1995年の中島みゆきのアルバム曲『泣かないでアマテラス』
「夜会Vol.4 金環蝕」のために書き下ろされたこの曲は、日本神話に登場するアメノウズメの視点で描かれている。
劇中では、舞といっしょに歌われ、歴代の「夜会」の中でも多くの人の印象に残る名シーンである。
この記事は、
- 「夜会Vol.4 金環蝕」のために書き下ろされた『泣かないでアマテラス』
- 『泣かないでアマテラス』は日本神話のアメノウズメ視点の曲
- 『泣かないでアマテラス』はモールス信号の「Z」をリズムにした曲
について書いてます!
中島みゆき『泣かないでアマテラス』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「夜会Vol.4 金環蝕」のために書き下ろされた
『泣かないでアマテラス』は、1992年に上演された「夜会Vol.4 金環蝕」のために書き下ろされた。
日本神話に天文学の要素を交えながら展開していく劇中で、全編に渡って歌われているのがこの曲だ。
力強い舞で歌うラストシーンは、多くの人の感動を呼び、「夜会」の特集が組まれると必ず取り上げられる。
アメノウズメの視点で描かれている
泣かないで 泣かないで 泣いて終わらないで
ほほえんで ほほえんで ほほえんで
アマテラス!
(『泣かないでアマテラス』より)
アマテラスに呼びかけているこの曲は、劇中ではアメノウズメの視点で歌われている。
アメノウズメとアマテラスの関係
日本神話では、太陽の神・アマテラスは、弟スサノオの暴力に恐れて岩戸に隠れてしまう。
そのせいで世界は闇に包まれてしまい、八百万の神々があの手この手でアマテラスを引っ張り出そうとする。
そんな中、一役買ったのがアメノウズメだ。
アメノウズメは、伏せた桶の上で足を踏み鳴らし、胸や陰部をさらけ出して踊り始めたのである。
周りの八百万の神々は、その滑稽な舞を見て、大笑いする。
アマテラスが、その賑やかな声が気になり外の様子を窺おうと天岩戸の扉を少し開けた時、天手力男神が力づくでアマテラスを引きずり出したのである。
中島みゆきが演じたアメノウズメ
「夜会Vol.4 金環蝕」では、中島みゆきはアマテラスとアメノウズメの両方を演じている。
アメノウズメにおいては、胸を露わにするシーンを衣装を用いてコミカルに再現しており、また、ラストの踊りながら歌うシーンは、以下の日本神話の記述に倣っている。
「低く腰を落として足を踏みとどろかす」
ラストは、真っ赤な衣装の中島みゆきが、這うような恰好で床を踏み鳴らして『泣かないでアマテラス』を歌っている。
中島みゆきが加えた視点
1994年1月11日に放送された「中島みゆき3DAYS~もっとみゆきと深い仲」(NHK衛星第2)の中で、日本神話の岩戸隠れのエピソードについて触れられている。
中島みゆきには、暴力に恐れて岩戸へ隠れたアマテラスが、再び暴力によって引きずり出されるというオチが納得いかなかった。
そこで、アマテラスの気持ちへ目を向け、オリジナルとは異なる台本を作り上げていったのだ。
『泣かないでアマテラス』が、アマテラスの気持ちに寄り添っているように聴こえるのは、そのためであろう。
モールス信号の「Z」をリズムにした曲
「夜会Vol.4 金環蝕」のラストに歌われる『泣かないでアマテラス』は、コツコツと床を叩く音から始まる。
このリズムは、モールス信号の「Z」を表している。
中島みゆき扮する天文学者が、あらゆるアルファベットの信号を打ち続け、送った最後の文字が「Z」。
その「Z」のリズムに合わせて、足が踏み鳴らされ、やがてアメノウズメの舞へと変わっていく。
1999年12月7日放送の「夜会の冒険」(NHK衛星第2)の中で、「夜会Vol.4 金環蝕」の舞台を観た西田ひかるが感想を述べている。
ラストの「Z」のリズムで歌った『泣かないでアマテラス』について、「アフリカのダンスのような全身を使った力強い踊り」と、最も印象に残ったシーンに挙げている。
タイアップ映画
「スワロウテイル」
1996年公開の岩井俊二監督映画。
主人公のグリコ(CHARA)が雑誌記者の鈴木野清子(桃井かおり)に、車中で問い詰められているシーンで、カーラジオから『泣かないでアマテラス』のイントロが流れている。
その後、この曲を背景に銃撃を受ける展開となり、映像とのちぐはくさが印象に残るシーンとなっている。
『泣かないでアマテラス』はこんな曲
ひたむきに励まそうとするアメノウズメの温かさが伝わってくる曲だ。
地上に悲しみが尽きる日は無くても
地上に憎しみが尽きる日は無くても
それに優る笑顔が
ひとつ多くあればいい
君をただ笑わせて
負けるなと願うだけ
(『泣かないでアマテラス』より)
『泣かないでアマテラス』のみんなの感想
泣かないでアマテラスは泣く😭
自分を元気づけるためにちょいちょい頭の中で歌う曲。
いやしかし脚でシャンシャンはスゴいよね( ´;゚;∀;゚;)— 🎪🐆米沢リンダ🎪🌟 (@mikarin6729) October 10, 2021
#FMおとくに
中島みゆき 泣かないでアマテラスマイナーなこの曲を、わざわざ探し当ててくださり、ありがとうございますm(_ _)m
これは、私が初めて行った中島みゆきさんの夜会で巡り合った唄。
思いっきり泣いて元気になれる詩です。— マイマイ🍖🎹🧸🐢 (@My2Mymy) December 26, 2020
中島みゆきさんの歌で「泣かないでアマテラス」と言う歌がある。
歌詞の中の「アマテラス」のフレーズを親しい人に置き換えたら、このコロナ禍の応援歌に思えてきた。
我が友よ、でも、弟よ、でも、おじいちゃん、でも、お母さん、でも。— makoto (@makoto_sato) April 10, 2020
本人映像
『夜会VOL.4 金環蝕』
1992年上演。天文学と古典がクロスした斬新なストーリー。
天岩戸へと隠れてしまった天照大神と、それを舞いと歌で励まそうとするアメノウズメ。
加え、天体を観測する天文学者の3役を中島みゆきが演じている。
収録アルバム
『10 WINGS』
1995年リリースのオリジナルアルバム。
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』のリメイク
- パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』のリメイク
- 世良公則とのデュエット『ふたりは』
を含む全10曲。
【収録曲】
『二隻の舟』『思い出させてあげる』『泣かないでアマテラス』『Maybe』『ふたりは』『DIAMOND CAGE』『I love him』『子守歌』『生きてゆくおまえ』『人待ち歌』
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