」
と、中島みゆきの幅の広さに感服している。
『紅灯の海』のみんなの感想
そ去年 タモリ倶楽部で灯台の特集をしたとき ゲストのヒコロヒーさんが、中島みゆきさんが好きでって言って「紅灯の海」を紹介した! かなり、きっちりしたファンだ!嬉しい😃💕
竹中直人さんによるカバーはこれ→https://t.co/HWkmZHa0oB— カズ・ラッコー (@ZettoManKaz) February 13, 2022
紅灯の海とか昔はそんなに刺さらなかったのにじじいになったからかすげぇいい。中島みゆきの曲も刺さり具合が変わってきた
— Kooota (@Kooota) June 19, 2021
中島みゆきの紅灯の海はもともとすきだったけど、タイトルの紅灯の海がネオン瞬く夜の”海”だということを知ってから歌詞の意味にも合点がいってさらに好きになりましたね
— SD-80 (@SD80ks) December 3, 2018
カバーしたアーティスト
宮下文一
「夜会VOL.20 リトル・トーキョー」の中で、中島みゆきの夫役を演じた宮下文一。
難しい立場になり苦悩するシーンで歌われている。
2019年上演。歌手の渡辺真知子との共演。
北海道の山奥にあるホテル&パブを舞台に様々な人間模様が織りなされていく。
久々に、既存曲も歌われ、原点回帰したような作品になっている。
⇒『夜会VOL.20 リトル・トーキョー』の解説&みんなの感想
島津亜矢
2010年のカバーアルバム『Singer』に収録。
『紅灯の海』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『わたしの子供になりなさい』
1998年リリースのオリジナルアルバム。
こちらに収録されているのはアルバムバージョンの『命の別名』。
オリジナルよりもハードでロック色の強い仕上がりになっている。
- TBS系ドラマ「聖者の行進」の主題歌『命の別名』アルバムバージョン
- フェイ・ウォンに提供した『清流』
- 映画「大いなる完(ぼんの)」主題歌『私たちは春の中で』
- テレビ朝日系ドラマ「はみだし刑事情熱系」主題歌『愛情物語』
- 石嶺聡子に提供した『You don’t know』
- 竹中直人に提供した『紅灯の海』
を含む全10曲
【収録曲】
『わたしの子供になりなさい』『下町の上、山の手の下』『命の別名』『清流』『私たちは春の中で』『愛情物語』『You don’t know』『木曜の夜』『紅灯の海』『4.2.3.』
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